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何のために練習するわけ?

こんにちは。トランペッター、ピアニストの曽根麻央です。

今日は音楽家や少しでも上手くなりたいと思う人は、何で練習しないといけないのかをお話ししたいと思います。練習って時間かかるし、辛いからできれば避けたいですよね。けどもそれを超えられなければ楽器や音楽はどんどん遠ざかっていきます。また僕のように練習が日常化している人は、練習内容がルーティン化しています。ルーティン化すると本来の目的を忘れがちになってしまいます。もちろん、練習に日々のルーティンがあることはとても良いことなので続ける必要があります。今一度、練習の本来の目的を思い出すことで、より集中して自分に必要な課題を見つける事ができるでしょう。みなさんの練習に取り組むモチベーションになればと思います。もちろん、僕自身もnoteにこれを書くことで、日々の練習の目的を明確にしていきたいとも
思っています。

ちなみに、トランペットの1日の練習メニューの組み方は別記事で紹介しています。

目的① 技術をキープするために

今できることをキープするために行う日々の練習です。自分ができることを知っておくのは大事です。技術をキープするためには、基礎的な練習内容をルーティン化していると良いでしょう。トランペットだったらロングトーンやスラーといった基礎練習がこれにあたります。トランペットの基礎練習のルーティンの組み方は以前他の記事で書いていますので参考にしてみてください。

目的② もっと、より上手くなるために

今、すでに出来ている基礎的な内容も、日々ルーティンを集中してこなすことでさらに磨きをかけることができます。練習の時はより丁寧に、前日より美しくを意識する必要があります。管楽器でスラーの練習だったら一つ一つの音のピッチをより正確にしてみたり、タンギングの練習だったらよりはっきりとクリアな発音ができるように努力します。

目的③ 出来ないことを出来るようにするために

基礎力が上がれば自然に今までできなかったような事が出来るようになります。自分の楽器で出来ることの範囲を広げ、心地よく演奏出来る事を増やしていきます。
基礎的な内容だけではなく、練習曲や実際に本番で演奏する曲で、できない箇所などを集中的に取り組む事で、応用力がつきます。

また、憧れの演奏家や、どんなアーティストになりたいかなど理想像があると、それに近づくために出来ないことを一つずつ、地道にできるようにしていかなければなりません。トランスクライブなど他の人をコピーする練習も良いでしょう。

目的④ 知らないことを知るために

今までできなかった事が出来るようになると、今までわからなかった事がわかるようになります。また知識としては分かっていたけど、実際には応用できていなかった音楽理論なども、心と耳で理解できるようになります。心と耳で理解できると、色々なサウンドが聴こえてくるようになります。そうすると、今まで疑問にすら思わなかったことが、新しい課題として見えてきます。これを繰り返していく事で音楽家として成長していきます。

目的⑤ 安心を得るために

ルーティンをこなす事で、日々基礎的な技術をキープしているので、楽器のコンディションに対する不安が無くなります。できない事が出来るようになったり、知らなかったことを知ると、自分が出来ることのゾーンが広がり自信が生まれます。それによって演奏に対する不安がなくなっていきます。また出来ること、知っている事のゾーンから飛び出して、未知のサウンドに挑戦するときに、恐怖を感じなくなります。

また音楽への理解も深まるので、楽曲演奏に対する不安も無くなります。曲の練習不足や理解不足のまま本番に臨むと、お客さんにそれを見透かされているのではないかと緊張の原因となりますし、どこかパフォーマンスに恥じらいを生みます。この羞恥心を取り除ければ、余計な心配や考え事をしなくて済むでしょう。

目的⑥ 本番で全て忘れるために

音楽や演奏曲目をしっかり練習して、準備して本番にのぞめば、本番で全てを忘れて演奏する事ができます。恐怖や羞恥心がないので、余計な心配ごとはせず、お客さんの視線も気にせず、全てを忘れて音楽と向かい合う事ができます。
「あれ?ここ繰り返すんだっけ?」とか「何の音だっけ?」「間違えちゃった」など、頭の中の瑣末なささやき声は、集中の妨げにしかなりません。その心配事を消すには、今まで積み重ねてきたことを一旦全部忘れて、その一時に集中して、本能に従って演奏する必要があります。練習の時に、会場で実際に演奏している自分の姿を想像しながら、セットリストの最初から最後まで通す練習がオススメです。

目的⑦ 精神的な高みを目指すために

本番で全て忘れる事ができれば、音楽を本当に楽しむ事ができます。それはその一時、そのアーティストによって音の世界とその会場が繋がった状態になった事だと思います。全ての表現者はここを目指すべきです。これはアーティストにとって精神的な高みを目指すことでもあるし、音楽の世界からのメッセージ受け取っている瞬間でもあるし、聴いている人に喜びを分け与える芸術家としての価値を付与されるということでもあります。僕はこの状態に人生で何度か突入しましたが、これを毎回の演奏で体験したい、そのために練習をしています。
この状態での演奏は本当に楽しいし、これを体験すると練習のプロセスがより楽しいものになります。

皆さんも良い音楽ライフを!

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