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目の前の人を、丸ごと受け入れられる存在に。何があっても「大丈夫」と思える、心を大切にする人生

傷ついた小学校時代、順風満帆ではなかった受験勉強、自分を否定することしかできなかった時期を経て、誰よりも明るく元気でハッピーな人生を送る。周りを照らす太陽のような笑顔が印象的な、(株)リンクアンドモチベーションの安井莉紗子さん。

彼女の人生におけるキーワードは、「人の核に触れたい」という人の心への興味と、自分で人生を選択する「やりたい!」を叶える気持ちでした。インタビューを通じて、これまでの人生を肯定しながら、りーちゃんの「核」に迫りますーー。

りーちゃん②

安井 莉紗子(りーちゃん)
関西大学 社会学部社会学科心理学専攻
新卒で株式会社ベネッセコーポレーションに入社、一貫して赤ペン先生のマネジメント業務に従事。2018年6月に株式会社リンクアンドモチベーションに入社。
現在はカスタマーサクセス部門において、顧客の成功体験の創出や、社内の育成業務に従事している。


ずっとやりたかった「記事化」のチャレンジへ

ーー最近起きた、印象に残っている体験を一つ教えてください。

社内メンバー一人ひとりの話を聴いて、エピソードを記事化する取り組みをさせてもらえることになりました。あるメンバーから「もっと相互理解深めたいよね」という話題が上がった時に、「私のやりたいことができるかも?」と感じて、「やりたいです!」と手を挙げたことがきっかけでした。

元々、「人の核に触れたい」というニーズがあるのですが、今年の1月頃から、「相手の人生をインタビューし、文章にすることで叶えられるかも」と興味が湧いてきたんです。その場にいなくても、記事を通じてその人の魅力を文章で伝えることができるのではないか。それが仕事と何かしら結びつくといいな、と思っていたので、チャンスだ!と思い提案しました。

ーー近い思いを持つ人の発信が後押しになったんですね。

そうなんです。この会社に転職して、2年が経ちました。今の仕事にも慣れてきて、自分はこれからどのようなキャリアを描きたいのか、改めて考える機会が増えたんですよね。

同じ部署で働くメンバーの一人が、去年の今頃は「仕事はとにかくやるだけ。楽しくない。」と言っていたんです。でも今は「仕事が楽しい!やりたいことがたくさんある!」と言いながらイキイキと働くようになって。部署は変わっていなくとも、自分が楽しいことだと感じられれば前向きに取り組めるし、吸収したいという好奇心を持って働けている状態を「うらやましい」と感じたんです。

りーちゃん③

今の仕事もたしかに楽しいけれど、果たしてこれからもずっと続けていくのか。一度転職を経験しているからこそ、他の環境を見ることは、これまでよりも選択肢に入りやすいんですよね。

だからこそ、ないものねだりにならないように、自分がどんな仕事に対して「楽しい」と思うのかを確かめるためにも、たくさんチャレンジして色んな経験をしてみようって。変化したメンバーの姿に刺激を受けたことが、「やりたいです!」と手を挙げる後押しになったのかもしれません。

ーー「やりたい!」の思いのままに言えている時、どんな感覚?

「ほんまにやりたい」っていう、心から湧き上がるワクワクに従って行動できている感覚になります。仕事をしていると、「やらなきゃ」と正直追われるような気持ちで取り組む時もあるのですが、混じり気のない本当の気持ちに応えられている気がして。

「やりたい!」の気持ちのままに行動できている時は、純粋なワクワクに満ちていて、自分の人生を生きている感じがするんです。この気持ちを大事にできていると、楽しく明るくハッピーに過ごせている感覚になるので、大事にしたい自分らしさなんですよね。


意味があったと思える「傷ついた経験」

りーちゃん④

ーー「人の核に触れたい」と「やりたい!の気持ち」が、りーちゃんにとって大事そうですね。まずは「人の核に触れたい」という思いには、どのように至ったんですか?

小学生・中学生時代に傷ついた経験が影響しています。小学生の時は、仲良しだと思っていた友達グループから、仲間外れにされる経験をしました。話しかけても無視されるし、交換ノートに悪口を書かれるし、「転校したい」と親に相談するくらい辛かったです。中学生の時は、所属していた女子ソフトテニス部の中でいじめられたり、当時流行っていたインターネットの掲示板に悪口を書かれたり。

当時はずっと苦しくて、辛いなと感じた時に、「この気持ちを誰かに話せたら楽になるかもしれない」と思い立って、スクールカウンセリングに行ってみたんです。

第三者に話を聴いてもらって、「こんなに心が軽くなるんだ」と感じたことを今でも覚えています。悪口を言われることは悲しいことだから、自分は人に絶対に言わないと決めましたし、人に相談できて楽になれた体験を通じて、人の心に興味を持つようになりました。

りーちゃん⑤

ーー傷ついたことは、どのように今のりーちゃんに繋がってるんですか?

傷ついた経験をしたからこそ、人の痛みも分かるようになりましたし、心理学に興味を持てました。当時は辛くて、苦しい毎日だったけど、「人の核に触れたい」というアイデンティティに気付くことができた。

高校に進学する際に、当初は課外授業で心理学を学べる公立高校を第一志望にしていました。志望していた公立高校は偏差値が高く、受検直前までずっとD判定だったので、ギリギリまで進路を迷っていました。

中学3年の最後の三者面談で、担任の先生から「この高校受けてみたら?」とこれまで全く視野に入れていなかった私立高校の提案が。迷いに迷って、最終的には制服の可愛さから(笑)、担任に進められた私立高校を受験し、第一志望の高校は変えずに受験しました。

結果、第一志望だった高校には落ちて、担任が勧めてくれた私立高校に進学することに。待っていたのは、大好きな人たちに囲まれる、楽しすぎる高校生活でした。これまで人間関係で苦しんだことが嘘のように、穏やかで幸せな毎日を送ることができました

もし受験に成功していたら、今でも仲良くしている大切な友人と出会うことはできなかった。自分で選んだものを、自分で正解にできたからこそ、こうして転機として振り返ることができる

「自分が選択できないものに関しては、神様が自分にとって一番良い道を選んでくれているし、自分で選択できるものに関しては、正解は存在せず、自分が選んだ道を正解にすることが大事」「全ての経験に意味があり、無駄なことなんてない」という自分の哲学のようなものは、この経験から育まれています。


選び直した「やりたいこと」

りーちゃん⑥

ーーりーちゃんの「やりたい!」を叶えた、転機があれば聞かせてください。

今の会社に転職したことは、大きな出来事になりました。安定した給料をもらえることが良いのか、土日を楽しみに生きたいのか、地元の関西に帰って就職したいのかなど、自分が大事にしたい様々な基準を見つめ直しました。

転職の決断に迷っていたある夜、今の会社で働いたことを想像すると、眠れなくなるくらいワクワクしたんです。それくらい理念や事業内容に共感しましたし、それが嘘のない自分の感覚なんだなって確信して、転職を決めました。

ーー大きな決断だったんですね。

前職では、人間関係に悩んで苦しんだ結果、適応障害になり、半年間休職をしました。同僚の先輩一人ひとりは素敵な方々ばかりなのに、仕事のやりとりになると全くうまくいかない。「他の人だったら上手くいっていたのかな」「私が弱いから上手くいかなかった」「適応できない私が悪い」と自分を否定することしかできなかった。凄く苦しかったですね。

今の会社が大事にしている考え方として、「問題は人と人との間にある」ということを掲げていて。たまたまHPを検索し、その言葉を見つけた時に、「私が上手くいかなかったのは、これやったんや」「私だけが悪いのではなく、間の問題やったんや」って。自分の中でずっと解がなかったものに対し、やっと解が見つかったような、救われるような感覚でした。誰も悪くないのに、人との関係性から起きるものを「間の問題」として解決しようとする在り方を、会社として体現していることに心から共感しました。

転職して1年が経った頃、振り返った時に「今の職場では人間関係に全く悩んでない!」とふと気付きました。人間関係のストレスがないのは本当にハッピーですし、転職の決断をしなければこの経験は得られなかったと思うので、やりたいことを選び直せてよかったです。

休職した経験を振り返って思うのは、自分と同じ経験を他の人には絶対にさせたくないということ。仕事の関係性で傷つき、苦しむ人が、病気になってからでしか救われない世の中を変えたくて。そうなる前に、手を差し伸べてもらえるような世の中にすることが、今の自分のやりたいことです。


「自分で人生を選ぶ」を支えてくれた、母の存在

りーちゃん⑦

ーー自分で選択することを大事にするりーちゃんは、どのように育まれたんですか?

常に「選んだ道を応援する」と言い続けてくれたのが、母でした。女手一つで家族を支えることはそれだけで大変なのに、私が進みたい進路に対して、一度も反対することなく「行きたい道を行きなさい」といつも背中を押してくれました

受験のストレスから逆流性食道炎になり、ご飯がほとんど食べられなくなった時や、センター試験前日に事故を起こし、顎を6針縫う怪我をした時、休職した時。時には仕事を中断してまで、私がうまくいくようにサポートし続けてくれました。ずっと、私の可能性を信じてくれました。

私が選ぼうとする道を、何一つ反対することなく、優しく背中を押し続けてくれたからこそ、「自分の人生を自分で選択してきた」という感覚が強いんだと思います。「やりたい!」気持ちを大切にできるのは、母の支えのおかげ。無償の愛を注いでくれて、私という存在を丸ごと愛してくれて感謝しています。


「ありのまま」で生きることはすばらしい

りーちゃん⑧

ーーこれまでのりーちゃんの人生に、どんな言葉をかけたいですか?

「大丈夫やで」って言ってあげたいな。昔はたくさん傷ついたし、受験は第一志望に受かったことがないし、適応障害になって、もうずっとこの暗闇から抜け出せないんじゃないかと思うこともあった。そういう私だから伝えられること、自分にしかないものはたくさんあるって思えてるから、とても幸せな人生です。だから、大丈夫

ーー最後に、りーちゃんにとっての「核」は?

その人がその人らしくあるだけで、それだけで尊くて、すばらしいということ。無理に偽ったり、鎧を着るようなことをせずに、「ありのまま」で生きることがすばらしいって、思える人が増えたらいいな。人の心への興味は、やっぱり私の原点。

目の前の人を、丸ごと受け入れられる存在になりたいですね。人が苦しいと思うものは、はき出して楽になってほしいなって思うし、その人が気付いていない良さを見つけて、素敵なものを引き出せるようになりたい。

その人が、その人らしくあることに関わりたい。それが私の「核」です。

りーちゃん⑨


[取材・文] 林 将寛 @twitter

[写真] 大内田 絢加 @twitter


#lifestory #人生 #心 #愛 #仕事


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