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2024J2第11節 清水VS仙台 振り返り

前節の振り返り


はじめに

前節はホームで山形とのみちのくダービーを戦い、2-0のほぼ完勝!前期残り半分の流れを決める重要な一戦に勝利してチームのムードは更に盛り上がっています!
そんな良い雰囲気の中で迎える今節はアウェイでの清水戦です。森山監督が『西の横綱』と称す相手に、前節得た勢いと今季これまで培ってきたサッカーをぶつけてどのくらい通用するのか。仙台が昇格争いに参戦する資格があるのか確認が出来る、試金石となる一戦になりそうです。

メンバー

☆仙台

スタメンは3試合連続で同じメンバー。
ベンチにはヤスに代わって今季初めて真瀬が入りました。

★清水

4-2-3-1だった布陣を4-4-2へ変更。
右SBは北爪がベンチスタートとなり、吉田がスタメンに。
左SHのカルリーニョスが北川と2トップを組み、トップ下だった乾がベンチ外となって矢島が左SHに入りました。

得点経過

前半16分 清水先制 ルーカスブラガ
後半9分 清水追加点 北川航也
後半20分 仙台追撃 中島元彦
後半38分 清水追加点 西原源樹
後半49分 仙台追撃 オナイウ情滋

先制は清水。何てことないバックラインからのロングフィードにカルリーニョスが競り勝ち裏へ。抜け出したブラガが仕留めました。シンプルだし、仙台はあの辺大体今季は跳ね返せていたんですが…。

清水の追加点は後半の速い時間帯。仙台の攻撃ターンでしたが、長澤と相良の連携ミスで思わぬボールロストからのショートカウンターでした。最後の切り返し、落ち着いてましたね。

仙台の追撃弾は後半20分。得意のショートカウンターからでした。中盤で蓮之が引っ掛けて元彦に繋がり左の相良へ展開。相良がストイコビッチばりにエリア内でこねくり回して最後は元彦が押し込みました。

清水の突き放しは後半38分。決定機を仙台に一度は跳ね返されるももう一度拾い直して最後は17歳の西原にブチ込まれました。痛い失点。

仙台もまだ諦めません。試合終了直前、小出のフィードに抜け出した情滋が1人で持ち込んでフィニッシュまで完遂。見事にJ初ゴールを記録しました。

試合を観ての感想

局面局面での勝負で負け過ぎた

いつもなら勝っている空中戦、いつもなら奪い切れていたプレッシング、それが今日は上手くいかない…相手の方が1枚上だ…。序盤、仙台の選手達はこんな風に感じながらプレーしていたのではないでしょうか。
先制点のシーンはその象徴でした。相手のDFラインからの何て事ないロングボール。競り合うのは小出とカルリーニョスです。菅田程ではないですが小出もそれなりに競れますし、何よりカルリーニョスは公称174cmです。普通に競れば小出に分があるでしょう。ただ、小出の前にポジションを素早く取って競りにくくしたカルリーニョスが主導権を握って後ろに逸らす事に成功。裏を取ったルーカスに決められました。
J1でも小兵ながら上手くキープする前線の選手がいたりしますが、局面の勝負に勝つためにあの手この手を使ってきます。1つ1つのこういったプレーが仙台と清水で差があり、先述した『いつもなら出来るプレーがさせてもらえない』現象を生んだと見ています。

局面勝負に負け、先制され、弱気が顔を出す

いつものプレーが通じない事で、消極的なプレーが増えてきました。こちらの気持ち以前に相手の圧力もあってなかなか前に進めない事もありましたが、勇気を持って間で受けようとする選手、そこへパスを出そうとする選手が少なかったのも事実です。こうしている内に状況は更に悪化して防戦一方の展開に。前半、シュートは公式記録上1本も打てませんでしたが、奇跡的にスコアは1-0のまま。何とか同点・逆転の道だけは残してHTを迎える事が出来たのは今季向上した守備意識の高さのおかげだったかもしれません。

ピッチ幅いっぱいに使ったボール回しで仙台の中央をバラす清水の攻撃

清水の攻撃で印象的だったのはとにかくピッチ幅目一杯使ってくるなぁという事です。主に両SBが幅を取って、一発でのサイドチェンジやU字迂回も交えながら仙台の中央締めをバラそうと揺さぶってきました。
追っ掛けるのも体力がいりますし、前半は回され放題でなかなか疲弊してしまったのではないでしょうか。

2-0となり開き直り。蓮之・真瀬の登場も合わせて強気に前へ

後半9分に仙台は連携ミスからボールロスト&ショートカウンターで失点という昨年のような馬鹿らしい失点で点差を広げられた事で開き直りました。失点から5分後には蓮之と真瀬が投入され、一気に攻撃モードに火が付きます。
蓮之の川崎の血が入った強気なレシーブと縦パス、真瀬の果敢な攻め上がりが上手く噛み合い、それまでの時間帯とは生まれ変わったかのように押し込んでいくと20分に元彦のゴールで1点差に。ムードは押せ押せ、これは追い付き下手したら逆転もあるぞという展開に期待が膨らみます。
その後1点を追加され万事休すとなりましたが、最後の最後に情滋がスピードを活かした抜け出しから1点を返し、スコア上は1点差にまとめて得失点差のところの被害を最小限に食い止めました。この辺りは先を見越せばGOODです。
少し前に「劣勢時に控え選手が流れを変えるようなプレーをしてくれないと、チーム力が上がらない」みたいな事を書きましたが、今回は彼らが新たなパワーを抽出してくれた事でチームが生き返りました。1つ課題の克服に近づけたのではないでしょうか。

総評

単純に力負け、これまで戦った相手よりも個人能力が何段階か上という事で仙台の選手が最初戸惑ってしまった、そんなゲームだったでしょうか。交代選手を出した辺りから押し返して計2点取れただけに、森山監督が「最初からやっとけよ」と言いたくなるのも分かります。結果もそうですが、あのような相手にこれまでやってきたサッカーをぶつけようとしなかった事、それが森山監督にとってはやり切れない思いだったのでしょう。実際やったら結構出来たよねと、そこに関しては後悔と自信両方持ち帰って良いと思います。
清水と戦ってこういった試合になった事で、また1つ目標が出来たと言いますか、プレーの基準が上がるのではないでしょうか。まだまだ強度上げていかなきゃとか、プレーの質だとか、自分は更に仙台が成長する良いきっかけになるゲームじゃないかなと見ました。森山監督以下今年の選手・スタッフならそうしてくれるはずです。
個別に触れると真瀬が復帰した事でSBの層が厚くなりましたし、今回のような劣勢を跳ね返すオプションにも成り得るので、一気にチーム力が上がったなと感じました。ここに内田も復帰すればかなりレベルの高いSBの争いになるので非常に楽しみですよね。

次節に向けて

次は中6日でホームに戻って千葉との対戦です。私の中では『東の横綱』でしたが、なかなかスタートは乗り切れていない印象。プレースタイルとしては仙台のお手本のような切替の速いサッカーをしてきますので、本家を上回る強度とスピードをホームで示せるかどうかがポイントになりそうです。
仙台は今は怪我人がいないとの事で、どんどん起用出来る選手が増え、戦術のバリエーションも多彩にしていくチャンスです。色々なタイプの相手にしっかり対応出来るように闘える選手のパイを増やしつつ、チームを勝利に導く思い切ったプレーがほしいですね。

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