九鬼の記事vol.31(2020.07.12)


0.今週の記事のレビュー

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「今週の記事のレビュー」では、本記事を簡単にまとめています。★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

1️⃣今週の学び:今週の学びは、「福井での実験」と「オンライン勉強会」です。

2️⃣今週の陸上部・巧のトレーニング:いよいよ試合!と思いきや...泣

3️⃣今週のオススメ論文:今週の論文は、「試合前におけるクールングの組み合わせが、高温環境下でのシミュレーションされたサッカーパフォーマンスを向上させる」。大塚製薬のポカリスエットのアイススラリーの場合だど、内容量が100gなので、試合前に4〜6袋もアイススラリーを飲まないといけない計算になります。。。苦笑

4️⃣時事ネタ・記事の紹介とコメント:京都選手権の結果

5️⃣Q&A:


1.今週の学び

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「今週の学び」では、今週のできごとから九鬼が感じたことについて述べています。主にトレーニング・コーチングの現場での気づきを発信したいと思います。
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 まずは、「福井でのトレーニングと実験」です。
ご縁があって、弟と福井県のユティック陸上競技部のチーム練習に混ぜてもらって練習しました。

 練習の様子は、まさに試合そのもの。
10秒前半の選手が5-6人揃ってSDをするので、すごく迫力があって、いい練習となりました。
練習の風景は、下のところで紹介しますね。

 そして、この機会を活用して、選手のジャンプテストを行いました。
通常であれば、トップレベルの選手のデータはなかなか取りづらいのですが、今回はたまたま集まっていたので、お願いしてまとめて測定👏

 これは、地面反力計と呼ばれる、発揮された力を計測できる機械を使って測定しました💪
実験の時に出すフィードバックは跳躍高だけですが、実際にはもっといろいろな変数を測定することができ、選手の体力を評価することができます👏

 もちろん、これだけでは研究のデータとしては弱いと言わざるをえません。泣
なので、あまり焦りすぎず。
まだまだ多くのデータが必要そうですね。
じっくりとデータを取り溜めて、いつか研究論文にしたり選手の評価方法のためのデータセットにしたいと考えています😎


 そして、「オンライン勉強会」
先週に引き続き、ランニングエコノミーに関するお勉強です👏
スライドもいくつか新しいものが入れられていて、見応えがありました。
以下には、質問とその回答を載せますね。

 個人的には、足あとの質問とその回答が面白かったですね👏

Q: ランニングエコノミーを上げていく練習は、LTのペース走的な練習なのでしょうか? それともロングジョグなどの25km-30km走などを指すのでしょうか?
A:基本的には速め、LTよりももう少し高い速度になります。狙った速度を設定すると、より経済的な走り方を覚えるようになります。
Q:ダッシュ系のトレーニングは5000mなどの長距離種目のランニングエコノミーを改善できますか?
A:ダッシュ系の中でもアップヒルのほうがエコノミーが上がりやすいと言われています。
Q:指導現場では、走るときの足音がうるさい人(バタバタしている)は、非効率的な走り方をしていると指摘されることがあると思います。ランニング時の足音とランニングエコノミーにはなんらかの関連があると思われますか?また、そのようなことを確かめるにはどのような実験を計画するのかお話を伺いたく思います。
A:私自身もそう指導されて音を小さくするようにしていたのですが、そうするとどんどんエコノミーが下がっていきました。音といっても、より反発を得られている音のほうが、エコノミーが高いと思います。音が鳴らないのは無理だと思います。いい音を鳴らすようにするほうがいいと思います。
A(竹澤):個人的には、アキレス腱を傷めたときに、音が大きくなりました。下腿の筋バランスがかなり影響を与えていると思いますし、キレイな音が鳴るのがいいと言われていました。後ろからすごいきれいな音が鳴るのが、追われている側のプレッシャーになると言われています。
Q:REなのですが、ピッチやストライドとの関係はあるのでしょうか?走法によって上がりやすいか、上がりにくいかなど興味があります。
A:基本的に、自由に走っているときのピッチが一番経済的だと言われています。かかと接地とつま先接地ではエコノミーが変わらないという研究もあります。
Q:長距離のトレーニングでは、個人で走るよりチームで走ったほうが質の高い練習ができると考えています。(モチベーションや誰かに引っ張ってもらうなど)ただ、ランニングエコノミーと最大酸素摂取量のどちらをターゲットに練習するかは個人差があると思います。高校の部活(1日2時間程度)で集団走などしながら個人の目標も狙いたい場合、どのようなトレーニングプランを立てると良いでしょうか。
A:シーズンがあるときは、全体ではエコノミーを挙げていくような練習をしていき、時間がある時期は、酸素摂取量を上げていこうとするほうがいいと思います。自分が選手だと、追加でいかに足していくかが重要です。
A(竹澤):みんなでする練習だと強度を保てないと思っていたので、自分で工夫して足していました。シーズン中は酸素摂取量を維持するイメージでした。
Q:ランニングエコノミーはスプリントドリルなど短距離的な動きを導入することで改善できますか?
A:しています。ポイント練習の時は短距離はやらず、ジョグやウェイトだけの日に入れることが多いです。
A(竹澤):タイプにもよると思います、エコノミーを高めるにはプライオとかの練習が重要になってきますが、かかと接地の選手はプライオや短距離が劣っていることがあるので、別の練習が必要になってくると思います。自分のタイプにあったエコノミーの改善方法があると思います。
Q:先程、つま先着地・かかと着地でランニングエコノミーがどうなるか?の質問を聞いて思ったのですが・・・シューズによって(厚底・薄底など)でランニングエコノミーは影響されますか?
A:そのことは実際に論文で報告されています。個人差(影響のない人もいる)もあります。反発をもらえるのが、逆にブレーキになってしまうような人には逆効果になります。そのような人は、(厚底ではなく)薄い靴のほうが、足をより身体に近いところに接地できるのでいいかもしれません。
A(竹澤):走り方によって合う合わない人がいる印象です。つま先が削れる人には合わない気がします。
Q:これまで、燃費を良くする=ホッピングやバウンディングで進める距離を伸ばす、という技術練習も大切だと思って続けているのですが、動きの経済性とランニングエコノミーは別物でしょうか?
A:直結すると思います。私の仮説ですが、ホッピングは縦に跳びますが、バウンディングのように前に跳ぶほうがいいと思います。
A(竹澤):スキップとかも入れる人がいます。アメリカ人は30分ぐらいじっくりアップに時間かける人が多かったです。


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