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かきますか

「マイクを水平にして、前後させながら歌う。」

カラオケ(DAM)の採点機能で高得点を狙うときの裏ワザだ。


数年前、世の中の「諸説」を真面目に実験する「※諸説あります」という番組の中で、どうやったらカラオケで高得点をゲットできるか、様々な方法を試した。

♪ひまわりの約束/秦基博を課題曲にして、終始”がなって歌う”、マイクを離す、マイクを顎につける、などなど、角度にも変化をつけてやってみた。

結果、マイクを右手で持ち、口に対して、垂直の角度で、前後に動かしながら歌った結果、95点

その時の被験者は、おとといのキングオブコント(KOC)で優勝した
お笑いコンビ・どぶろっくのギター演奏する方、森慎太郎君だった。


他にも、いくつかの「※諸説」を実験したのだが
「テスト前夜の一夜漬けでいい点をとれるか」というのもあった。

被験者は、イタリア語を全く知らない大学生50人。
25人ずつのグループに分かれ、完全徹夜組と途中で就寝する組に分かれ、
初めて見る、イタリア語の単語を100個暗記するという内容。

就寝した方が、記憶が定着するという仮説があったのだが、
この実験の結果は、完全徹夜組の平均点が上回っていた。

あとで思ったのだが、さらに翌日、もう一度テストしたらどうなっていただろうか?記憶の定着への興味は尽きない。

記憶力を高める方法のひとつに、意外なものがある。


落書き


小中高の時代、授業がつまらないと教科書に落書きした。中でも、世界史の教科書は、パラダイスだった。孔子、孟子、シーサー、チンギスハン、スターリン、ヒトラー、孫文… 時代を超えて、世界中でデコられているだろうな。

学年末には、美術の教科書より、世界史の教科書の方がオリジナリティあふれる仕上がりになっていた人もいると思う。

出来栄えはともかく、教科書のいたずら書きは、ほめられたものではないかもしれないが、実は、落書きそのものは、思考の手段であり、情報処理方法や問題解決方法に影響を与えることがわかっている。

自由な落書きは、脳の報酬系とつながっている前頭前皮質への血流を促進するため、糖分摂取や、笑ったり、踊ったりといった行為と同じ反応が得られるという。

The Arts in Psychotherapy誌で発表された、教育学博士のギリヤ・カイマル氏らによる研究。

機能的近赤外分光を用いて落書き中の人の脳の血流を観察。被験者は、絵心あるという人から苦手という人まで26人。白紙に落書き、円が描かれた紙に落書き、曼荼羅が書かれた紙に塗り絵という3つの動作を、休憩をはさみながら3分ずつ行った。

結果、休憩中よりも落書き中の方が、明らかに血流が活発になっていた。このことから、芸術に取り組むことへの本能的な喜びがあると考察される。
興味深いのは、絵心があると言っている人ほど、塗り絵をしているときの血流が少なかったこと。また、落書きによって血流が促されることを示す定量的なデータも確認された。

また、実験の前後、被験者に実施したアンケートで、落書きした後の方がよりクリエイティブになり、問題解決能力や発想力が豊かになっていることもわかった。

落書きにまつわる実験でいうと、イスラエル工科大学の設計技術の学習に関する研究でわかったのは、「思考する頭と、鉛筆を持つ手、描いた絵を見ている目の間の相互のやりとりを活発にさせ、落書きが設計図の完成に役立つこと」がわかっている。

もっとわかりやすいところだと、イギリスのプリスマ大学で行われた実験。

被験者40人に、「人と場所の名前」を聞かせて、あとで思い出して書き出してもらうという内容。

被験者の半数は、紙に落書きしながら、聞いてもらった。結果、落書きをした人はしなかった人より、思い出せた数が29%多かったという。

落書きすると、集中力が損なわれるようにも思える。だが、喜怒哀楽が刺激されると記憶がパワーアップするという法則が真実味を帯びる。

そういえば、文豪・太宰治の学生時代のノートも落書きだらけだ。

太宰


授業やセミナー、会議などで、つまらないと思ってきたら、落書きすると、なんか突破できるかもしれないな。なにが見えるかは、わからないけど。

沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です