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離婚を丸出しにするな

以前勤めていた会社に戻り、前と同じ部署で働くことになった。
それだけでも出戻りで少し肩身が狭いのだが、もう1つ問題が。夫の姓で勤務していたもんだから、苗字が変わるのだ。

「結婚したので苗字変わったんです」ならいい。
「離婚したので苗字変わったんです」

気まずい。想像したら気まずすぎる。相当面の皮を厚くしていかないと無理だ。

しかし私は戻ることにした。理由は色々。退職した時の問題がなくなったから、というのは大きかった。

以前一緒に働いていた人もいるけど、はじめましての人も多い。以前からの知り合いには迷惑をかけてしまうが、きっと時間が経てば旧姓に馴染んでくれるだろう。

と、ある程度覚悟の上で出戻ることにしたのだが、実際は想像以上に元夫の苗字を撒き散らすことになる。

その1 出戻るための手続き


以前働いていた場合はその時のデータを色々と再利用するらしく、メールアドレスなどもそこに含まれていた。
が、大抵会社のメールアドレスというのは苗字が入っている。旧姓はマルゲリータだが元夫の苗字はジェノベーゼだったので、Genovese@〜になるという。(←もちろん苗字は仮である)

手続きをやってくれた子はそんなルールを知るはずもなく、申請の際にシステム部と会話した後混乱していたらしい。
「マリコさんってマルゲリータさんのことですか?システム部からジェノベーゼって言われたんですけど…?」

かくして初めましての人にも離婚丸出しとなった。本来であれば職場の人がバツイチかどうかなんて、なかなか聞く機会はないのだろうが。
ちなみに結局アドレスは旧姓のマルゲリータを使うことになった。丸出し損である。

その2 挨拶回り

いざ復帰すると、色々なところで挨拶をする。顔を知っていた人との会話では…
「はじめまして」
「あれ?以前お会いしたことがあるような…?」
「あははぁ〜、いやその、苗字が変わってまして〜」
「あ、ご結婚ですか!」
「逆です。離婚したんです。」
「」

メールだけでやり取りしていた相手も、言わざるを得ない状況に。

「すみません、ちょっと3年前のことでお聞きしたいんですけど、あの時使ってたシステムのことで…」
「はい…?(なんでこの人知ってるんだろう)」
「あ、以前はジェノベーゼで勤務してまして…」
「あぁ!結婚したんですか?」
「」

その3 ついうっかり…

元々一緒に働いていた人たちは気を遣って旧姓で呼んでくれるようになった。が、やはり夫の苗字
で呼び慣れているらしくて、よく間違えられる。

「ジェノベーゼさん…あぁ!ごめん間違えた!!」
「大丈夫です!むしろ気を遣わせてすみません」

こんな感じで四六時中相手に謝らせてしまっている。最近は逆にわざと元夫の苗字で呼ばれていじられるが、それすら相手の気遣いから来ていると思われる。

心底思う。旧姓で働いておけばよかった、と。
自分が離婚なんかするわけないと思っていたし、以前の職場に戻ることも想定外だった。

それでも離婚丸出し女は今日も元気に生きている。離婚から立ち直れたことだって想定外だ。

過去の自分に助言するとしたら「離婚はするし、離婚丸出し状態にはなるけど大丈夫。ちゃんと元気になれるから」だろうか。そんなこと言われたって全然大丈夫な気がしないと思うけど。

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