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本帰国に向け思うこと【ドイツ駐在員エッセイ】

皆さん、駐在員のイメージってどんなんでしょうか?
英語や現地語ペラペラで、高給取りで、休みにはバカンスを楽しんでる、など?
実際のところ、そこまで甘くありません…。
現役の駐在員として、さまざまなトピックについて不定期で書いていきます。

【主なスペック】
30代男性、家族帯同
ドイツで製造業の駐在員(日本人ひとり)
営業、マーケティング、経営企画…なんでもござれ
後悔はしていませんが、駐在はほぼ苦行です

いくつか駐在について書いてきたこのマガジン。
ついに最終回です。
というのも、今月で本帰国、帰任することになったのです。
なので、今回はドイツ駐在で得たもの、また得られると思っていたのに期待ほどではなかったもの、をご紹介します。


駐在で得たもの

新しい価値観

ドイツは当たり前ですが、日本と全然違います。
他人に関心なし、仕事のオンオフの激しさ、日が長すぎ・短すぎ…。
日本人がやりすぎだってこともわかりました。
ドイツ人もうちょい頑張れというのもありました。
ただ、両方知ることができたので、自分の中で、ここまでしなくてもいいよね、という余裕が生まれた気がします。

仕事面では、本社と現地の分断をよく感じました。
色々と知りたがる割に、ややこしいと逃げる感じ。
聞いてばかりで、現地にメリットがない。
苛立ち、不信感、無力感…先が思いやられます。
調べていると、日本が本社の会社ではありがちなようです。
これからは、よりシームレスに、かつリアルタイムで拠点間が繋がるような組織体制が求められます。
実際に動いて稼いでいる現地のためになるようにしたい、と考えるようになりました。


ぼちぼちな英語力

人によりますが、9割くらいは理解して、話も返せるようになりました。
アメリカやイギリスであればネイティブなので、もっと良くなったかもしれません。
ただ、自分にはドイツがちょうどでした。
ドイツ人の英語は日本人に聞き取りやすいです。
彼らも第2言語なので、お互い気を遣いながら話せるので安心感がありました。
帰国してすぐにTOEICを受けるので、どれくらい良くなってるか楽しみです。


愛国心

日本が素晴らしい、ということがよくわかりました。
暑いし、自然災害は多いし、景気は良くないし…。
でも、日本は明らかに住みやすいです。
犯罪も少なく、街でも安心、医療も整備されて、安全に暮らせます。
ドイツもかなりいい方です。
が、それでも常に一抹の不安を抱えながら生活してきました。
いざという時に言葉が通じるかどうか、というのも要因にはありそうです。

食べ物も大きいです。
食べるものがなくてもコンビニや外食があり、美味しくて安い。
もちろん企業努力や働いている人のおかげです。
とてもありがたい存在とわかりました。
魚が美味しいのもいいですね。
ドイツでは高く、種類もないので困りました。


駐在で期待していたほど得られなかったもの

給料

妻が働けなくなった分、インセンティブを含めても世帯収入は減りました。
その上、現地園に入れず、高い私立の幼稚園しかなかったので、純減です。
会社にもよると思いますが、駐在でお金が貯まるは嘘です。
為替が気になって仕方ないのも弊害です。


昇格

これもよく言われる話です。
会社によると思いますが、私はヒラで来て、ヒラに戻ります。
駐在して箔がつくね、なんて言われることもありました。
が、等級すら上がりません。
給料純減、戻っても上がらない。
駐在経験はスキルとして無価値ってことですよね?


旅行(ドイツ以外)

車で行ける範囲は色々と行けました。
飛行機が必要なところへは仕事以外で行けませんでした。
子どもがいると高くつきます(上の通り、お金があるわけではない)。
風邪や熱でキャンセルしたのも何度もありました。
ドイツ国内でも、歴史的なところなど、大人っぽいところよりは、大きい公園とか動物園とか、子ども中心でした
大人が期待したところはあまり行きませんでした。
子ども達は楽しそうにしてくれていたので、これはこれで良しです。


駐在してよかった?と聞かれるなら、間違いなくよかったです。
そう簡単にできることではないですし、考え方、感じ方も大きく変わりました。
あまり長くはなかったですが、とてもいい経験でした。

これから駐在する方、すでにしている方、色々いるかと思います。
これからの方は、条件をきちんと確認しておいてください。
会社が出してくれない範囲で、結構なお金がかかります。
駐在さしてもらってんだからぁ、というやりがい搾取。
また、僻みみたいなのも少なからずあるので、毅然とした態度で交渉してください。

noteは引き続き気が向き次第書こうと思いますが、駐在員エッセイは最後となります。
もし今まで見ていただいていた方がいらっしゃれば、感謝申し上げます、ありがとうございました。
駐在員タグなどから来られた方、もし関心があればドイツにまつわる内容でいくつか書いてますので、覗いてみてください。

ドイツの方も、日本の方も、お元気にお過ごしください!

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