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【アイナナ4部考察】革命を阻む「毒」(ネタバレ)

【アイナナ考察記事についてのお願い】
・「二次創作」としてお読みください。ストーリーの展開を保証するものではなく、公式やキャラクターを貶めようとするものではありません。
・アイナナに関するすべての情報を把握しているわけではありません。個人の妄想と願望を大いに含む、一解釈であることをご理解ください。

アイナナ4部16章、17章。新曲が二曲もあり、盛りだくさんの内容であった。
ストーリー的には、年末のブラホワの様相がだんだん見えてきたといったところだろうか。話数的にも、おそらくあと2回の更新で4部は完結であろうし、4部のラストはブラホワの決着で間違い無いだろう。

前回の「夢の墓碑になるのは誰か」と
前々回の「Re:valeは「過去」を再定義する」の続編という形で、
ブラホワに向けてアイドル界がどのように動いていくかを、私なりに考察していきたい。いつも通り妄想とネタバレを多分に含むため、不快に思われた方はUターンをお願いしたい。
過去記事は↓

今回は特に、各グループおよびユニットの曲名、曲調などにも注目して考察を進めたいと思っている。

1. 年末の各グループの立ち位置


4グループの年末の予定が出揃った。
アイナナ→ブラホワでzoolと最終決戦
Zool→ブラホワでアイナナと最終決戦
TRIGGER→年末カウントダウンライブ(初)

Re:vale→ブラホワ殿堂入りに伴い、(おそらく)年末カウントダウンライブ(初)

見事に2つに割れたと言っていいだろう。

アイナナ・zool→旧アイドル界
TRIGGER・Re:vale→新アイドル界

という場所で、アイドル活動をするわけである。
もちろんアイナナvsZoolが主軸ではあるが、新旧アイドル界の並立という大枠が提示されたことは重要である。

2.ブラホワで起こるであろうこと-アイナナvsZool-


繰り返しになるが、ブラホワで行われるのはアイナナvsZoolの頂上決戦である。今回のストーリー内で「抱かれたい男No.1」のランキングの状況が
「ちょっと悪そうな感じか、元気で健康そうな感じ」
に二分しているとの情報がもたらされたが、ブラホワの対決はまさにそれである。

アイナナ→元気で健康そうな感じ(陽)
Zool→ちょっと悪そうな感じ(陰)
 →(アイドル界の陰陽については前回記事を参照願いたい)

そんな簡単な構図で終わらないのがアイナナである。楽曲面で見ていこう。

アイナナ→桜春樹が残した楽曲(おそらく圧倒的な「陽」パワー)
Zool→棗巳波楽曲(おそらく「陰」パワーを含んで新路線のバラード?)


これもまた新旧対決の様相を呈している。
桜春樹は亡くなった。彼と共に曲を作っていた棗が、そこに新曲をぶつけるのである。
そして忘れてはいけないのが、Zool4名が「これまでのやり方を変えて欲しい、やり直したい」と月雲了に交渉をはじめていることだ。これは「旧アイドル界」からの脱却の意志とも読み取れる。

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では月雲了が「アイドル界を破壊する、絶滅させる」と言っているのだから、両者はwin-winでは?と思われるかもしれないが、それも微妙に違うだろう。

月雲了が願っているのは「終焉」である。人々の夢を食い物にし、裏切るアイドルという存在自体を抹殺したいのである。つまり彼の野望が達成されたのちの世界に、アイドルは不在だ。アイドルは過去の遺物になりはてる。

一方、Zoolが望んでいるのは「自分たちのやり方でアイドルをやり直したい」というもの。つまりアイドルの「進化・成長・再生」である。ツクモと共に心中する気はない、という意思表示なのである。彼らはまだ気がついていないようだが、Re:vale側にZoolがつく下準備は整いつつあるのだ。

となると、

アイナナ(七瀬陸)→アイドルを存続させる(夢を終わらせない)
月雲了(≠Zool)→アイドルを絶滅させる(夢を終わらせる)

かつ

アイナナ→旧アイドル界のシステムのまま、頂点を極める
Zool(≠月雲了)→新アイドル界のシステムで、頂点を極める

といことになるまいか。ちょっと煩雑になってきて申し訳ないが…
今回のZoolの造反(未遂)から見えてきたのは、アイナナの立ち位置の不透明さである。月雲了自身も

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「IDOLiSH7の動きだけ、イレギュラーだな」
とつぶやいているが、まさにそうなのである。

新アイドル界を目指すRe:valeやTRIGGERと懇意にしながらも、アイナナというグループ自体には、改革や再生の兆しが無い(もちろん、今回のMezzoのように個々人での変化はあるが)。ブラホワに勝ちたい理由もまた、純粋にZoolに勝ちたいだけ、あるいはRe:valeやTRIGGERへの仕打ちに対する抵抗に止まっており、改革や再生といった壮大な目的とは少しズレがあるのだ。

つまり、

アイナナ勝利→アイドル界の革命は失速し、七瀬陸がゼロ化
Zoolが勝利→アイドル界の革命は成功し、ゼロは生まれない世界になる

ということなのではないか、、、と予想しておこう。
言い換えれば、4部終了とともにアイドル界がキレイになり、みんなが幸せになることは無い。それは5部(もしや6部?)に持ち越されるだろう。

3.ブラホワの裏で起こるであろうこと-Re:vale&TRIGGER-


ブラホワに出場しないTRIGGER
ツクモの圧力によりブラホワから敬遠されたRe:vale

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TRIGGERは明確に示されたが、おそらくRe:valeもまた年末カウントライブをやるだろう。TRIGGERがまた圧力によって会場を確保できない可能性もあるので、2組合同でやる可能性も高い
(あるいは、八乙女事務所のチケットが売れていない現状がほのめかされたので、そこに2組が関わる…こともあるだろうか。八乙女楽がすごくイヤがりそうだが)

前々回の記事でも考察したが、王者Re:valeの特攻武器はTRIGGERである。
この2組ががっつり組んでなにかやるとなれば、それは「革命」以外の何ものでもない。(※結局なかった…申し訳ない。5部に持ち込しか)

なにしろ、TRIGGERの新曲は「Treasure!」冒険の末に新たな宝物を見つけるのである。そしてそれによって、Re:valeは革命を「Re:raise」し、成功させる…楽曲からも革命の香りがかなりするではないか。

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17章ラストで百は「いよいよ了さんのピアノ線を切ってやる…」と革命の本格始動を匂わせている。それはきっと年末に向けて進められるはずだ。
加えて「その前に…」と何か言いかけているが、個人的にはそれは「Zoolの懐柔」ではないかと考えている。Re:valeが仲介する形をとって、TRIGGERとZoolの和解もありうるだろう。そしてZoolがブラホワで勝てば…?


つまり、Re:valeはTRIGGERに加えて、Zoolという武器すらも手に入れるのだ。月雲了の武器を奪って、自分たちの武器にしてしまえば、革命は戦火を交えることなく成功するとも言える。

しかし、そこでその障壁となってくるのが…おそらくアイナナであろうと思うのだ。

4.「楽しさ」のズレ-七瀬陸と百-


17章ラストで、Re:valeはアイナナをバックミュージック隊に従えて、
「Re-raise」という新曲を発表した。
raiseは「上がる」という意味であるから、Re:vale自身の浮上と共に、消えかけたアイドル界の革命の狼煙が再度上がるという宣言でもあるのだろう。

アイナナが後ろについているということは、Re:valeとアイナナは革命の同志という見方もできるだろう。しかし、その前後で提示されるそれぞれの考え方にはズレもある。主に、陸と百の台詞からそれは滲んでいる。

七瀬陸は、アイドルは裏切るから嫌い、アイドルを絶滅させるという月雲了に対し

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「それ(アイドルが見せる夢)はすごく楽しいものだった、貴方に思い知らせます」

と宣言している。

それに対して百は「もしみんなに嫌われちゃったら残念だし、悲しいけどしょうがない」という前置きをしつつ

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「無理やり好きになってなんて言えない。俺たちを楽しめるときだけ、俺たちのそばにいてくれればいい」

と発言している。
どちらも「楽しさ」を語るものだが、その本質はズレている。

七瀬陸は「キライをスキにさせる「楽しさ」を提供する」と言っており
百は「スキになってくれる人、スキになってくれる時だけ「楽しさ」を提供する」
と言っているのだ。これは大きなズレであろう。

かなり強引なまとめかたをすれば

七瀬陸のあり方は、旧アイドル界(ゼロ的)であり、
百のあり方は、新アイドル界である。

アイナナのイレギュラーさはこのあたりに根ざしていると思われる。
もう少し、七瀬陸個人から、アイナナのあり方を掘り下げてみよう。

5.七瀬陸という「毒」


今回の配信分でやたらと強調されていたのが
「異常なまでの七瀬陸人気」
であった。
正直言って、アイナナの人気=七瀬陸の人気、になっているといっても過言では無いだろう。

前回記事でも少し触れたが、これは「和泉一織の計画通り」である。そして恐ろしいことに「他メンバーはまったくそのことに気がついていない」のである。蚊帳の外にいるTRIGGERの楽と龍すら気がついているのに、である。

ゼロがそうであったように、過剰な人気は負のエネルギーになり、周囲も本人も不幸にすることがある。薬も過剰摂取すれば「毒」になるのと同じである。

今回MEZZOが「ファンから寄せられる期待(=理想的な夢の形)」を裏切って、別路線の新曲「Forever note」を発表した。これは、Mezzoの二人が、自分たちの意志を優先し、ある意味アイドルから脱却する決意で臨んだからこそ実現できたものであった。そして賛否両論が巻き起こったからこそ、Mezzoは「(たとえ嫌われたとしても)自分たちのやりたいことができた」と確信できたのだ。

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では、七瀬陸に同じことができるだろうか?
おそらく、それはできない。

七瀬陸は異常なまでの人気という「毒」で、アイドルという概念にすでに縛られてしまっている。桜春樹の遺言により「自分の意志」を模索しはじめたわけだが、時すでに遅しであった…といったところであろう。

それは七瀬陸の「わがまま」が許されないのではない。「わがまま」が全て許されてしまうからである。何をやっても「七瀬陸というアイドルの理想的な挙動」であると、受け入れられてしまう

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これは七瀬陸にとっても「毒」であると共に
アイドル界にとっても恐ろしい「毒」である


七瀬陸は、自分の挙動が「自分の意志」によるものなのか、周囲の意志によるものなのかがわからなくなり自分を見失うだろう。それはゼロがたどったのと同じ道である。

TRIGGER、Zool、Re:valeがそれぞれ「自分たちのやり方」を見出してきたのに対して、それは正反対の事象だと言っていい。また「なんとなく好き」の方向に逆戻りしてしまうのだ。
それは、甘く懐かしい「毒」であろう。しかしそれでは、アイドル界は救われない。

新アイドル界最大の敵は、現時点では七瀬陸、その人であると言っていい。
七瀬陸という「毒」をアイナナが克服しない限り、アイナナというイレギュラーは革命を阻み続ける。

6.アイナナは自家中毒をどう克服するのか


七瀬陸という「毒」に気がついていない(あるいは麻痺してしまっている)アイナナメンバーたち。まずは彼らが自家中毒を克服する必要がある。
ナギの復帰をもって「もうメンバー内に問題は無いね!」となっている状態でにもかかわらず、このあとグループ最大の危機が訪れるという鬼のような展開である(申し訳ない)。内容的にはおそらく5部の展開になるので、無謀な推論になるがご容赦願いたい。

手がかりになるのは、ピタゴラ組のユニット曲の存在である。
「卒業」イベントとタイアップするとのこと。と同時に、メンバー全員で撮ったスナップ写真が話題になっていた。

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「卒業」…何を?アイナナを?旧アイドル界を、、、、という推測はさすがに穿ち過ぎか。
だからこそ、あのスナップ写真は「最後」一枚的な扱いをされ続けるのでは無いか。二階堂大和が提案した「一年に1枚は撮る」という約束が、反故にされる可能性がでてくるのでは無いか。

MEZZOは「なんとなく好き」から脱却し、裏切りを恐れず独立独歩を始めている。
ピタゴラもまた、各人の意志で歩み始めるのではないか…

何がきっかけかは今の所まったくわからないというのが本音だが、ブラホワ前後での七瀬陸の暴走を目にして、二階堂大和や六弥ナギが何も感じないはずはない。その違和感に加え、Re:valeを中心とした人々の革命の萌芽を目の当たりにし、「本来アイナナはそっち側だったのでは…」と感じたとしたら、、、、アイナナの分裂はありうる

前回の記事にも書いたが、暴走する七瀬陸に最後まで寄り添うのは
和泉一織
和泉三月

の2名だと私は考えている。詳しくは前回記事を参照いただきたい。
※改めてフラウェ組の「解決ミステリー」の歌詞を眺めてみると、「嘘は正義になる」「君となら迷宮も悪く無い」など、旧アイドル界の人身御供のようになった七瀬陸に、心中するかのように寄り添う和泉一織の思いの吐露のように思えて、ゾッとした。


もちろん、分裂したあとに復活するとは思うのだが、七瀬陸の「毒」を中和し、自家中毒を克服してはじめて、復活だと思うのだ。
でなければ、「ゼロを生み出さない、新しいアイドル界」は成立しないのだから。


今回もだいぶだらだらと、論拠の薄い考察を垂れ流してしまった。
しかも、前回よりもさらに不穏にしてしまった。申し訳ない。お叱りは覚悟の上である。
前回同様に、最悪のシナリオを想定することで、少しでも「ああ、いい方向に予想がはずれてよかった」と思いたいだけなので、なんとかご容赦いただければ幸いである。

そして…まもなく「空虚咎送り」のイベントが始まってしまう。
昨年の星めぐりイベントも、今となっては本編を示唆するような内容であったため、今から心臓のあたりが落ち着かない。また改めてイベントストーリーから、今後の予想もしていきたいと思っている。私のこれまでの不穏な展開予想を裏切るような、そんなストーリーを期待したい。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

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