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Domestic Scene

日曜日の夜が好きだということに気付いたのは、フリーカメラマンになってから。なぜか分からないけれど大抵、月曜日は撮影が入っておらず日曜日は好きなだけ遊びまわっていることが多くなった。(平日もマアマア遊びまわっている、天性のオテンバ娘なのだが…。)

日曜日の20時を過ぎると、どの街も店じまいをするように静かになっていく。電車にもあまり人が乗っていない。貸切のような車両にドカンと座る。みんなが家に帰っていく様子を見ていると、なぜか嬉しくなってしまう。人が減り熱気が冷め、本来の街の姿に変わり始める時、全てが私のためだけに用意されている。これで世界は私のものだ!という勘違いが始まり、ただでさえ好奇心の強い真央は、どこにでも行ってしまうのである。

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自分の瞳に映る景色がどのように見えるか、それは自分の心がどのような状況かということがわかる。外部の状況を受け入れながら、私の心の中を見ているような気分になる。だって、なぜ静かになっていく街を眺めながら、私だけのためにだなんて思うのだろう?お前も大人しく家に帰れってことだと受け取ることもできるのに。

今日は大人しく家で夕食をとり、いそいそと仕事をしたり文章を書いたりしている。世界は私を待っているはずなのに、大好きな日曜日のはずなのに。今日は店じまいする街とともに寝静まる真央なのであった。

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