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【アイナナ4部考察】「ふたつ」の自分(ネタバレ)

【アイナナ考察記事についてのお願い】
・「二次創作」としてお読みください。ストーリーの展開を保証するものではなく、公式やキャラクターを貶めようとするものではありません。
・アイナナに関するすべての情報を把握しているわけではありません。個人の妄想と願望を大いに含む、一解釈であることをご理解ください。

4部完結の20章。
情報量としてはそこまで多くなかったが、「ああ、やっぱり…こうなってしまうのか…」と思った方が多かったのではないかと思う。伏線のたぐいも、これまでに比べてわかりやすくちりばめてあったような。
私のような不真面目なファンが考察するまでもないように思うものの、4部完結ということもあるので、4部の総括として、新曲「Mr.AFFECTiON」のMV考察と併せて書き散らして、5部の展開を予想していきたい。既出の考察も多くあるので、冗長な文章になるかと思うがお許しいただきたい。

また、いつも通りネタバレと妄想を多分に含むため、不快感を覚える方はUターンをお願いする次第である。
過去考察記事は以下の通りである。適宜ご参照いただきたい。

「夢の墓碑になるのは誰か」(14,15章)
「革命を阻む「毒」」(16,17章)
「愛情と、犠牲と」(18,19章)



1.ブラホワの結果

男性アイドルグループ優勝:アイナナ
総合優勝:Re:vale

という結果に。
予想通りといえば予想通りである。ただ、一時期参加が危ぶまれていたRe:valeが優勝したことで、アイドル界の革命「ハッピーアワー」については、成功の可能性がグッと高まったといえるだろう。

そのRe:valeが気にしていた、「ブラホワの場外でのたたかい」=(Re:vale vs TRIGGER)については、5部に持ち越しであろうが、これで

旧アイドル界(内部)からの革命=Re:vale
新アイドル界(外部)からの革命=TRIGGER

という構図につながるのだということがわかった。
そこにZOOLをどう絡ませるか、だが、TRIGGERに「名前のない花」を送っていることから考えても、遠くない未来に合流すると思われる。


2.月雲了の退場と、ZOOLの今後

月雲了の退場については、非常にあっけなかったと言っていいと思う。私としてはもう少し粘ってもらいたかったが、彼が「ラスボス」ではないことのあらわれなので、納得といえば納得である。

月雲了は、アイドル界の秘事を暴露しようとして、未遂のまま退場していった。つまり、彼はアイドルを消滅させる存在ではないのだ。
もちろん、Re:valeが進める「ハッピーアワー」計画を妨害する存在でもなくなった(彼が暴露本でも書けば別だが…最後は少しだけ救われていたようなので、もうこれ以上の悪化はないだろう)。

月雲了退場の影響を受けるのは、間違いなくzoolである。元社長が逮捕されたとなれば、何らかのダメージは避けきれない。
とはいえ、百が説得した月雲兄が社長に返り咲くという。つまりは「ハッピーアワー」側の人間である。兄がどんな人物なのか今の所は不明だが、Re:valeおよびTRIGGERとの合流は既定路線だと考えて良いだろう。

こうなってくると、アイナナだけが蚊帳の外、という感じがますます強まってきていると感じるのは、私だけではないはずだ。


3.小鳥遊事務所の立ち位置―小鳥遊音晴


今回引っかかったのは、「ハッピーアワー」に関わる事務所の話である。

月雲了のもとに社員が押しかけた際

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                    ©アイドリッシュセブンより引用

「星影さんや、岡崎事務所、他にも…」と「ハッピーアワー」協力者が挙げられていたが、この中に
「小鳥遊事務所」
の名前がない
のである。(他にも……の中に入っていると信じたいが、敢えて疑ってみる)

岡崎事務所よりは小鳥遊事務所のほうがいくらか規模が大きいはずで、しかも売れっ子のアイナナを抱えている事務所である。ここで名前が出ないのは不自然だ。

ざっと3部から見直してみたが、小鳥遊事務所と「ハッピーアワー」計画の明確な接点を見出すことができなかった。
4部でRe:valeと万理問題の際に、百が小鳥遊社長に面会しているくらいで、革命関係でRe:valeと小鳥遊事務所が関わった描写は皆無だと思う(私が覚えている範囲では)。
そして前回も指摘したが、TRIGGERやRe:valeと懇意にしているくせに、アイナナは「革命」に無頓着かつ無関心である。

これまでの流れから考えれば、Re:valeに説得されれば小鳥遊事務所もアイナナ拒否するはずがない、革命に加担するにちがいない…と誰もが思っているはずである。
しかしもしかしてそれは、壮大な思い込みかもしれない。
驚くほど、小鳥遊事務所(小鳥遊音晴)は芸能界の現在に関する意見や姿勢を明確に示していないのである。

小鳥遊音晴はいつも糸目で、ヤバいときだけ開眼する人物だが、もしや彼こそがアイドル界の台風の目なのではないか…という気がしてきた。
八乙女宗助との仲違いだって、実は詳細に語られていないではないか。紡の母をめぐる対立だけではなかったはずである。

ただの妄想に過ぎないが、5部はもう少し小鳥遊社長が、物語の核心にかかわってくる気がするのである。そして、紡と音晴がアイナナを巡って対立なんぞすることがあれば……これはとても興味深いことになると思うのである。
(1部でジャイマノミネートされた時に「解散!」と言い出したテンションで、壮大な何かを起こす感じ)

ある意味音晴ラスボス説みたいになってしまうわけだが……或いは彼が「ゼロ」のもうひとつの顔か……(さすがに考えすぎか)
何はともあれ、音晴が中心に躍り出てくるその伏線として、20章の岡崎事務所社長の台頭が語られたのだと思うのだ。


4.アイドルという「作品」―「ふたつ」の自分

今回印象的だったのは、ZOOLが語る「アイドル」という概念である。そしてこれは、Re:valeおよびTRIGGERにも共通する考え方であったことが、今後を示唆しているように思う。


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                    ©アイドリッシュセブンより引用

「アイドルって、ファンとスタッフと、アイドル本人で作る、作品なのかもな…」

という悠のセリフは

龍之介を筆頭とするTRIGGERの考え方そのものである。
そしてファンに対して「俺たちを楽しめるときだけ、俺たちのそばにいてくれればいい」」という考えを持つRe:valeもまた、同じ方向性だと考えていいだろう。

言い換えれば、
アイドルである自分
アイドルではない自分

をしっかりと線引きできているということである。
つまり「ふたつ」の自分がある、ということだ。

ファンの強い好意にも、強い悪意にも飲まれない
なぜならアイドルとして像を結ぶ自分と、自分の本質とは別だからである。いわば、ふたつの「i」とでも言おうか。
(こういう部分の一致から考えても、この3グループは共闘して革命を成功させる予感がする)

これができていないように思われるのがアイナナである。
既存楽曲とは異なるジャンルへの参入を強行したMEZZOだけはできかけていると思うが、他メンバーは少々違う。

二階堂大和は素性を明かしていないために、二面性を持っているだけで、前向きな線引きができているわけではない。
六弥ナギは王子であることがバレたので、いい意味で線引きが解消されてしまった。
和泉三月は、一織からみればアイドルから逸脱した個性が先行してしまったので、やはりいい意味での線引きではない。
和泉一織に関しては、アイドルとしての彼が消し飛びかけているような気すらする。

そして七瀬陸だ。
これが極め付けである。

今回のブラホワでは事なきを得たが
和泉一織プロデュースによる「トップアイドル」と、本人との間の乖離があるものの、それを世論やファンと、七瀬陸自身が、「差を埋めていってしまう」「乖離を見なかったことにしてしまう、認めない」という方向に突き進んでいるからだ。

「なんとなく好き」
「ワガママがワガママとされない」

の恐怖がここにある。

「アイドル」という作品と、本人とを線引きする新アイドル界
そこで、共通の「夢」をみようとする新アイドル界
たとえそれが、一瞬の「夢」であっても…一瞬を永遠にするのが新アイドル界

アイナナはいまのところ、その世界に馴染める様子が見えない
むしろ、アイドル界の革命を阻む存在へと、突き進んでいるように思えてならないのである。


5.「Mr.AFFECTiON」が示唆するもの

ふせったーで書いたことを、20章の内容を踏まえてもう少し整理してみる。再録になり恐縮である。


前述した
「アイドル」の自分
本当の自分

という「ふたつ」の自分は、MVの中の衣装でも表現されているように思う。

白シャツの部分=本当の自分「I」
黒のモフ衣装=「アイドル」の自分「i」

となると、前半は
氷の下の水面で「本当の自分」が消失し、剥き身の状態でアイドルとして踊る彼らの足元は「今にも氷が割れそう」な状態、であることが描かれていることになる。
つまり、線引きをせずに「アイドル」を剝き身状態でしているアイナナの危機であろうと思うのだ。

白シャツ衣装のメンバーは

環→壮五・大和→ナギ→和泉兄弟

の順番で湖面から消えていく。これが「線引き」ができる順番だと思うのだ。

そして最後に残る七瀬陸は鎖に繋がれ、自分の胸像と向き合い、その一方がノイズに包まれ消える。これは、「アイドル」に「本来の七瀬陸」が囚われ、紆余曲折を経てそれが再び分裂し、新生七瀬陸的な何かになるというメタファーであるように思う。

後半は再び「アイドル」状態のメンバーが全員で踊っているので、おそらくは一度アイナナは分裂か離散、その後再編され、復活する流れであるように思う。それが精神的なものだけですむのか、実際に解散まで追い込まれるのかはわからない。いずれにしても、その過程でそれぞれのメンバー個人の問題も解消されていくだろう。
(二階堂大和は炎(水風呂問題)、和泉一織は羽モチーフ(プロデュースからの解放)で衣装チェンジしているので、彼らは特に救済の可能性が高いように思う)

最後の城門前でのシーンでは、ピンクの光が一度は全て七瀬陸に集まり、もう一度散らばり、今度は全員を導くように扉の中に吸い込まれていく。

一度は七瀬陸が全ての犠牲となり、でも最後はみんなで救済…という流れなのかなと、なんとなく思えたシーンであった。


※追い詰められるMEZZO
MVの中で最も気になったシーンがある。七瀬陸の手の上で、MEZZOが追い詰められている様子が1:20前後に示されて居るのだ。
前述したようにMEZZOはいち早く、ファンが求める「アイドル」像と、自分のやりたい事の乖離に気がついた二人である。彼らが追い詰められるとしたら、それが上手くいかない、ということ以外に考えられない。それを七瀬陸が守るということは…陸がMEZZOの犠牲となる何かをするのだろうか…と不安である

※最後にのこる「i」
ターニングポイントとなる楽曲は「i」が使われるというアイナナ楽曲だが(→参考記事
最後にのこる「i」を考えた時、これは
idol としての 「i」 = 七瀬陸
を表すのかなという気がした。それも旧アイドル界的なアイドルである(本来の自分「I」」を磨耗させて、idolである「i」を保つようなイメージ


6.桜春樹遺作の行方と5部展望

最後の最後に九条鷹匡がまたやらかしてくれたな、というところである。
前回考察した、桜春樹の遺作に関する考察が、どうやら一部あたってしまいそうで、我ながら嫌な予感しかしない。

桜春樹の遺作について復習しておこう。
桜春樹が死の間際に、九条鷹匡に託した楽曲のことである。何曲あるのかは不明だったが、今回のストーリーのテキストから考えて、重要なのは1〜2曲ではないかと思う。

その楽曲は、ゼロが依頼して桜春樹がつくったもの。
そして、それはおそらく九条の意表をつくもの。

4部のラストで九条は

「なぜゼロが消えたのか、春樹の遺作はその答えの鍵になるかもしれない」

と発言している。

私はその楽曲は
ゼロは自分の幸福のためではなく、ファンおよび九条の幸福のために、それを願って生きていたという内容
であったのではないかと思っている。九条が思いもよらないゼロの本心であろう。
しかし、そうでなければ、九条は「自分が愛されていた」ことに気がつかず、救済されないからである。私は彼の事も、月雲了同様に何らかの救いを与えてあげてほしいと考えている。

4部ラストで示唆されたのは、この曲が「誰かに歌唱される可能性」であった。候補は2名に絞られた。

①九条天
・ 九条が「最後のプロジェクト」と発言している
・カウントダウンの最後が「ゼロ」

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                   ©アイドリッシュセブンより引用

②七瀬陸
・和泉一織によりゼロ化が進行中
「あの歌が、オレたちの運命をどんな風に変えていくのかも、まだ何もしらないまま」

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                   ©アイドリッシュセブンより引用

どちらもありうる。
私はあえて、「どちらか」ではないという可能性を考えてみようと思う。「どちらも」ということである。

もちろん、九条プロデュースについては、九条天が対象だとは思う。ただし、TRIGGERでの活動を重視する天は、やすやすとそれを飲み込まないだろう。
彼が動くとしたら「七瀬陸を救うため」という動機が一番効果がありそうだ。そして、七瀬陸はゼロ化が進行中である。彼の目を覚ますためなら、九条天はたとえそれが毒でも飲むだろう

4部冒頭、八乙女楽は「俺の隣で毒を飲むな」と天に言い放っていた。まさにその選択の時が、5部では展開されるのではないか。TRIGGERの底力が試される時である。

一方七瀬陸だが、九条鷹匡から楽曲の提供があるとは思えない。ただし、ここで思い出したいのは「NATSUしようぜ!」の盗作問題である。

そうだ。かつてTRIGGERとアイナナは、桜春樹の同じ曲を歌唱したことがあったではないか。
今回だって、桜春樹の遺作楽曲がふたつの事務所にもたらされる可能性は十分にある。それが同じ楽曲なのか、セット作品なのかはわからない。しかし、1部のリプライズであるかのように、アイナナとTRIGGERが桜春樹の同じ作品をめぐって対峙することは、ないとは言えないのではないか。台風の目が音晴なのだとしたら、彼は桜春樹楽曲を用意できそうな気がする。(すると、最終決戦は九条鷹匡VS小鳥遊音晴??)
そしてそれは、1部の時のように双方の潰し合い・傷つけあいにはならず、双方の救済になるのではないか―というのは私の希望だが。


どういう経緯なのか、どういう経過を辿るかは今の所全くわからない。とはいえ、もしもこの作品がこの桜春樹遺作問題で閉じられていくのだとしたら、天と陸の双子の歌声によって締めくくられるのが、なんとなく一番しっくりくる気がするのだ。
(以前の考察記事にも書いたが、メカラライベントの最後も、双子による歌唱で世界は眠り、目を覚ました。4部エンドカードも、向かい合う双子だったではないか…)

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                   ©アイドリッシュセブンより引用

4部まで続いてきた本作
本作の核であるはずの、九条天と七瀬陸は、本編では未だ二人きりで歌唱した事がない。
混乱の極みに陥るアイドル界が、初めて重なる双子の声色によって、平穏と救済をもたらすのなら、こんなに綺麗な結末はないように思うのだ。
双子は分身、半身だという。「ふたつ」の自分の乖離に苦しむ七瀬陸が、自分の片割れである九条天によって救われる…考えただけでうっすら泣けてくる。

一強ではない、ひとりでもない、みんなで作り上げる、そんなあたたかなアイドル界の樹立を、切に願っている。



今回はあまり情報が多くなかったにもかかわらず、結局長々と妄想を垂れ流してしまった。乱文で申し訳ない限りである。
5部はいつになるやら想像もつかないが、とりあえず4部のラストで和泉一の中の九条鷹匡風味が軽減されていたのが、救いである。一織たのむぞ、自我を保ってくれよ!

しばらくはMVをみつつ、正月から始まるアニナナの再放送を楽しみつつ、まったりと過ごしたいと思う。

最後に…マネージャーの皆様、4部ストーリー完走お疲れ様でした。そして、拙い考察記事におつきあいいただき、ありがとうございました。良いお年を!

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