発達障害であることを受け入れるだけでは救われないと言うこと<大人の発達障害>
今までは、お子さんの発達の事で相談に来られる保護者の方がほとんどでした。あるいは 支援者側で学びたいというご希望も多いのですが、
最近は、大人の方から自分自身が当事者で<発達障害>について悩んでいると相談を受けることも増えてきました。
学生、社会人の方、だけではなく企業の人事やメンタルヘルスに関わる方からのご相談も多くなってきました。
実際に相談にのったり、
はたまた悩んでいる人の様子を拝見していて思うことを今日は少し書いてみたいと思います。
子どもの場合と明らかに違うことは
子どものように発達過程に在り、
これからも様々な発達や成長が期待される時期であるというよりは
ある程度その人となりやアイデンティティが定着し、決まっり
安定していると状態にあるいう点です。
相談に来られる前にすでにある様々な過程を経てこられるので
限定された家庭環境や学校環境に適応するように育ってきています。
今からそれを大きく覆すほどのサポートや
本人の内的変化はなかなか厳しいところがある。
それでも今悩んでいるところから抜け出すことは
十分に可能だと思っています。
自分自身に発達障害や発達障害周辺にあるユニークさを
個性として持ち合わせていることに気づかず、
必要以上辛い環境に長期で身を置いてしまうと
二次障害である鬱などの精神病を発症させてしまうことも少なくない。
その結果精神科を受診し、精神病の原因に「発達障害」である可能性を
指摘され、はたと気づく。
そんな工程を経た人もいらっしゃるのではないだろうか。
そうなった場合でも
「発達障害」であることが自分自身の辛さを軽減し、
救いとなるのか?と言うとそういうことでもない。
少しホッとするかもしれないけれど、
それで、新しい人生が大きく開けていくわけではありません。
なぜなら、「発達障害」であるかどうかと言うことで
大人の現時点で、選択できることが決して多くないからです。
一つは「障害」を公言し、労働環境で配慮を希望したり、
「障害者枠」や障害者対象の就労をする選択をしたりすることにより
「障害」と言う個性を理解し、受け入れるという選択。
あるいは、「障害」と言えるほど深刻な困りが無く
それでも目立つユニークさを持っているために
毎日の生活があきらかにストレスフルであることを認め、
労働環境を変えるか、仕事を変えるか、
生き方を変えて自分に合った生活をする選択をするか。
大きく言うとこの二つ。
どちらがどうと言うことではないし、
自分のユニークさがどこにあり
どの程度なのか?によって選択すべきなのどちらの方が良いか?
が見えてくる。
ある程度の期間がたてば、また、その選択の有無を検討し直す必要もでてくるかと思うが。
昨今、芸能人、有名人の人たちの中にも
ご自身で自分は「発達障害」であると公言する方も増えてきました。
その人たちは言ったところで大きく何かが変わることが無いからです。
その人たちはすでにキャリアを築いていて、
「発達障害」だからと言って、それを理由に肩身の狭い思いをしたり
非難されたりするのではなく
「あ、やっぱりね。」って捉え方をされ
逆に同様のユニークな個性ある人に勇気を与える存在となるからです。
要は、「発達障害」のみならず
様々なマイノリティーや多様性を公言することが
自分を何らかの形で助けてくれるのであればそうすれば良いし、
さして何も変わらないのであれば、
「あ、わたしおうし座」って言うのと変わりないノリで
「あ、わたしADHD。しかも不注意優勢型です。」
と言えば良いのだと思う。(笑)
私の周りにもユニークな個性の人たちが多い。
その人たちを見ていて「生きづらそう」と思うことは無いし、
反対にそのユニークさが私の好奇心をくすぐる。
だからと言って子どもたちや保護者の方に
「大丈夫心配しなくてもいいよ。」簡単には言えないけれど、
なぜなら、その子その子がそれぞれに違っていて
見極める為のアセスメントが必要だからです。
また、サポートしている自閉ちゃんは、
明らかに自閉ちゃんの診断が下りているし
見ていてもわかるくらいの自閉症である個性をもっているけど、
彼の半端ない情報量と記憶力
そして、マルチタスクをこなす姿や集中力、
必ず食べ物を平等に分ける姿にはいつも感心させられる。
私より優れているところをたくさん持っている。
結局、何を言いたいのかと言うと
「自己理解を深め、
自分自身が苦痛の中に生きるような選択をしなければ良い」
というだけの話で
そこに「障害の受容や公言」は
必ずしも付いてくるものではないと言うことです。
だから、俯瞰的に見て
あなた自身が自然体で生きることができるユニークな生き方を
是非見つけてほしいと思います。
そんなあなたを受け入れてくれる環境や人も見つけてほしいと願います。
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