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風来旅~自由の極致~


美瑛 白ひげの滝

退職して8年が過ぎた。
お金はないが、暇はある・・・人付き合いが苦手の年金生活者。
昨年秋、車検期に合わせて車中泊のできる中古軽自動車に買い替えた。
2023年5月~6月、満を持して車中泊旅に出かけた。

スタートは、毎年、春か秋に行っている比婆山から。この山は広島、島根、鳥取の3県が交わる辺りに位置する。
いつもは六の原から出雲峠、烏帽子、御陵を経由して池の段を目指すが、今回は烏帽子まで。老化は進む。無理はしない。還暦を過ぎてからのモットーは「勇気ある撤退!」。逃げることを厭わない。現役時代も格好つけて頑張らず、逃げればよかった。心が萎えることもなかったろうに。逃げるのも簡単ではないけど・・・。
比婆山では甘い秋グミが生る場所を知っている。10月下旬に行くと間違いなく食べ頃に熟している。甘酸っぱさが体に染み入り、脳幹まで届く。少なくとも半分は鳥のために残しておく。
比婆山公園センターで2泊し、尾道~松江道(やまなみ街道)経由で山陰に抜けた。松江 フォーゲルパークでは多くの動植物を見てリラックスできる。


道の駅やサービスエリアで車中泊しながら時にホテル泊。大山を右前に、右横に、右後に見ながら走って鳥取の道の駅 喜楽里(きらり)に到着。ここには往路復路ともに1泊させてもらった。カエルが鳴く田んぼに囲まれたのどかな道の駅。のんびりできる。ツバメも寄ってくる足湯がある。

舞鶴からフェリーに乗船。1日かけて小樽へ。久しぶりにフェリーに乗ったが、快適さにびっくり。まるで、豪華客船。夜の出港で、風呂に直行。シアターで映画の上映まである。このシーズンは連休の後、かつ夏休み前という閑散期。フェリー運賃は安い代わりに、ラベンダーの花期には早い。
小樽では観光客の顔をして運河沿いを歩いたり・・・ホテル泊。南富良野~富良野~美瑛~旭川~名寄~美深~中川~稚内。
途中、輪厚(わっつ)SAに寄ると、インフォメーションで日ハムファイターズのユニを着たワッツ・ナオミ似の女性がにこやかに迎えてくれた。道は分かっていたが、尋ねた。プロ野球は、ちょうど交流戦の時期。ひいきの広島カープが近々、札幌(新球場?)にお邪魔するので宜しくと・・・鼻の下を伸ばしている場合ではない。背中から「お気をつけて行ってらっしゃいませ!」。元気な声が追いかけてきた。
上富良野では、有料の日の出公園オートキャンプ場に泊めてもらった。当日は夕方から雨になり、管理棟のトイレまで傘を差して・・・。ここではコインシャワーが使えたのはありがたかった。分かっていたこととは言え、名物のラベンダー園は残念ながら開花前。

上富良野日の出公園オートキャンプ場

稚内駅は日本最北端のJR駅とか。家内がクレジットカードを紛失したが、直ぐにカード会社に電話して事なきを得た。日本海に沿って南下、手塩~羽幌~留萌~石狩~小樽。羽幌ではバラ園の駐車場で泊まった。隣に温泉宿泊施設があったので、温泉と食事をお世話になった。羽幌町には友人の親戚があるというので、住所をネット検索し、早朝に散歩を兼ねて行ってみた。写真館を写真に撮って友人に送ったら喜ばれた。
また、フェリーで舞鶴へ。山陰を海岸線に沿って西へ。天空の駅 余部には、大災害に遭った悲しい過去がある。

あまるべ橋梁
餘部駅

湖山池はシラサギも棲みついている静かな汽水湖。

湖山池のシラサギ
湖山池

松江~やまなみ街道~しまなみ海道。15車中泊、5ホテル泊、2船中泊の計22泊23日。総走行距離は2500キロ超え。ジンギスカンを食べ、青い池を見・・・自然を楽しむのが目的ではあったが、旭川に着いた時には久しぶりの都会の空気が嬉しく、カラオケに行ったり・・・。気ままな風来旅はそれなりに楽しく、いい冥土の土産になった。車中泊のキーワードは、24時間トイレ、コインランドリー、シャワー。たいていの道の駅やサービスエリアでは、24時間トイレがある。コインランドリーもスマホ検索やそれなりの道路を走っていると見つかる。一方、コインシャワーや銭湯には苦労した。自宅のベッドより、狭い空間で寝る車中泊の方が落ち着くようになった。シュラフ以外に通常の掛け布団も携行し、役に立った。食事は基本的に外食や弁当。朝はカセットコンロで珈琲を淹れ、パン食。小樽のAEONで富良野メロンを予約。子や姉に贈った。また、季節を選んでどこか出かけたい。無計画で行く気ままな旅がいい。

自由は自分の価値観の最上位にある。

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