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Maorisママからのメッセージ④:カナタとの歩み。ダウン症とともに。【生後4か月から6カ月までを振り返り 】

前回までのメッセージ

【生まれてから検査結果が出るまで 】

【生後3か月までに行った発達促進 】

【生後3か月までを振り返り 】

発達に伴い変化していった赤ちゃん体操とマッサージ

前回の記事でも書きましたが、赤ちゃん体操とマッサージは毎日の日課のように続けていました。難しい専門用語がたくさん並ぶ本を見ながらでしたが、発達を評価する基準には絵や写真が添えられており、私でも奏多の状態を評価することが可能でした。その発達評価を基準に、少しずつ体操の内容が変わっていき、奏多の運動機能も向上していきました。マッサージは相変わらずお風呂上りにクリームを塗りながら毎日行いました。これは私自身の情緒安定のためでもあったような気がします。話しかけ、歌を歌い、肌に触れることは親子共々心地よい時間でした。

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赤ちゃん体操とマッサージの効果なのでしょうか。それとも持って生まれた能力なのでしょうか。私には判断できませんが、階段を1段1段上がるように出来ることが増えていったように思います。ちなみにこの赤ちゃん体操とマッサージは、私だけではなく、時々主人や私の母もやってくれていました。「自分一人でやっているのではない」、ということが私の気持ちを楽にしてくれていたように思います。

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腕を伸ばして遊ぶこと

私が参考にしていた赤ちゃん体操の本の中で「仰向けで腕を伸ばす」という体操がありました。初めのころは上手にできなかったのは恐らく低緊張の為に「腕を伸ばす」という行為自体が難しいことだったのだろう、と今では思います。幸い、当時の私は出来ない息子に対して焦る気持ちは微塵もなく、とにかく息子が楽しみながら腕を伸ばすためにはどうしたらいいかと考え、おもちゃを使って彼の意識を向けようとしていました。奏多と私にとって、この体操は訓練ではなく遊びだったのです。

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大好きなおもちゃが欲しくて奏多は必死に手を伸ばしていました。そしておもちゃを手に取ると嬉しそうにニコニコ笑って音を鳴らしたり、握ったり、引っ張ったり、かじったりして一人遊びをしていました
「腕の力が付けばきっとハイハイの時に役に立つ!」と思い、暇さえあればおもちゃをちらつかせていたように思います。今思えば、他から見たらしつこいくらいにやっていたのかもしれません。

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絵本の読み聞かせと歌遊び

絵本と歌は本当に大好きでした。これは2歳8か月になった今でも変わりなく続いています。絵本を読み終えると全身をピーンと伸ばして「もっと!」と要求してくる程でした。絵本の中に出てくる動物や物に関連した歌もよく歌って聞かせていました。例えば、犬や猫が出てくるページでは「犬のおまわりさん」お花が出てくるページでは「おはながわらった」や「チューリップ」、といった具合です。赤ちゃん絵本は連続したストーリーがなく場面毎で切り替わるため、ただ読んでいたのでは私が飽きてしまうのです。そこで色々な歌を交えながら読んでいました。絵を見ながら歌を聴く、というのが奏多の日常的な遊びの1つでした。

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手遊び歌もよくしていました。前回の記事でも書きましたが、生後3か月頃からずっと続けています。歌絵本を鳴らしながら手遊びをやって見せたり、私が歌いながら手遊びをやって見せたりしていました。奏多も一緒に手を振りながら楽しんでいました。
いずれも奏多が好きだからやっていた、というだけのことです。順調に育ち、毎日元気に過ごせることがとにかく嬉しかったのです。今日は何をして遊ぼうかな、とウキウキしながら考えていました

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会話

会話についても、ずっと続けてきたことです。少しずつ力が付いてきた奏多は、声も大きくなっていきました。私たち大人の語り掛けに「アーウー」と喃語で返してくれました。赤ちゃんだから何も分からない、とは全く思っていなかった私は、色々なお話を奏多に振りました。「お腹空いたね」「おいしいね」「おむつ替えてさっぱりしたね」という奏多の気持ちの代弁の他、「いいお天気だね」「ワンワン犬さんかわいいね」「ふわふわだね、きもちいいね」という状況の説明、「お母さんうれしいな」「お母さん困ったな」「お母さんも食べたいな」という母である私の気持ち、「明日また遊ぼうね」という次への期待など、とにかく色々なことを奏多に向けて発信していました。私の顔をじっと見つめながら奏多はよく聞いていました。
 この会話も私にとっては日常の1つでした。普通に子育てをしている中で子どもに話し掛けていただけのことです。おしゃべり母さんのもとに生まれたからには奏多も諦めるしかありません(笑)。毎日のように話し掛けられ、小さいながらに色々なことを考えていたのかもしれません。全身の動きや顔の表情で答えてくれることがとても多かったです。

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今振り返って思うこと

今も当時も変わらないことですが、「障害のある子どもを育てている」という感覚が私たち家族にはありません。発達を促すためにどうしたらよいかと考えることはあっても、障害があるから出来ないと考えることは何1つありません普通の子育てをしているだけなのです。またこの記事を書かせていただく中で、私は基本的な育児法を変えていないと改めて気づきました。たくさん話しかけること、たくさん遊ぶこと、たくさんスキンシップを図ること(赤ちゃん体操とマッサージの取り入れ)、そしてたくさん愛すること。さらに、日常生活の中でこれらを親子共々楽しみながら継続的に行うことこれが私たちの育児法なのだなと思います。


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米国特別支援教育を軸とした発達の専門家としてMaorisからのアドバイス

脳神経(シナップス)の発達は早期介入が鍵であること、それには五感(触覚、臭覚、視覚、聴覚、味覚)や固有受容覚、平衡感覚からのアプローチが有効であることが近年の神経科学の研究により分かってきました。奏多君のお母さまが自然と育児に取り入れられていたマッサージ(皮膚刺激)、話しかける(聴覚刺激)、手遊びや歌(聴覚刺激)などは、実は脳神経を活性化するためにはとても重要な鍵となります。ちなみに、低緊張と高緊張とでは効果的なマッサージのタッチが異なります。Maorisサークルでは当然ご紹介していますが、海外の文献などでも検索できることと思いますので、ぜひご確認の上実践してみてください。

特に「腕を伸ばす」体操は、単に腕を伸ばす行為だけでなくここには「見る」と「触れる」いう重要な要素が含まれています。好きな玩具を見て触ってみたい気持ちから手がでて、腕を伸ばす行為と発展していきます。音が出る玩具であれば、音がでる方に耳が傾き、目で見て、そして手が出る。最初はこの一連の行為に困難さがあったかもしれませんが、お母さまも奏多君も楽しみながら無理せずできたことで継続へと繋がっていったのだと思います。

また話しかけや会話は社会性を育むことができます。最初は話しかけても反応が薄いというお悩みをお持ちのお母さまもいらっしゃるかもしれませんが、赤ちゃんは低緊張のおかげで上手に表現できていないだけで、実はママのお顔を見ながらしっかり聞いています。沢山話しかけることで、赤ちゃんもお顔の表情や体を動かすことで答えてくれたり、「あー、わー」などの喃語で答えてくれるようになり、これが将来のコミュニケーションと繋がっていきます

最後にお母さまだけでなく家族のサポートがあることで、お母さまの気持ちや負担を楽にしてくれる重要な要素です。少しでも家族みんなで関わることでそこから家族の輪が広がっていくことでしょう



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