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2024J2第19節 甲府VS仙台 振り返り

前節の振り返り


はじめに

前節は強敵いわき相手にアウェイで何とか勝ち点3を手にした仙台。後半は防戦一方気味になりながら、何とか気合と根性で守り切り連敗を回避しました。
今節を終えると丁度1年の半分のゲームを終える事になります。1巡目最後の相手は甲府。前線に強烈な外国人を揃える個性的なこのチームにどれだけ先手を取ってゲームを進められるでしょうか。

メンバー

☆仙台

ボランチは佳貴がベンチスタートとなり、出停から長澤が復帰してスタメンに。
左SHは名願がベンチスタートで相良がスタメン。
ベンチは石尾・エロンに代わって知念が入りました。

★甲府

右WBは飯田がベンチスタートで関口がスタメンに。
シャドーは鳥海がベンチスタートで宮崎がスタメンに。
CFは内藤がベンチスタートでウタカがスタメンに。
ベンチは飯島に代わって木村が入りました。

得点経過

前半18分 仙台先制 郷家友太
前半30分 甲府同点 アダイウトン

仙台の先制ゴールは理想的なものでした。
DFラインからの縦パスに中間ポジションを取った郷家が受けて起点となり、右サイドをインナーラップした真瀬が相手を中央に引き付けると、大外の張っていたフリーの情滋へボールが渡ります。仕掛けて情滋がクロスを上げた先には郷家が待っており、ヘディングで合わせてようやく今季初得点!
チームが取り組んでいるボール保持からの得点という事でめっちゃ嬉しかったです。

甲府の同点弾は仙台の個人的なミスから生まれました。
DFラインでのボール回し、菅田から小出へのパスでしたが、小出が先の事を考え過ぎていたのか大してキツいパスでもなかったのにトラップできずにボールが流れるとアダイウトンへ。そこからは彼の独壇場でした。
ボール保持に取り組んでいるからこそ生まれた仙台の得点と失点という感じでしたね。

試合を観ての感想

得点・失点は共にポゼッションへの取り組みの『功罪』

両軍の得点シーンは仙台が今ボール保持に取り組んでいる事で生まれたものだと見ています。
まず得点については、前項で触れた通りです。中間ポジションで起点になれる2トップのうちの片方が下りてDFラインからの縦パスを引き出す。今回のメンツだと右SBの真瀬が内側を駆け上がり、このシーンではより中央へ向かってランニングした事で甲府の選手を引き付ける事に成功しました。空いた大外へボールを展開して張っていた情滋が仕掛けてクロス、そうするともうエリア内に仙台の選手は結構な人数入っているわけですね。得点の確率も上がるってもんです。

失点シーンについては仙台の、いや悪いけど小出の個人的なミスです。ただ、シーズン序盤なら蹴っ飛ばしていたかもしれない場面でした。今はそこまでプレッシャーがキツくなければDFラインとボランチで丁寧に作りながら、機を見て得点シーンのような縦パスを入れたり、サイドから行きましょうという方針を取っています。小出もおそらく2歩3歩先を考えらながらのボールレシーブだったでしょうけど、その分足に付きませんでしたね。
林だったでしょうか、試合後のコメントで話していましたが、保持をする以上こういったミスは起こりうる、大事なのはミスが起きてもカバーできるだけの仕組みを作る事だと。今回のアダイウトンのような選手はステージが上がれば上がるほどゴロゴロいます。所謂、ミスを見逃してくれない試合になるので、チームとして詰めていきたい部分です。今後の試合での動きに注目していきたいです。

怖さは無かったけど理に適ってはいた甲府の攻撃

仙台の非保持(甲府の保持)で目に付いた事があったので触れます。
この日の甲府はWBを仙台のSBに食いつかせて、仙台のSBの裏をシャドーが突くという形を執拗にやってきました。特に仙台の左サイドで甲府の右シャドーの宮崎が沢山その動きをしてきましたよね。それによって仙台のCBを釣り出してエリア内を薄くし、クロスで優位性を持ってゴールを狙うと。前半は再三菅田が出てきていたので「やめとけ、こいちゃんだけじゃ死ぬぞ!」と思って見ていましたが、後半は割とボランチがカバーに入るようになっていたのでOKOKって感じでしたが。

逆に仙台は甲府のDFラインとダブルボランチの間のスペースに郷家や元彦がポジションを取って如何にそこにボールを送れるかみたいな保持でした。先制点は大成功だったというわけです。
後半、得点が欲しいところで鎌田が起用されたのも、そういった位置でレシーブしてから挙動するのが上手な選手なので、その辺りを期待したのだと思います。実際、チャンスに何度かなっていたのでやり方としては間違ってなかったのでしょう。ただ、決めきれなかったなーみたいなね。

リスク管理と、リスキーなプレーについて

失点シーンの小出は一旦おいておいて、この日の仙台は不要なショートカウンターを浴びてピンチになる事が何度かありました。
保持重視になるとどこかでミスが起きてカウンターを喰らう事はよくある話です。そこはチームとしてもリスク管理はある程度やっていると思っています。覚悟の上で取り組んでいて、まだ未完成、建設中のため多少は仕方ないというのは監督も選手もコーチも我々も分かっています。
しかし、この日の仙台は今までになかった『オサレ』なヒールキックや「やりすぎじゃない?」って突っ込みたくなるような過剰なダイレクトプレーも見られました。「そら失って当然やろ」「そんなんいいからしっかり繋げ!」って言いたくなるやつです。リスク管理はしていますし、繋がればビッグチャンスになるかもしれませんが、一方で「そのプレーいる?」「もっと基本に忠実にプレーしても繋げたよね?」と言いたくもなるんですね。ポゼッションが毛嫌いされる時ってこういったプレーが増えて、ロストしまくって、ピンチになって、挙句失点してのパターンだと思うんです。失敗すると軽いプレーとか適当にやってるようにどうしても見えてしまいますからね。それってめっちゃ勿体無いですよ。その積み重ねでどんどん雰囲気が悪くなるものなんだと思います。
個人的には1人1人しっかりポジションを取ればダイレクトプレーも繋がるものと思っているので、ポジションが取れていなければしっかりやり直すなり成功率の高いキックで体勢を整えてほしいです。リスク管理をしているからって、過剰にリスキーなプレーを選択しても良いという理由にはなりません。

総評

前線に強力な外国人を揃える甲府に1度はガッツリ力を見せつけられてしまいましたが、何とか踏ん張って勝ち越せは出来なかったものの、粘ってドローで終える事はできました。
良い結果が得られなくても、ベターな結果は持ち帰る仙台のアウェイでのナイスな振る舞いが今節も見られましたね。正直、林を中心に守備陣の奮闘、今回は髙田が途中からCBに入ったりして本当に後方の選手達よく頑張ったなと感じます。
今節をもって対戦が一巡、前半戦が終了となりました。勝ち点33、、ご立派すぎません?開幕前、ここまで結果出すって思えました??森山監督がキャンプ中からみんなを(サポーターも含めて)まとめあげて、選手が納得して日ごろのトレーニングに取り組んで、のびのびプレー出来ている分結果も出て、サポーターもそのサッカーに納得して応援に力が入って、今は昨年じゃ考えられないくらい良い雰囲気だなと感じています。この感じを後半戦もどんどん広げていきたいですよね。

次節に向けて

次はミッドウィークの天皇杯アウェイ徳島戦を挟み、リーグ戦は甲府戦から見ると中7日でホームに戻って長崎との対戦です。
長崎はなんと、2節に仙台がアウェイで勝ちましたがあれ以来負けてないそうです。気が付いたら2位ですよ。清水と共に自動昇格まっしぐらな状態ですね。
そんな長崎とは勝ち点差6。長崎と共に自動昇格を争うのか、引き離されてプレーオフが現実的な目標になるのか、後半の開幕戦ですが結構ヤマだったりします。勝てばかなり勢いに乗ります「後半戦もいけるぞ!昇格もあるぞ!」という雰囲気に絶対なります。
前線の強力な外国人と勢いのあるウインガーを擁し、とにかく得点力の高い長崎を粘り強い守備で跳ね返しながら、最近取り組んでいるボール保持で自分達の時間を作り、ゴールをこじ開けて是非とも勝利したい!みんなで『その気』になる後半戦にしましょう!

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