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重なったり溶けたり

カバンに入れていた本を読み終え、何か別のものを読もうと本棚を漁ると、意外と買った本をぼちぼち読んでいて驚く。昔は文学部のくせに本を全然読まなかったので、人はいつまでも成長できるんだなと思った。正直、働き始めてからの方が本屋さんに立ち寄るようになったし、学生の時分よりは言葉と私は密接な関係になったと思う。

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たまに、人より劣っているように感じることがあるし、誰よりも出来損ないだなあと自己嫌悪に陥り暗くなってしまうが、人の成長というのは個人差があるんだ、とここ最近特に思う。私たちは自動的に大人になるわけではない。世間的に大人の年齢だからなんでも優れているわけではない。でも、全てを投げ出しワガママに生きることは違う。

地層が長い年月を経て積み重なって行くように、子どもたちより長く生きている私は何かを少しずつ(本当にちょっとずつ)学び、そして永く溶けない氷が少しずつ(本当にちょっとずつ)溶けて行くように自分というものの本質に近付いて行く。

雑踏の人ごみに紛れている時なぜか少しホッとするのは、とにかくここにいる全ての人と同時代を生きているという実感が湧いてくるから。みんな一人で生きてるとも思うんだけど、やっぱり一人じゃないとも思う。

明日また本屋さんに行く。

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