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#31サスティナブル調査隊

今日は、電力供給のお話です。
発電した電気を無駄にしないためには、どうすれば良いのか、クリーンエネルギーのデメリットをカバーする活用方法があるかなど見ていきます。

賢い電力網の構築

このシリーズ内でもクリーンエネルギーについてお話をしましたが、太陽光発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電など、自然のエネルギーを使い発電するその仕組みには、デメリットもありました。

例えば太陽光発電は、太陽の光が届かない雨や曇りの場合、発電がされにくいという問題があります。
逆に使用量の低い時間帯や季節に大量の発電をしても無駄になるという事もあります。

そこで考えられたシステムがスマートグリッド(賢い電力網)です。

スマートグリッドとは、IT技術を活用してリアルタイムで電気の需要を把握できるようになっており、電気の供給側・需要側の双方から電力量コントロールすることを可能にしています。

スマートグリッドでは、従来の発電所による電気と、家庭などで発電された電気を合わせてコントロールすることが可能です。

また先述の通り、再生可能エネルギーは発電量が天候に左右されるという不安定感がありますが、その際は発電所から供給量を増やすことで、安定した電力供給が可能となるのです。

そのスマートグリッドでは、従来の「電力量計」に替わって「スマートメーター」を設置し管理しています。

スマートメーターは電気使用量をデジタルで計測する、通信機能を備えた電力メーターです。

これまでは、毎月「電力量計」の検針があり、先月と比べて使用料が多かっいか少ないかという情報しか得られませんでした。

しかしスマートメーターを設置する事で、30分ごとの電力使用量を計測し、電力消費の状況がモニターを通じて 見えるようになるので、家庭内で電気の使い方を工夫することができるようになりました。

これらの技術により正確な電力需給のバランスを取り、需要に応じたきめこまやかな発電を行うことができるようになったのです。

スーパーグリッド構想

ところで海外の発電事情に目を向けると、ヨーロッパでは環境に対する意識が高く、各国で風力や水力、太陽光、バイオマス発電などクリーンエネルギーの導入が盛んです。

そして、このクリーンエネルギー(再生可能エネルギー)のデメリットである出力が不安定である事を補うために国家間で電力を融通し合うことにより、 需給バランスの調整と効率的な活用を目指しています。

それが「スーパーグリッド構想」です。

先ほど見てきた「スマートグリッド」を拡大したイメージと考えるとわかりやすいですね。

そして我々の住む北東アジアの電源構成を見ると、国によって大きな違いがあります。

中国とモンゴルでは石炭火力が多く、日本とロシアは天然ガス火力が多くなります。
そして韓国では原子力が30%を超えています。

そうした中で各国に共通する点は、クリーンエネルギーの電力が急速に拡大していることです。

その中で注目されているのがモンゴルの砂漠です。

モンゴルでは2015年に国家電力政策が国会で承認され、総発電容量に占める自然エネルギーの割合を2020年までに20%、2030年までに30%まで引き上げることを目標としています。

ここではゴビ地域の豊富な太陽光、風力資源を活用することなどが定められています。

そしてこの地から、風力発電で作った電力を日本へ送るプロジェクトが動きだしています。

それがソフトバンクグループの孫正義社長が提唱する「アジアスーパーグリッド構想」です。

アジア各国の送電網を結び、再生可能エネルギーをスーパーグリッドで共有するという壮大な事業です。

この北東アジアにおけるエネルギーの相互接続に関して、日本は電力を他国に依存することや採算面での懸念から慎重論が強く、長く棚ざらしにされてきました。

安全保障面を考えれば、政治的に難しい関係にある国々と生命線でもある電力網をつなぐことに抵抗を感じるのも無理はと思われます。

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しかしこの取り組みが前進する事で、クリーンエネルギーの利用促進と技術革新の後押しへとなれば、世界の化石燃料利用抑制に貢献するのでは無いかと思います。


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