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【アイナナ5部考察】ゆるし、ゆるされること(ネタバレ)

【アイナナ考察記事についてのお願い】
・「二次創作」としてお読みください。ストーリーの展開を保証するものではなく、公式やキャラクターを貶めようとするものではありません。
・アイナナに関するすべての情報を把握しているわけではありません。個人の妄想と願望を大いに含む、一解釈であることをご理解ください。


ついにアイナナ5部ストーリーが配信された。約2年ぶりだろうか。
一気に四章分更新されたので、もともとかなり情報過多なのだが、私がメインで追っているTRIGGERと二階堂大和にかんするエピソードがかなりあったため、情緒がぐちゃぐちゃである。


頭と心の整理のためにnoteを書くことにしたが、いつも以上に乱文になると思う。お許しいただきたい。


これまでの考察のこたえあわせのようなものを少ししたあと、今回は「ゆるし」というテーマで整理していこうと考えている。

以下、5部4章までのストーリーのネタバレはもちろん、妄想・願望を大いに含んだ、考察という名の二次創作を書き散らしていく。ご不快に思う方はUターンしていただきたい。
また、画像は全て©アイドリッシュセブンからの引用である。


1.二階堂大和の「三日月狼」と父子問題


4部考察から、周年イベストで考察してきたことである。特に直近の周年イベストで考察したことが現実味を帯びて来たな…という感想を持った。
詳細は過去記事を参照していただきたい。

待ちに待った、八乙女楽と二階堂大和の真っ向勝負である。やはり二階堂大和を覚醒させるのは、八乙女楽であった…感慨深い。楽しみだ。


そして大和がこの真っ向勝負に取り組むからには、「自分が千葉志津雄の息子である」ことを公表せざるをえない、ということになるだろう。

それを隠したまま映画の評価を受けるとしたら、それはフェアなたたかいではなくなるからである。八乙女楽と本当に同じスタートラインに立ちたいのなら、「血」というアドバンテージがあることを公表した上で、評価を受けなければ意味がない。

図らずも、八乙女楽によって、大和の父親問題にも決着がつくかもしれない。そうしてはじめて、大和は、父親というある種の呪縛を解いて、「二階堂大和」として芸能界を生きていけるようになるだろう。

いずれにしても楽しみである。
ただし、それはアイナナの内部分裂の序章であるようにも思う。なにしろ、七瀬陸と和泉一織以外のメンバーが「アイドル以外のやりたいこと」に、向かっていってしまうかもしれないのだから…




2.ツクモの「ゆるし」―「贖罪できない」ZOOL


本題に入ろう。主に、4章の内容である。詳細はストーリーを読んでいただくとして、サブタイトルにもなっている「贖罪」を切り口に考察を進めていきたい。

問題となっているのは「アイドルドキュメンタリー企画」、密着型テレビ番組である。

この企画、ツクモの宇都木からもちこまれ、岡崎事務所を経由して、松永プロデューサーという人物が進めているようだ。下岡と和泉三月のmc起用がほぼ決定している。

宇都木はこれを「ツクモの贖罪だ」と言った。

ツクモのせいで、TRIGGERとRe:valeの転倒し、アイドル業界自体が信頼を失ったから、それを取り戻したいのだという。

信頼回復の方法、それは「アイドルの裏側を見せて感動させ、人間味を感じてもらい、「友達」のような親しめる存在になること(かなり意訳)」。


まず私が思ったのは、「それは本当に信頼回復になるのか!?」ということだ。

…が、それを語るにはまだ情報が少ないので、5部終盤に差し掛かった時に今一度考えたい。

今回考えたいのは、「ツクモの贖罪」と「ZOOLの贖罪」はイコールなのかということだ。

確認しておくと、Zoolは4部終盤において、TRIGGERへの贖罪に「失敗している」。
TRIGGERが拒否したからだ。
では今回のテレビ番組を通して、それは達成されるのか。

絶対にNOである。


こんなのはツクモの自己満足にすぎない。自分達が傷付けたTRIGGERとRe:valeの回復をちょっとだけお膳立てすることで、表面的な罪悪感を消したいだけではないのか。
それはZOOLの贖罪にはなりえない。


宇都木はZOOLの繊細さや「見て欲しがる」ところは的確に言い当てているが、TRIGGERからの「ゆるし」という部分では、ZOOLの思いを理解しているとは言い難い。
この贖罪を置き去りにしたままで、「弱さを視聴者に受け入れられれば精神的に安定する」なんてことは、難しいだろう。


宇都木はZOOLがゆるされる世界へと急ぐあまり、ZOOLが真にゆるされる機会を奪っている
今後、そのあたりに宇都木が気が付いてくれればいいが。



3.「ゆるされる」アイナナ―「未完成」であることの強要


そもそもこの企画自体、七瀬陸ありきで進んでいるとしか考えられない。

松永がいう、「友達」のようで、助けてあげたくて、同情されてゆるされる特性というのは、言ってみれば、七瀬陸特有のものなのであって、他にはぴたりとあてはまらないではないか。
その七瀬陸がセンターにいるから、アイナナ全体にそんな雰囲気があるだけだ。

4部の楽器演奏企画のときからはじまったそれは、七瀬陸の中でどんどん強化されているように思われる。

顕著なのは、「わがままがゆるされる」ということ。(4部で陸が了に発言している。詳細は過去記事を参照して欲しい)

簡単に言えば、「七瀬陸がやることであれば、なんだってゆるされる」ということだ。

強制的に「好きだ」と思わせてしまう、とでも言おうか。それは究極の「ゆるし」である。

その一方で、かなりきつめの条件があることも、今回あきらかになった。

七瀬陸が、人々の同情を得られて、「友達」のような親しみを持ってもらえる理由として挙げられたのは、


「少年っぽく、健康的で、未熟だけど、明るい」
という条件。

一見、「自然体であれということか」と流してしまいそうになるが、これは恐ろしい呪縛である。

強めにいいかえれば、「アイドルとして成長してはならない」という縛りではないか。

完璧なパフォーマンスを目指して「頑張る姿」は見せてもいい。でも、「ずっと完璧」ではだめなのだ。それでは同情や親しみが持てない、「ゆるされない」。


5部で撮影が開始されたアイナナのドラマでも、七瀬陸の役は「新人」
玄人の役なぞやらせてはいけないのだ。

彼には、「未熟」「未完成」が求められていて、それによって「ゆるされて」いるのだから。

四葉環が「やりたいこと」を見つけたいと唐突に言ってきたのも、何かの予兆であるように思えてならない。

環は壮五の隣で「成長したい」といつも考えているはずだ。その彼がアイドル以外の何かに「わくわく」を求めている。それはつまり、アイナナとしての活動では、「未熟」「未完成」が求められているからこそ生まれた欲求だ、とは考えられないだろうか。
(※ミスアフェのmvで七瀬陸の前から最初に姿を消すのが四葉環だったことは、ここにつながってくるのかもしれない…)

紡もまた、「アイナナでいることを演じさせているのでは?」と感じ始めているようだ。このあたりが5部のテーマなのだろうが、メンバーたちの決裂などにつながって行かないことを願うばかりである。



4.「ゆるし」を請わないRe:vale


さて、この「同情問題」だが、Re:valeとも距離があると思うのだ。

岡崎事務所としてはこの企画に乗っているようだが、ハッピーアワー計画のときとは、明らかに温度差がある様子が見てとれた。特に千は興味を完全に失っているようにも見える。

松永プロデューサーが言う、「TRIGGERが完璧で同情を得られなかったから、助けてもらえなかった」という点にかんして、Re:valeは大いに反論があるだろう。

だって彼らは、TRIGGERに助けを請われたわけではないのに、助けたではないか。バックダンサーとして出演させたではないか。

加えて、七瀬陸の特性である「なんでもゆるされる」「ぜんぶすき」という部分にも、賛同しかねるのではないかと思う。

4部のゴタゴタの際に百は、「好きな時だけそばにいてくれればいい」と言っていたし、旧Re:vale時代の千は、「千の曲だから、なんでも最高!」と言われることに嫌悪感をむき出しにしていた。

全てを無条件で「ゆるされる」ことを善しとしていない。

そして何より、4部で万理の件がスキャンダルとなった際に、千は謝罪や弁明をすることを拒否している。裏側や内面を曝け出すことはなかったし、「ゆるし」を求めてもいなかった。

どちらと言えば、TRIGGERの方に近い考え方である。

こう考えると、Re:valeもまた、松永が求めるような、七瀬陸的なアイドルではないということになる。

結局のところ、前述した条件にあてはまるのは、七瀬陸しかいないのではないか、ということになってくる。
…まるで、七瀬陸だけが新世界のアイドル、であるかのように思えてくる…



5.約束を守るという「ゆるし」―「共同体」としてのTRIGGER


そして、TRIGGERである…

こんなに泣いたのは3部以来である。姉鷺さんの胸中を思うと、本当に涙が止まらなかった。
TRIGGERのくだりだけ抜き出せば、私は松永pを到底許すことはできない。彼はTRIGGERのことを何もわかっていない。イチから勉強し直してこい!というところだ。

とはいえ、彼の言い分で今後のアイドル界が進んでいくのだとしたら、

旧アイドル界=TRIGGER
新アイドル界=アイナナ(ほか多数?)

ということになる。
(※個人的には、これとは別の括りの「第3のアイドル界」が、Re:vale中心に形成されそうな気がする)


以前TRIGGERと「仮面」についての記事を書いたのだが、まずは、アイナナ・Re:valeとの違いを強調しておかなくてはならない。


TRIGGERは、「TRIGGERという共同体」なのだということだ。

共同体としてのTRIGGERは、メンバー3名だけで作られるのではない。「TRIGGER」というものに恋をしている人間全員で作り出すものなのだ。

龍がよく言うような、「TRIGGERの一部となって愛されたい」という思いも、この「TRIGGER共同体」というところに根ざしているように思う。

個人を愛されることよりも、TRIGGERのメンバーとして愛され、より「TRIGGER共同体」が多くの人の恋の対象になればいい…ということだろう。

その恋を終わらせないために、仮面を着け、完璧をめざし、裏側は見せず、約束は絶対に守る。

これはメンバーだけの問題ではない。

ファンもまたそうである。ファンも「TRIGGER共同体」を作る一員なのだから、恋を終わらせるようなことはしない、ということになる。

だから、路上ライブのときの「九条天の泣き顔」は拡散されずに秘匿されたのだ。

5部4章でも、そのことを天は「お願い聞いてくれたんだ…」と感じている。これはほぼ「約束を守ってくれた」と同義ではないか。


TRIGGERは3部において、龍単独の歌唱というステージをせざるを得なくなり、ファンとの約束を破ってしまった。

その「贖罪」という意味では、「これ以上ファンとの約束をやぶらない」、それ以外にないだろう。
路上ライブで約束した「これからも歌い続ける」はしっかり守っている。そしてその時のもうひとつの約束である、「天の泣き顔は拡散しない(=TRIGGERが作り上げた仮面(夢)の裏側を暴かない)」という約束をファン側は守っている。

この、約束を守り守られることこそ、「共同体TRIGGER」を維持するために必要なのであろう。ファンとメンバー、関係者が「約束を守り合っている」時点で、TRIGGERは「ゆるされて」いるのである。
だからゆるしを請わない。

これが、ドキュメント企画で「親しい友達」のような側面を一方的に曝け出し、ゆるしを求めることになったらどうだろう。「TRIGGER共同体」ではなくなってしまう。だってそこにはファンが介在していない。
それは、TRIGGERメンバーから約束を反故にされたも同然ではないか。

姉鷺さんの判断は正しい、と私は思う。
できるなら、覆ることがないといいな、と思っている。



6.再現による「ゆるし」―ゼロと九条天


5部の新規情報として出てきたのが、TRIGGERの新作のミュージカル出演である。

情報としては以下の通り

・日本のアイドル史をTRIGGERが継承する
・十数年前に作られた
・主演俳優へのあてがきだっがたが、主演が失踪、演出家が発狂した

そして5部冒頭の天である。

伝説のアイドル、ゼロが帰ってきた…!
といわれている。

このミュージカル、確実にゼロのために書かれたものであろう。幻の作品を甦らせるわけだ。(crescent…の演出家はリバイバルが得意なのね…)

二階堂大和が心配しているように、ゼロの亡霊に呑まれる可能性はかなりある。天がゼロ化する危険性だってある…いよいよクライマックスな感じがしてきたではないか。

しかし、ここで少し希望が残った。

九条鷹匡は、このミュージカルに楽と龍もキャスティングしたのだ。これは、だいぶ、かなり…安心したところである。

4章ラストで、九条鷹匡は、楽と龍のどちらが「自分に似ているか」と尋ねている。
天はこじつけで楽と応えたが、これはかなり重大なヒントではないかと思うのだ。

おそらくこの舞台、「アイドル ゼロの軌跡」を描いたものではないか。

主要登場人物は3名。

九条天=ゼロ、八乙女楽=九条鷹匡、十龍之介=桜春樹

…このキャスティングとしか思えない。


いわば「ゼロ共同体」である3名を、TRIGGERという共同体を形成する3名で演じるというのだ。これは一大事である。


かなり希望的観測になってしまうが、TRIGGERによるゼロの再現は、ゼロ問題にもある種の「ゆるし」をもたらすことになるような気がする。

天が演じることで、九条鷹匡は、今まで理解できなかったゼロの苦悩を知るかもしれない。
ゼロを演じる天は、仮面を被ることから逃げないかもしれない。

ゼロはたったひとりで仮面をつけ、ステージにいた。天も仮面はつけている。しかし、天は1人ではない。楽と龍がいる。

ゼロが、ほか2人と形成できたかもしれない「共同体」―いわばゼロの「if」が現在の九条天なのかもしれない。その天が、ゼロを再現することに、大きな意味があるのだろう。

それだけでも、長らくアイドル界を縛り上げている「ゼロの呪縛」が、いくぶんか鎮められるのではないかと思うのだが…楽観的に考えすぎだろうか。


そうなると、

旧アイドル界を再現するTRIGGER(九条天)
新アイドル界のアイコンと化す七瀬陸(アイナナ)

という構図の完成、とでもなるだろうか。
やはり新旧アイドル界は、この双子により動いていくんだな…というところだ。

とはいえ、この舞台の詳細はまだ不明。つぎの更新を待ちたいと思う。




5部がはじまったばかりだというのに、また長々と根拠が薄い考察をかきちらしてしまった。申し訳ない。

久しぶりの情報供給だったため、滾ってしまったのだ。ご容赦いただきたい。


心配事は尽きないが、とにかく16人のアイドルが、その関係者たちが、なんらかの「ゆるし」を得て、それぞれに幸せになってもらいたい…そんなことを強く思った5部4章であった。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

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