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【誰が勇者を殺したか】 - 勇者をつむぐ物語 -

魔王を倒した勇者一行。
王都に帰還したのは仲間の3人だけだった。

高潔の剣聖
性悪の聖女
偉才の賢者

なぜ勇者は死んだのか。その質問に答えるときの3人は歯切れがわるい。
様々な疑惑はあるけれど、誰もウソをいってないようだ。それなのに真実がみえてこない。

 ◇◇◇

才能に恵まれた剣聖、聖女、賢者をまとめる勇者は、なんの才能もなく、ただ努力をするだけの普通の人でした。
その努力が異常だったのです。
休むこともなく、体力の限界まで動いて気絶するように眠る。毎日そこまで自分を追いこめるのはどうしてなんだろう。

勇者と深く関わった人たちの記憶を丁寧に紡いでいく。その中である疑念が生まれる。

「勇者は本当に死んだのか」

 ◇◇

ファンタジー × ミステリ となっているけれど、ミステリ要素は弱めとなっています。

よくある話、よくある設定、よくある展開。昔むかし、読んだことのあるような物語なのですが、丁寧に構成された優しい物語となっています。

本を閉じるとき、幸せな気持ちで微笑んでいるでしょう。

 ◇

KADOKAWA:2023.9.29
文庫本:264ページ

勇者は魔王を倒した。同時に――帰らぬ人となった。

魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。「何故、勇者は死んだのか?」勇者を殺したのは魔王か、それとも仲間なのか。王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリ。

amazon本の概要より

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