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卒業旅行のすすめ

卒業式シーズン。私と同じタイミングで大学に入学した友人たちが、大学院を卒業する。彼らはいま、とても楽しそうだ。修論を出し終え、卒業旅行へと旅立っている。二度も、卒業旅行をするチャンスがあるなんてうらやましいことこの上ない。


彼らの話を聞きながら、2年前の自らの卒業旅行に思いを馳せる。ケーキ屋のバイトでためたバイト代と奨学金を費やして、5ヵ国6都市と沖縄に行った。まず北欧3ヵ国に行って一度帰国し簿記の試験を受け、その後すぐにポーランドとベルリンへ。そしてまたすぐに沖縄へと旅立った。


スウェーデンでは、ホテルのフロントスタッフが「僕は来週スキーをしに日本に行くんだ!新潟のスキー場、すごい良いと聞いてるから楽しみだよ」と、日本より寒い国からわざわざ日本にスキーに行く人が多い事実を教えてくれた(どうやら小規模のスキー場が多く、新潟の方がスケールが大きいらしい。その人によると)。
ポーランドでは、レストランの隣のテーブルの人に日本人だと伝えると「京都にも東京にも行ったよ。すごく好きだよ」とニコニコして言ってもらえた。
ベルリンでは、泊まったアパートメントのスタッフに電球が切れたことを伝えにいったら「取り替えにいくよ!それよりね、女が日本にいるんだ。だから僕も夏に日本に行って住もうと思っているんだ。何回か行ってるけど良いところだよね」と話を弾ませてくれた。


どの国でも好意的に受けとめてくれる人の多さに、日本人で良かったなあと誇らしくなった。そして、日本がやっぱり好きだな、日本には良いところがたくさんあるなと思ったものだ。どこが良いとうまく言語化できないもどかしさを感じながら。


なんて贅沢な時間だったのだろう。これだけの地域に足を運び、現地の人と話して。春休みの卒業旅行をぜんぶ合計すると、25日間も飛び回っていた。社会人になったら長期旅行には行けないよと散々言われていたためなのか、詰め込めるだけ詰め込んだ。


社会人2年目で思うのは、長くどこかへ旅するのはやはり難しいということ。旅をしながら働く人だって、海外でノマドをしている人だっているし、もしかしたら企業勤めでも欧米のような1か月ほどの夏期休暇がある人だっているのかもしれない。だけど、今の日本でのメジャーな働き方ではない。旅好きの私としては残念なお話である。


だから、就職するまでに時間があるならぜひ、長期の旅行に出掛けてほしい。そこでしか出会えない人・感じられない空気を味わってほしい。今いるところから出ないと、今いるところの良さも、他の良さも見えてこないから。

※今から海外は準備が大変かと思うので、九州をぐるっと回るとか、四国を制覇するとか、青ヶ島に行くとか、国内で時間が必要な旅をするのはどうでしょう?

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