竹澤の記事vol.1(2019.12.14)

1.今週の学び

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「今週の学び」では、今週のできごとから竹澤が感じたことを書いていきたいと思います。読み物を読んで、学生を見て感じた事や気づきを発信していきます。

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サイレントピリオド

サイレントピリオド。もしかするとあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
これは何かというと、
英語学習などは徐々に学習の成果が見えるようになるものではなく、あるとき突然できるようになるものというような話です。

私は陸上を始める前は水泳をしていたのですが、全然泳げるようにならず一年以上ウレタンマットの上で周りの泳げるようにった同級生達を羨ましく眺めていました。泳げない間はめちゃくちゃ辛かったし、苦しかったのは覚えているけれど、いつ泳げるようになったか全然覚えていない。どこかで何かを掴んだのでしょうが、それがいつなのかは全然わからない。いつの間にか出来るようになっていたという感じなのかもしれません。

陸上競技にも同じ事が言える気が私にはしています。

私の早稲田の後輩にあたる大迫傑は大学4年時にオレゴンプロジェクトのトレーニングをはじめました。数年間は日本選手権で佐藤悠基に破れ、アメリカに行っても変わらないと言われていましたが、その数年後には文句の言いようがない日本のエースに上り詰めました。
周りから何を言われても今自分を信じて、アメリカでのトレーニングを信じて過ごした日々が彼を成長させたのでしょう。彼の信念。後輩ながら尊敬に値します。

大迫のように速い選手は元々速かったという捉え方もありますが、速い選手選手はどこかで速くなる為のコツをつかんでいるように私は感じています。ある時、突然記録が伸びたことのある人はもしかすると体感した事があるという方もいらっしゃるかもしれません。ちなみに私はタイムが大きく伸びる時は必ずこの感覚がありました。でもどんな感覚だったかは正直覚えていない。こんな感じで走ると速く走れるのねって感じでいつの間にか速く走れるようになってきました。

そう言えば長距離のウエイトトレーニングも同じ感じですね。
ウエイトトレーニングって効果が出るのに凄く時間がかかります。特に最初は骨格筋量が増えるから体重が重くなってパフォーマンスが上がるどころかむしろ落ちる選手も多い。だからどうしても周りのプレッシャーや、調子が上がらない状況に耐えかねて途中で辞めてしまう選手も出てくる。チームの状況などを考えるとやむ終えない事かもしれないですが、私は折角はじめたのにもったいないなーと思ってしまいす。

ウエイトで成果を出している選手は恐らくサイレントピリオドを乗り越えている。

私はこのように考えています。やり続けられるか。その辛抱強さが明暗を分ける。

もしこれからもう一段上を目指す為にウエイトトレーニングに取り組もうと考えている人は、パフォーマンスが一旦落ちるという事を事前に頭に入れておくと、ウエイトトレーニングを継続する際にモチベーションを維持しやすいかもしれません。
ウエイトトレーニングをやるなら中途半端でやめない。やり切るだけの覚悟が必要だと思います。

指導者も、もしトレーニングメニューに変化を加えるのであればある一定期間の彼ら彼女らの成長を待つ度量も必要なのだと感じています。
指導する側にも待つ覚悟が必要ですね。

いずれにせよ、何事もとにかく地道にやるしかない。
どこかである日突然ブレイクスルーする日が来る事を信じて頑張るしかないなというお話です。

2.今週の陸上部(長距離編)

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今週の陸上部ということで、部内の練習メニューだったり、試合だったり、学生の事なんかを話していければいいなと思っています。
恐らくランナーであれば感じるであろう心の変化なんかも話していけたらいいなと考えています。

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まずは部内の今の現状から
 今陸上部では年間を通じて大きな波を作らずに土台作りの期間としています。
その中でも少し期分はしていて、今のトレーニングはどちらかと言えば鍛錬期に分類されるのですが、今週は年内最後の記録会があったことで、トレーニングの量を下げていました。11月からここまで冬季トレーニングを継続してきて、今週からは年内最後のちょっとキツめのトレーニングサイクルが始まるので、それに向けて身体と心の準備期間という状況です。

先週の具体的な取り組んだ内容

調整について

先週は試合前と言う事で4日前に3000m+200m×3と1.2日前に1000m+200mといった感じです。
練習のペースはレースペースより3-5秒遅く行い、200mの流しは8割で行うように指示しています。

このトレーニングに関しては特に変わった事はないなと感じるかと思います。

まさにその通り。正直なところ試合前は特に変わった事をさせていなくて、普段通りに過ごす事を意識させています。

しいて言うなら「全力で走らせない事」を学生には意識をさせています。
選手は試合前になると自分の今の状態を把握したくて直ぐにスピードを出そうとしてしまいます。やる気になってくれているのは嬉しいのですが、早く調子が上がり過ぎてピークアウトする。
指導者としてもスピードを出して走っている選手を見る方が気持ちいい。でもここでの私の役割は

頑張らせないこと

なんです。一応走りはじめる前にはタイムを提示し頑張らないようには伝えますが、タイムを提示しても守らず頑張り過ぎる学生には落とせと声を掛ける事もあります。
でも大体な場合、調整は黙って見守っていますよ。(すぐ何か言いたくなってしまう。黙って見守るのも大変なんです笑)

この半年の間は様々な調整方法を試してきましたが、どうやらうちの学生の調整は全力で走らせない方が良さそうです。
僕は割とスピードを出して調整するタイプでしたので、タイプは人それぞれだなーと感じています。自分の経験の物差しだけで指導は出来ませんね。

皆さんも調整は色々試して自分に合うもの見つけてくださいね。

さて、話は変わって先週の記録会

週末の記録会

山本 篤志④ 29分56秒48 PB🎉

4回生ですがこの一年で2分2秒も自己ベストを更新してくれました。
そんな事あんの?と思い基準がよく分からなくて昨年の同時期の記録会のタイムを引っ張り出してみたら3000mで10分10秒かかってました。

今回は本当によく頑張った👍

彼は貧血持ち。
はじめのうちは貧血の影響で本当に走れなくて私の就任当時はポイント練習にも一切参加出来ませんでした。彼の春先のヘモグロビン値は9.8。軽いジョギングでも息が上がっていましたが、長期的な治療でようやく周りの学生に近い値まで戻ってきて、少しずつ少しずつ走れるようになっていきました。
自分の現状を把握し、現状を打破する為に策を練る、そして継続する事が大切だと改めて考えさせられた事例です。

本人は高校1年から自己ベストが更新出来ない状況で競技を続けるのは相当に苦しかったと思います。僕なら正直やめちゃったかも。
腐らず地道に頑張ってればいつか報われるんだなーとこちらが感心してしまいました。
自分の可能性を信じてとにかく続ける事が大切ですね。

記録が伸び悩んでいる人にも、こんな人もいますよ。諦めずら頑張りましょうという気持ちで紹介してみました。

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3.オススメのトレーニング

https://www.youtube.com/watch?v=-wYjjT757PM

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今週のオススメのトレーニングは壁ドリルです。今回はポールに向かって行っていますが、壁で大丈夫です。

壁に手をついて背筋はしっかりのばす。骨盤を安定させた状態から腿上げを行います。
壁に手を当てるだけで腹筋に力が入る為、自然とコレクティブな状態になります。

走っていて体幹が抜けてしまう、骨盤がら安定しないという方はぜひこのエクササイズを試してみてください。


4.時事ネタ・記事の紹介とコメント

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「時事ネタ・記事の紹介とコメント」では、今週のニュースや読んだ本などから、印象に残ったものを紹介するとともに、それに対するコメントをします。

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https://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/201912150000337.html


川内君は言わずもがな数年前にはボストンマラソンでも優勝した、世界で最も有名な日本人ランナーです。そんな彼ですが、プロに転向してから思うような成果を挙げられていません。
今回の読売防府マラソンでも2時間14分と自己ベストから大きく遅れるタイムでのゴールとなりました。
彼の現状を見て公務員時代の方が良かった。プロなのに結果が出ないのはいかがなものか?など心無い言葉を発する人もいます。
注目され結果を求められる状況でもがき苦しんでいるのだろうなと思います。

これまでは公務員として仕事をしていたので時間的に制約がある環境の中で、どうやったら陸上競技の時間を確保できるのだろうと考え生活していたところから、プロとなり陸上競技に全てを傾ける生活になったことで、余計な考える時間が増えてしまっているように感じます。

彼は今色んな事を考えてしまっているのかなと感じます。
私も大学生活から社会人になった際は色んな事を考えすぎてしまって上手くいかなかった経験があります。陸上競技に全力を傾ける時間があるという事が必ずしもプラスに働くとは限らないと感じます。

時にはリラックスして陸上を忘れる事も大切です。

彼には早くプロとしての生活に慣れて彼らしいガッツある走りを期待したいです。


話は変わりますが、とある友人から彼の話を耳にしました。

彼がやはりプロだ。

と感じる出来事があったそうです。

先日の読売防府マラソンの後夜祭での出来事です。

彼は上手く走れない状況でゴールし精神的に苦しいはずなのに、そんな素ぶりを微塵も見せずファンや関係者の方々に接していたようです。普通なら気分が乗らなくて態度に出してしまう。

どんな状況でもファンの期待に答える姿は、多くのランナーのお手本になったことと思います。速く走れる選手は沢山いるけれど人を感動させたり心を揺さぶるランナーがそうはいない。プロですよね。


これまで彼は自分にプレッシャーを掛けてその壁を次々乗り越えてきました。

彼にはもうひと花咲かせて欲しいし私は彼ならできると思います。

僕と彼は同い年。

プロとして同期の星として少しでも長く輝いてほしいと強く願っています。


5.Q&A
 お気軽に、コメントください。次週移行の記事で、みなさんのご質問にお答えします。


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