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【アイナナ4部考察】愛情と、犠牲と(ネタバレ)

【アイナナ考察記事についてのお願い】
・「二次創作」としてお読みください。ストーリーの展開を保証するものではなく、公式やキャラクターを貶めようとするものではありません。
・アイナナに関するすべての情報を把握しているわけではありません。個人の妄想と願望を大いに含む、一解釈であることをご理解ください。

アイナナ4部18、19章。4部完結目前であるためか、本当に情報過多で何から考えて良いかわからない。4グループ全てに動きがあったが、おそらくマネージャー各位全員が思ったであろう…

なんでアイナナだけこうなっちゃうの!?

と…私ももちろん同感である。
ということで、今回は「愛情由来のコントロール」をテーマに考察していきたい。今回もネタバレ満載、妄想全開でお送りするため、苦手な過多は今すぐUターンをお願いする次第である。


まず最初に前回までの考察の訂正を・・・(土下座)
 ・Re:valeはブラホワ出場→TRIGGERとの共闘は回避。
(※とはいえ、Re-raiseとTreasure!の曲の系統(ベース・金管)は似ているので、目指す先が同じであることに変更はない)
 ・Zoolの懐柔→Re:valeがするまでもなく、自力で頑張ってくれたので回避
どちらも良い方向に転んでくれて何よりである。

その他の部分では大幅な訂正がないため、これまでの考察の流れは過去記事を参照願いたい↓


1.コントロールする者たち、その「愛情」


いわゆる「コントローラー」たちの明暗が描かれたのが、18,19章だった。
まとめてあげると以下の人物たちである

八乙女宗助→コントロール(愛情)過多だったことへの反省、手放したことで成長したTRIGGERに救われる(支えられる)立場を経験。再びTRIGGERと歩む未来の兆しが見えた。

九条鷹匡→ゼロを自分がコントロールすることが、ゼロ自身の幸福になると考えていた(=彼なりの愛情)過去を述懐。桜春樹の遺作(ゼロ依頼の楽曲)を聞き、その信念が揺らぐ。

和泉一織→ゼロプロデュース時の九条鷹匡化が進行。自身のコントロール(対七瀬陸)を徹底することで、兄、七瀬陸、マネージャーが幸福になる(=一織が大切にしたい人たちへの愛情)という信念が強まっている。

※月雲了→自分が幸福になりたい(=愛されたい)から、周囲に不満をぶつける。上記3名とはベクトルが違うが、zoolに対するコントロールは愛情が欲しいから、という点は似ている。

今回はっきりしたのは、コントロールの裏には、揺るぎない愛情があるということ。
その形はひとそれぞれだが…
では、その愛情が何を産んだかということをそれぞれ見ていこう。


2.八乙女宗助―守るためのコントロール

姉鷺および龍の口から、八乙女宗助がTRIGGERをコントロールしていた本当の理由が明かされている。

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「誰かを大事にしたい気持ちがあることと、大事にする方法を知っていることは、また違う」

まさにこれである。
八乙女宗助は、大事にする方法を間違えたのだ。

障害を避け、危険なものから遠ざけ、TRIGGERが傷つかないようにした。
完璧なTRIGGERであるようにした。ただ見守ることはできなかった。

しかしそれは、結果的にTRIGGERとファンを傷つけてしまったのだった。

その不器用の極みとしての「コントロール」が、ようやく「愛情」としてTRIGGERに伝わったのが、今回のYAOTOME.fesであったと言えるだろう。TRIGGERもまた、外海を知ってはじめて、コントロールの裏にあった愛情に気がついた。だからこそ、今回のゲスト出演に反発せず、踏み切ったのだ。

今度は八乙女宗助が、TRIGGERからの愛で救われる結果となったわけである。
大変、大変、幸せな着地点であったと言えよう。泣いた。

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これにより、TRIGGERが再び八乙女宗助のもとに戻る可能性が出てきた。
もちろん姉鷺さんも。


新曲Treasure!の名の通り、一度は暗く沈んだ海で、TRIGGERは何ものにも代えがたい宝物を見つけたようで、大変感動した。それはメンバー同士の絆であり、周囲の人々との絆であり、ファンとの絆である。コントロールを必要としない、見守り、見守られ、支え、支えられる「愛情」である。
両者大きな犠牲を払ったが、それだけの価値ある宝物を発見したのが、八乙女宗助とTRIGGERであると思う。


3.九条鷹匡―ゼロが遺した愛情

唐突に挿入されたのが、ノースメイア帰国後の九条鷹匡の述懐であった。
そういう意味でも、今回の更新分では「コントロール」が大きなテーマであったと思う。

理が「私が捨てなければ、九条さんとずっと一緒にいられる」と発言したことに対して、
九条は「それはどうかな、僕はゼロに捨てられたし…」といつも通りのゼロ話をする。

しかしそのあとが、今回は少々違った

九条がゼロをコントロールしていたのは、それが彼の「幸福」だと信じて疑わなかったからだ。
つまり、愛するゼロの幸せのためにやった。全ては愛情に裏打ちされたものだったことが、九条の口からはっきりと示されたのだ。さらに、、、

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桜春樹の遺作の楽曲について、思わぬ情報がもたらされた。
なんと、遺作は「ゼロが依頼して」作られたものなのだという。つまり、失踪したゼロの真意が詰め込まれた作品であると言っていいだろう。

そしてそれは、九条に「どういうことなんだろう…」と言わしめる内容になっているようなのである。九条が疑問に思う内容は2パターン考えられる。

①ゼロ自身は全然幸福ではなかった、という全面的な反発
②ゼロは自分の幸福のためではなく、ファンおよび九条の幸福のために、それを願って生きていたという内容


どちらにしても、ゼロの幸福を信じてコントロールしていた九条にとっては理解しがたいだろう。ゼロは、自分を犠牲にして、自分をすり減らしてアイドルをやっていたのだ。九条のコントロールの通りに。「愛情」という意味では、私は②だと思っている。

これが理解できたとき、九条ははじめてゼロの思い出を消化でき、過去を昇華(鎮魂)できるはずだが、まだ難しいだろう…なにせ九条は愛されたことがなさそうだ。ゼロが曲に込めたファンや九条に向けた愛情を、彼が受け止められる日が来るといいのだが。

そしてこの問題の楽曲、誰が歌うのかという問題も残っている。
これは後述することにしよう。


4.和泉一織―みんなの幸福、自分の幸福

今回一番我々マネージャーを不安にしたのは、間違いなく和泉一織である。
発言、思想、声優さんの演技、すべてが「九条鷹匡化」していたからである。(増田さん素晴らしい…)
一気に進行したな…という印象だ。

もう一度確認しておこう。和泉一織が目指すコントロールは…

アイナナ(=七瀬陸)がゼロを超えるアイドルになることが目標。
なぜならそれが、三月、七瀬陸、マネージャーの夢であり、彼らを「幸福」にするものだから

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九条との違いは、ゼロ一人であったのに対し、複数の「幸福」を目指している点である。

名前の上がった3名を改めて整理しよう。

和泉三月=兄=実際の家族
七瀬陸=アイドリッシュセブンのセンター(核)=第二の家族の核
マネージャー=アイドリッシュセブンの生みの親=第二の家族の母

このようにならないか。

なぜ彼らを幸せにしたいのか。なぜそんなに躍起になるのか。
これは再三言っていることなので、もう飽きたと言われてしまうかもしれないが…

一織は「家族」と言える彼らを幸せにすることで、その幸せなコミュニティの一員に自分もなりたいのである。終わらない幸せな「家族」を保つことで、自分もずっとそこに居られる、そこで幸せを感じられる。
この思考に根ざしていると思うのだ。

恐らく一織は父か母が違う兄弟、あるいは親類の子(血の繋がりはあるが養子)なのだと思う
血縁に多少の不安があるから、幸福な「家族」を失いたくない。だからそれを保てるようにしなければ…という思考が、刷り込まれてしまっているのではないだろうか。たとえ三月や父母に「いずれは家族じゃなくなる」というようなそんな気配がなくとも、聡い一織はその未来を無意識に恐れ、回避するように生きてきてしまったのではないか。
三月の小鳥遊事務所入りを実現させたのだって、三月を「幸福」にするためだ。

それは第二の家族であるアイナナにも置き換えられることだ。
アイナナがトップアイドルになり、みんなが幸せになれば、アイナナは永遠に終わらない。一織の居場所であり続ける…そのために、グループの「核」たる七瀬陸をコントロールし、ゼロを超える人気者に祭り上げ、アイナナを永遠にしようとしている。

「みんなとずっと一緒にいられる」

という願望に最も縛られているのは一織だ。
みんなの夢を叶えると言っているその裏で、一織は自分の夢をアイナナに託しているのだ。


5.夢の「犠牲」

九条鷹匡がゼロに何らかの犠牲を強いてしまったように、
和泉一織のコントロールもまた、犠牲を生もうとしている


①和泉三月
アイナナが売れすぎた反動のひとつといえばそれまでだが、
これまで地道にバラエティ界で築いてきた三月の地位が、少々危うくなってきている。

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ベテラン司会者よりも、MCとして目立ってしまっているというのだ。
和を大切にする三月にとって、この風潮は望まないものだろう。三月だけが名指しで叙述されたところが、かなりキナ臭い感じがしている。


②七瀬陸

こちらはさらに深刻である。
七瀬陸の訴求力の影響で、世の中全体が「陸がやることならなんでもOK!なんでも正しい」という風潮になってしまっている。もちろんこれは、和泉一織の「計画通り」なのだが、だんだんそのことに、陸自身が違和感を覚えているのが、今回の更新分であった。

つまり、本来の「七瀬陸」と、一織コントロールの「七瀬陸」に齟齬が生じているのである。一織は陸をSNSから遠ざけたり、体調面でかいがいしく面倒をみることで、その乖離を埋められていると思っているようだが、埋めきれていない。

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七瀬陸の発作が再発しているのだ。

これは忙しさ+メンタルが原因であろう。
この本来の「七瀬陸」と、一織コントロール「七瀬陸」の乖離は、今後ますますひどくなっていくであろう。その頂点がブラホワである。
ブラホワを無事終えられたとしても、そこで七瀬陸が負う犠牲は相当大きなものであるはずだ。ゼロと同じ道を辿ってしまう。それは、七瀬陸―もとい、アイナナ崩壊へのカウントダウンである。


③アイナナ

七瀬陸の訴求力の影響で売れに売れまくってしまった代償は、グループ全体にものしかかっている。
壮五が言っているように

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「もっと、みんなで、一緒にいる時間をつくるべきだよね」

…それなのである。
アイナナは今、バラバラなのだ。他3グループが結束を固める中で、どんどんバラバラになっている。さらに一人一人に専属マネージャーをつける話まで持ち上がり、分裂崩壊に突き進んでしまう気しかしない。

その上ピタゴラの新曲である。
「My friend」―しかも「出会えてよかった」という歌詞すらある。
これは、アイナナメンバー同士のサヨナラソングではないかと思わせるものがある。
一織のコントロールは、確かにアイナナをトップアイドルにしようとしているが、その一方で「みんなで一緒」にいる夢を破壊しようとしている
一織のコントロールは、アイナナ自体を犠牲にしてしまう諸刃の剣だが、まだ彼は、そのことに気がついていない。


④和泉一織
最後に、最大の犠牲者となる可能性があるのが、一織である。
七瀬陸が「一織に叱られる」と発言したことで、アンチ一織の風潮が高まっている。

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陸が「一織によく叱られる」と発言してしまったのにはふたつ原因がある
 ・台本にないことだったので、とっさに出たものを言ってしまった
 ・とっさにでるほど、一織には常にコントロールされている(=叱られている)
まあつまり、一織のコントロールが原因だ。陸はコントロールに慣れすぎてしまっている。
もちろん、一織が陸のためを思ってやっていることだと、陸は理解している。だがやはり、七瀬陸の本質との違和感、依存の危険性が、こんな形で露呈してしまったというところだろう。

そして、その犠牲になっているのは、一織の好感度である。
「叱る=七瀬陸のことが嫌い=世の中の敵」という認識なのである。一織は自分が創り上げた世論に、反撃されはじめている。

このままいけば、「アイナナに和泉一織不要論」が持ち上がり、七瀬陸およびアイナナの幸せを優先する一織は、アイナナを去ることになるだろう。完全に去らずとも「コントロールに徹する」という格好になるかもしれない。そしてそれは、七瀬陸ゼロ化暴走の引き金となりそうである。
また、環が唐突に「一織が高校を退学する可能性」を示唆してきたのも非常に気になるところだ。

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一織は、他でもない七瀬陸の犠牲となって、すべての居場所を失う可能性がある。

本当に心配だ。心から心配だ。

このように、和泉一織が目指す「夢」の軌跡には、数多の犠牲が積み重なっていくことが容易に想像される展開になってきている。


前回の記事で、暴走ゼロ化する七瀬陸のそばに最後まで残るのは

和泉三月
和泉一織

だと述べたが、この兄弟、ゲームアプリ内のイベントで、それぞれが「犠牲」になっていることを思い出していただきたい。

2018年「星巡りの観測者」では、和泉三月演じるカーネリアンのせいで、一織演じるコーダは殺されかけた。
2019年「妖万華鏡 空虚咎送り」では、本日(11/27)現在、和泉三月演じる鎌鼬が、通り魔にあっている。

この兄弟には「犠牲」の影がつきまとう。
兄のために、なりたくもないアイドルになった一織。
だとしたら今度は、三月が犠牲になる番ではないのか。

居場所を失いそうになる一織の身代わりになるのは、三月ではないのか…


6.アイナナ救済の道標―TRIGGER

ひどく暗い考察ばかりしてしまったので、最後は少し希望のあることを考えたい。冒頭に書いたように、今回の更新でTRIGGER(および八乙女宗助)がようやく救済された。
もう一度思い出して欲しい。

八乙女宗助:TRIGGERへの愛ゆえに、コントロール
TRIGGER:八乙女宗助のコントロールの影響で足をすくわれ、業界追放(解散危機)

という状況であった。
今のアイナナと似ていないか?

和泉一織(小鳥遊事務所):アイナナへの愛ゆえに、コントロール
アイナナ:和泉一織のコントロールの影響で犠牲がうまれ、分裂危機

やはりアイナナの対照にあるのはTRIGGERなのだ、と思わせる構図である。

そして、八乙女宗助は、TRIGGERからの愛を知ることで、救済された。
であれば、和泉一織が、周囲からの「愛」に気がつけば、あるいは…アイナナは救済されるのではないか?ということである。

どうだろうか、少し希望が見えてきたのではないか。
もちろん、ブラホワが終わり一波乱あってからのことではある。6部、あるいは7部の話かもしれない。しかし、TRIGGERが道は切り開いてくれた。これほど心強いことはない。
やはり彼らは「引き金」なのだ。

そしてもう一つ。
ゼロが依頼し、桜春樹が残した楽曲を誰が歌うか、という問題である。

おそらく、

九条天
七瀬陸

のどちらかであろう。
私は九条天ではないかと思っている。

七瀬陸がゼロ化し、旧アイドル業界の犠牲となるのを目の当たりにした九条天が、手を差し伸べないはずはない。
そして、この楽曲はおそらく「本来のゼロ」が詰まったものになっているはずなのだ(詳細は上述した)。だとしたら、七瀬陸が「本来の七瀬陸」を取り戻すために、必要な曲なのではないか。それは、九条天が七瀬陸に訴えるように歌うのではないか…


思えば、2017年のイベント「メカララ」では、確か双子が最後一緒に歌って、ドールたちの世界を全て眠らせ、人間たちが目覚める…という展開だった。

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だとしたら、九条天が桜春樹の遺作を歌い、七瀬陸が自分を取り戻し
さらにその曲を、二人が一緒に歌うことで

旧アイドル界は眠りにつき
新アイドル界が目覚める

ということなのかもしれない。
彼らの双子設定が4部ではあまり生かされていないが、この展開が待ち受けているならば、納得の双子設定である。


ということで、今回もだらだらと、論拠のない考察を垂れ流してしまった。
情報過多であったため、zoolとRe:valeに関しては考察が及ばず…なんとも中途半端な記事になってしまった。申し訳ない。

今回のストーリーから感じたのは、
誰もが根っからの悪意で動いているのではない
誰もが幸せを、愛情を求めているのだ

ということである。

八乙女宗助も、月雲了も、和泉一織も…

みんながしあわせになる物語などというのは、ないのかもしれないが
ほんの少しでもいいので、キャラクター全員が何かしらの愛を感じて、この話が帰結すればいいな、と考えたりしたものである。

※「妖万華鏡 空虚咎送り」の考察は、全ストーリー配信後に書く予定です。
長文におつきあいいただきありがとうございました!

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