見出し画像

ダウン症マオリの発達ストーリー第11話。

*これは一般法人Maorisができあがるきっかけになった一人のダウン症をもつ少女と、アメリカ帰りの療育セラピストとの発達促進ストーリー第11話(当時2歳7か月)です。

アメリカで特別支援教育教育学修士をとった講師のテクニックなどを織り交ぜながら少女の発達段階をご紹介しています。

遊びは学び。遊びを通してどういったスキルが習得できるのかといった読み方をしていただくことでより参考になるかと思います。

*最後に母からの感想があります。よろしければお読みください。


2016年3月度の発達促進教室でのプログラムと少女の様子

1. 遊び

① 上下・左右・前後の動きを学ぶ

《パラシュート(上下の動き)・サランラップの棒&びっくり箱(前後の動き)・両手絵画(左右の動き)》

:サランラップの棒を使ったインディアンごっご遊びは、一度に3つの行動を伴うために難しいが、上手にできるように。

2. 微細運動

① お絵描き

《殴り書き、両手描き、スタンプ、シール貼り、色鉛筆、マジック、クレヨン、チョーク、フィンガーペイント》

:あえて様々な素材のペンを使用(手から異なる感覚を感じてほしいため)。フィンガーペイントを使用する際に、2色をまぜるようになった。

3. 身体づくり

① 体幹体操

② 体幹マッサージ

③ 足裏マッサージ

④ クロス運動、他。

:ふくらはぎの筋肉が少しずつついてきた。

4. 認知

① パズル(8ピース動物、0から9の数字、シーソーパズル)

:パズル遊びから、

・よく絵を見る事、

・名詞(動物、数学、泣き声)、

・形容詞(思い、軽い)、

・手先を使う事

の習得を目指す。動物パズルを通して泣き声を学び、数字パズルは数字の歌をうたう。ノリノリで行っている。

5. 言語&発音

① 笛

:今までくわえるのが難しかった笛ができるように。あえて呼吸を早くしながら、速く続けて6回吹く練習を。

6. 絵本

:色、身体のパーツに関する本を読んでいる。認知が伸びていることもあり、色と身体のパーツに対する理解を深める目的がある。

【一か月で見せた変化】

・認知が伸び始めたので、「ごっこ遊び」をやめてパズル、絵本、手先を使った遊びを入れた。

・来月は手先に加えて足も使い、認知を伸ばす遊びを継続する。

・家庭では「外遊び」を増やし、身体、指、足を多くつかってほしい。

・外遊びの際にはリュックを背負わせてほしい(体幹強化)。

画像1


【今あの日々を振り返って(母の感想)】

2016年3月。当時主人がお世話になっていた会社では、年度末になると全国から選ばれた「がんばった人たち」に対し、「アワードトリップ」という旅行がプレゼントされます。

おかげさまで我が家はちょうどそのアワードトリップを手にし、会社にバリ島に招待してもらったのがその月でした。なんとありがたい事だったか。

旅行では、砂浜では裸足で歩いて感覚遊び(脳への刺激)、

たくさんの新しい経験(脳への刺激)など、

旅行を通して娘の脳を刺激する方法があれば教えてほしいと事前に講師にヒアリングをして、旅行という機会を用いながらも楽しみながら娘への療育的アプローチを実践したことを覚えています。

例えば、ビーチを裸足でどんどん歩くなど、子どもが遊びを通して得られる刺激です。

バリ島は「神々の島」と呼ばれるだけあって、とても神秘的なところでした。ヒンズー教が根付いているとのことで、空港から民家、ホテル、レストラン、お土産屋さんに至るあらゆるところで葉っぱで編んだ籠に、色とりどりの花びらや食べ物を乗せ、お香をたきながら神様に感謝の祈りを捧げている現地の人々の姿を見かけました。

しかも神様だけではなくて、悪霊にまで簡単なお供えを地面に捧げるのです!

街中に感謝の念があふれていました。

人々はみんな自然な笑顔を浮かべていて本当に優しくて、特に子どもに対するホスピタリティは抜群でした!

当時、ダウン症の娘を連れ歩くことで、日本ではどこかでいわれない申し訳のなさのような複雑な感情が付きまとっていましたが、この国では一切そういう気持ちにはなりませんでした。

この国の人たちは「かわいい」「かわいい」と娘を肯定してくれて、私も「ありがとう」と素直に喜び、楽しく連れ歩くことができました。

我が子の障がいの受け入れに難しさを感じる親御さんは少なくないと思いますが、それって本人の問題もあるかもしれませんが、人と異なる事(障がいなど)にたいして、受け入れてくれる環境が周りにあるかないかによっても度合いは変わってくるのかなと思います。

日本人は思いやりにあふれ、親切な人がたくさんいます。

マオリを育てる上で、地域に助けられてきました。

ちょっと心を開くとみんなとても温かいのです。

だからこそ街にもっともっとその温かさがあふれてよいものなのにと思ったりします。

すでにみんなの中にあるものが社会に表出されていないだけですから、きっとちょっとした社会の仕組みを変えるだけでこれからあふれますよね!


画像2

よろしくお願いいたします。Maorisです。 https://maoris.jp/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?