映画と私
映画が好きだ。
中学生のころ、パチンコに行く両親に連れられて、パチンコ店近くのレンタルビデオ店で4本1,000円のVHSを、時間をかけて選ぶのが毎週の楽しみだった。
当時の映画雑誌(ロードショーやスクリーン)で見た事あるタイトルを見つけ、裏面のあらすじを読み、キャストの中から知っている俳優や映画監督を探し、悩んで悩んで4本を選ぶ。レンタルビデオのジャケットには無限の世界が広がっていた。この習慣は高校卒業まで断続的に続いた。(だから、今でも映画を観る時間以上に、どの映画を観るかに時間をかける。)
その頃見た映画で印象的だったものは、「ギルバート・グレイプ」「ショーシャンクの空に」「セブンイヤーズインチベット」「アウトサイダー」「イル・ポスティーノ」など。でも不思議と、その頃週4本も映画を観ていたはずなのに何を観たのか記憶が朧げだ。
それでも、10代後半になると、クラブやら飲み会、旅行など日常生活の刺激が濃くなり、映画から遠ざかった。その後、20代後半でTBSラジオを聴くようになって、ラジオで映画評を聴く。町山さん、宇多丸さん、宮台先生の語る映画評を実際の映画を観もせず、あらすじや背景だけ聴いて楽しんだ。(多分、レンタルビデオ店でVHSの裏面を眺めているような楽しさからだと思う。)
30歳を過ぎ、今までのこと・将来のことを考えるのが嫌になり、私は映画の世界に逃げ込んだ。
日頃から、町山さんのおすすめ映画を聴いていたので、観たい映画のストックはたくさんある。毎夜レンタルビデオ店で3〜5本借り、貪るように映画を観て、それ以外の時間は映画評を聴いて過ごした。長期の海外旅行から帰国して、次の就職先が決まるまでの約2ヶ月、ただただ映画を観て過ごした。多分、この間で200本くらい。精神的にボロボロでめちゃくちゃしんどかったけど、めちゃくちゃ得るものも多い2ヶ月だった。
それ以来、映画を観続けています。
観る本数は減ったけど、今でも映画で傷付き、映画で救われ、映画で生きています。
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