距離
電車の窓越しに、スニーカーがうつる
私のではないけれど
アレンジされている靴紐は
1mmでも可愛くなりたかった恋を思い出した
飲み会に来るかもしれないと聞いて
少しでも可愛くなれる服装を考えた
あの頃、会える可能性があれば、
その1秒のために君を思い出して私を考えた
電車の窓越しに、パンプスがうつる
自分のために買った私の靴
特徴があるわけでも、
目立って可愛くなれるわけでもなく、
ただ、見合わないかもとか、もう、
そういうのいいかな、と
思ったんだよね
私を考えて君を思い出した
君ありきのおしゃれも、
わたしありきのおしゃれも、
両方最高だった
いま君は、「新しい靴買ったよ」と
報告できる距離にいる
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