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わさびが見た風景

#書く部のお題で書いてみた
#なりきって書いてみよう

こんにちは、
あたし、わさび。
さびとらねこの女の子。
産まれてから10年経つみたい。
メイモンモママとお父さんが
「さびちゃんもうちに来て10年だね」って言ってるからそうなんだと思う。
お父さんはねこが好きで、子供の頃は一緒に暮らしてたって言ってたけど、ママのねこ嫌いは相当なものだったの。
私の兄弟を見て
「ねこだ!気持ち悪い!」って言って隣の空き地に投げたりして。
ひどい人よ。
その時の様子とあたしがこの家に来るまでのこと、noteに書いたって言ってたから読んであげて。
ほんとひどいんだから。



それでもやっと家族に迎えてくれて、病院の狭いところから広いところにやってきたの。
ママの家には先にいぬというやつが2匹もいたの。びっくりしたわ。身体が小さい方のモモ姐さんはとにかく手強かったわ。
ちょっと遊んでもらおうとじゃれついてみたら「あんた生意気よ!」って。
あたしはひっくり返された上にお腹に足でギュッと押されて「ひぇ〜!助けて〜」
それを見ていたおっとりキャラのメープルちゃんがあたしを笑ったから、いつもブルブル振っているしっぽをじゃらしの代わりにして遊んでやったわ。

あたしが赤ちゃんの時はおめめ真っ黒
メープルちゃんとあたし
何か話しかけてくれたんだけど忘れたわ


モモ姐さんは厳しかったけど、逆らったりはしゃぎすぎたりしなければ優しくていい姐さんだった。
カーテン上りも、
カーテンレールウォークもやった。
レンジフードにも登った。
エアコンの上に乗って降りられなくなった。
下駄箱の上の高いところにも乗って降りられなくなった。
靴ひもをかじってママにこっ酷く怒られた。
どんな時も姐さんは「バカねこ」と思いながら見守ってくれていた。

姐さんがいなくなったのは2年前の梅雨の頃。
だんだん弱っていく姐さんを最初冗談かと思ってた。
メープルちゃんは寝ている姐さんに「そこどいてよ」と言ったりしていたけど、あたしはただ遠くから見守るだけだった。
もし姐さんがいなくなったら、ママの悲しみようは半端じゃないことはわかっていたから、みんなが穏やかな時に旅立ってくれたらいいなと思ってた。そしてその通りになった。

姐さんがいなくなってしばらくして、あたしはやってみたいことに挑戦してみた。
それはママの膝の上を独占すること。
ママの膝の上ではいつも姐さんが寝ていたし、お父さんの近くにはいつもメープルちゃんがいた。
あたしはそれをいつも遠くから見ていて、正直羨ましかった。
この気持ちにママは全く気づかずに
「ねこはベタベタしないんだよ」と言っていたけれど、それは全くの御門違い。
ベタベタしたくたって場所がないじゃないか!

ママの膝の上はあったかくて気持ちいい。だからついつい長居してなんなら居眠りまでしてしまう。
ソファに座っている時も、床に座っている時も、ダイニングテーブルの椅子にいる時も。ママの膝は居心地がいい。もう誰にも渡さないよ!
それからダイニングテーブルの上でゴロゴロしてみた。これはお父さんがとても喜んで、手を使って遊んでくれる。ここも手足が伸ばせて居心地最高!

最近ママはあたしの妹か弟がいたらいいかもと思っているらしい。
思うだけで考えるまではしていないみたい。
それでいいよ。
あたしがまだまだここにいるから。
メープルちゃんが虹の橋を渡ったら、今度はママとお父さんのこと、ぜーんぶあたしが独り占めするから。
あたしのにゃーにゃー攻撃、覚悟しておきなさいよ!

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