#28サスティナブル調査隊
今回はSDGsの目標7項目にある「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」がテーマです。
人類に重要不可欠なエネルギー
この目標も大切だよねって、なんとなく感じるとは思いますが、それよりも「貧困」「飢餓」「健康」「ジェンダー」などの問題が重要じゃないの?と考える方も多いのではないでしょうか。
そこで見ていただきたいのは、SDGs シリーズ「なぜ大切か」という配布物です。
そこにある下記文言が、この目標の答えを明確にしているのではないでしょうか。
電気がなければ、女性や女児は何時間もかけて水を汲みに行かねばならず、診療所は子ども用のワクチンを保管できず、多くの生徒は暗くなってから宿題をすることができず、人々は競争力のある事業を営むことができません。
また、28 億人が調理や暖房用に薪や木炭、糞、石炭を用いており、それによる屋内の空気の汚染によって、400 万人以上が早死しています。
皆さんご承知のとおり、現代の人々の暮らしには、エネルギーが欠かせません。
それを古代人類のような生活に今さら戻すということは不可能でしょう。
そう考えたときに、世界中の人々が必要な量の害のないエネルギーを使えることが重要となってきます。
では、そんなものが世の中にあるのでしょうか?
クリーンエネルギーとは
よく耳にするクリーンエネルギーとは、二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のことです。
一般的にクリーンエネルギーと呼ばれる物には以下のものが挙げられます。
太陽光発電
自然界に常にあるエネルギーなので将来枯渇する可能性がありません。
太陽光に頼るため雨や曇りの場合、充電がされにくいという問題もあります。
発電量が大きく上下してしまうことで、電力ネットワーク全体に与える影響が大きいことが指摘されています。
水力発電
水力発電は、電力を生み出す過程で二酸化炭素をほとんど発生させないため、非常にクリーンなエネルギーとされています。
設置には開発初期のリスクが大きいことや河川や周辺環境への影響、水利権の調整などが不可欠となるのが課題です。
風力発電
風の力で風車の羽根を回し、発電機につないで発電する方法です。
国土が狭く土地代が高い日本において、陸上に風力発電を設置する場合、発電コストが高いことが問題の一つです。
バイオマス発電
化石燃料以外の生物由来の再生可能資源で発電する仕組みです。
バイオマス発電は、植物を燃やした時に出るCO2はもともと光合成の時に吸収したものだから、CO2の総量は増えないということで「カーボンニュートラル」と呼ばれています。
地熱発電
風力・太陽光とは違い、天候や風量に左右されることなく、24時間365日発電を続けることができます。
設置できる環境として温泉などの施設が点在する地域と重なることが多く、資源に与える影響などへの理解や地元関係者との調整・地域住民の理解を得る必要があります。
最後に二酸化炭素を排出しないという点では、「原子力発電」もクリーンエネルギーと呼べるかもしれません。
原子力発電は先述の通りカーボンフリーであり、24時間稼働するエネルギーで、気候変動に対処する上で理想的な技術でもあります。
しかし、そもそもの設計が古いことが安全面でも課題となっています。
アメリカでは、現在世界で最も多い99基の原発が稼働していますが、多くは1980年代までに稼動したものであり、そのうち86基は寿命を60年に延長しています。
原子力発電は、通常発電中では環境汚染が少ないかもしれませんが、仮に原子炉が破壊されるなど事故が起きた場合には、大気中に大量の放射能を放出することになるという点がメリットに対してあまりにもリスクが大きい事が課題です。
万が一放射能が放出されると、大気のみならず土壌や海洋が広範囲にわたって汚染される危険性があり、得られるエネルギー以上に、地域の住民さらには人類にとっての資源に大きなマイナス影響をを及ぼします。
今、世界で稼働する原子炉は年前に設計された物が多く現在の技術レベルからすると見直すべきところが多いものばかりです。
そこで、安全に運用できる原子炉の開発も各所で進められています。
ですが、「原子力」という言葉を聞いただけで拒絶感を抱く我々をいかに納得させるかが、技術の進歩と並行して検討することが重要だと思われます。