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⑦流行る資格があるリラクゼーションサロンとは?

学校の帰りに、ばったりママと出会ったりんは、一緒に図書館に本を返しに来ました。

そしたら、向こうから、一条が歩いてきました。

一条 「あぁ、りんちゃん、こんにちは」

りん 「あっ、一条さん!」
「ママ、こちらコンサルタントの一条さん」
「しおん先生の先生なの」

ママ 「どうも初めまして、りんの母親です」「いろいろお世話になっているそうで、すみません、有難うございます」

一条 「いえいえ、しおん先生の生徒さんですから、マーケティングの勉強のお手伝いをしているだけです」「ねっ、りんちゃん」

りん 「はいっ、一条さん、いつもありがとうございます」「今日は本を返しに来たんです、途中でママとばったり会ったから、一緒に・・・」

一条 「そうなんだ、良かったら少しお店の話を聞かせてもらいたいんですが・・・」「お時間はありますか?」

ママ 「はい大丈夫です」

一条 「じゃあ、あちらの方で・・・」

一条が確認したかった事は「りんちゃんのママの人柄」

初対面の一条とりんのママ

一条 「では、お母さまにお聞きしたいのですが、接客時のお客様との会話ってどんな感じでしようか?」
「普段の接客を思い出して頂けますか?」
「例えば、常連さんとはどんな感じでしょうかね」

ママ 「そうですね、常連のお客様とは、世間話をしたり、次回のご予約時の施術内容についての話をしたり、いろいろですね」
「常連のお客様とはライン交換している方が多いので、特別な話をしないこともよくあります」

一条 「解りました、有難うございます」
「では、初めてのお客様とはどんな感じでしょうか?」

ママ 「初めてのお客様には、カウンセリングをさせて頂いております、お体の状態などをお伺いして、それならこういう施術がおススメですね、という感じです」 

一条 「初めてのお客様に、リピートして頂く為に何かされていることはありますか?」
「例えば、次回のご来店のお誘いなどはしておられますか?」

ママ 「お客様から、次回はいつ頃に来ればいいですか?と聞かれることもありますが・・・」
「お客様の都合の良い時にお越しください、とお伝えしています」

一条 「そうなんですね、解りました」
「あと、初めてのお客様には、何を見て当店を知って頂いたのかなど、ご来店のきっかけなどはお聞きされていますか?」

ママ 「そうですね、スマホで吹田ナビを見たとおっしゃる方が多いです」「後は、常連さんからのご紹介の方も多いです」

一条 「そうですか、解りました、有難うございます」
「あと、お母さまが得意とされている施術があれば教えてください。常連さんに評判が良い施術とか・・・」
「そういえば、男性のお客様も来られるんですか?」

ママ 「女性専門店としてやっておりますので、男性のお客様はお断りさせて頂いております」

「得意な施術は特にないのですが、常連さんに人気なのは、リンパマッサージですかね、疲れ取れる効果があるからとおっしゃって、受けられるお客様は多いです」

一条 「そうなんですね、有難うございます」

こうして一条の質問にりんのママが答える形のミーティングは、約1時間ほどで終わりました

一条 「今日はお時間を撮らてしまったすみませんでした」「では、また」

りん ママ 「一条さん、有難うございました、さようなら・・・」

ママと帰り道

りん 「一条さんってね、しおん先生のマーケティングの先生なんだって」「だから、しおん先生は一条さんのことを『師匠』って思ってるって言ってたわ、ふふふ」

ママ 「へぇそうなの、マーケティングの先生なのね・・・ママにはよく解らないわ・・・」

りん 「先生がね、商売にはマーケティングが大切なのよって教えてくれたの・・・だから・・・わたし・・・マーケティングを勉強しようと思ったの・・・」

ママ 「へぇ、そうなんだぁ・・・」

りん 「あのね、ママ・・・怒らないでね・・・」
「私、ママのお店が潰れるかもって心配になっちゃって・・・だから・・・先生にね・・・」

ママ 「いいのよ、りんちゃん、ありがとう、優しい子ね」
「りんちゃんに心配かけないように、ママも頑張るからね」

りん 「ごめんねママ・・・」「でもね、一条さんがね、ママのお店は大丈夫だって言ってたよ、わたし・・・嬉しかったの・・・」

ママ 「そうなのね、なんだかママも嬉しいわ」
「でも、どうしてそんなことが解るのかしらね・・・」

りん 「ママ、一条さんはね、コンサルタントなんだよ、だからビジネスが成功する秘密をいっぱい知ってるんだよ~」
「私それを教えてもらってるんだぁ・・・」

ママ 「ふーん、そんな事を教えてもらってるのね」
「でも・・・お金とかかからないのかなぁ?」

りん 「一条さんはね、今は本の出版準備で忙しいから、コンサルティングはしていないんだって」
「それにね、しおん先生からもいろいろ教えていもらってるし・・・」
「しおん先生も一条さんのお弟子さんだから、私もお弟子さんにしてもらったの」

ママ 「へぇ、そうなんだぁ、凄いねぇ」
「でも、それなら尚更、お月謝とかいるんじゃないのなかぁ・・・」
「ちょっと厚かましいんじゃないのかなぁ・・・大丈夫なの?」

りん 「うーん、よくわかんないから、明日しおん先生に聞いてみるね」

「それよりさぁ、ママ、おなか空いたよぉ・・・早く帰ろう」

ママ 「そうね、帰りましょ、、りん」

ママと手をつないで帰るりん

流行る資格があるサロンの条件とは?

りんがママと家路についている頃・・・
一条としおん先生は、学校でマーケティング会議をしていました。

一条 「ライバル店との差別化については、小手先のマーケティングテクニックなんかよりも、
そのサロンオーナーの人柄に勝てるものは無いというのが僕の結論なんだ」

しおん先生 「そうですね、私も同じ意見です」
「無理に違う施術を勧められたりしても、決めるのはお客様ですからね」

「自分のことを真剣に考えてくれているという信頼関係が成立していないと、何を提案しても、売り込まれていると思ってしまいます」

「美容室でも、トリートメントをお勧めされることが多いですが、断ったら悪いかなぁ、ケチな人だと思われないかなぁ・・・なんていう気持ちになってしまって・・・」
「結局トリートメントをお願いするんですけどね、帰りにお会計を済ませた後、ちょっと思っていたより高かったりすると、後悔したりすることがあるんですよねぇ」

一条 「そうだね、美容室では一時期マーケティングを導入するお店が増えたけど、マーケティングをテクニックだと捉えてしまうと、結局お客様が離れてしまうんだよ」
「マーケティングをセールステクニックだと勘違いしている経営者が多いけど、そういうお店は、経営者が気付かないうちに、常連さんが離れてしまっているんだよね」

しおん先生 「あっ、それ、解ります」
「美容室のトリートメントのお勧め
って、完全にセールステクニックになっていますからね」
「お客様の髪ならこのトリートメントを使えばハリがてますよって言われたら、じゃあお願いしますって素直に思えますけどね」
「トリートメントはどうされますか?皆さんこちらのトリートメントをされていますけど・・・みたいに勧められると、断りにくくなっちゃいますから、次回は違うお店にしようって思ってしまいます」

一条 「そういう事なんだ、誰だってセールスされるのは嫌だからね」
「せっかく来店してくれたお客様に、セールスして嫌な気持ちにさせてしまったら、常連さんになってもらえるチャンスも逃してしまっているんだよね」
「そういう意味では、りんちゃんのママは、お客様の気持ちに寄り添っているし、心からお客様のことを考えているから、それがお客様に伝わって常連さんになってくれているんだよね」

しおん先生 「そうですね、私の友達もアムールの常連さんですけど、りんちゃんのママの人柄が好きって言ってました」
「施術も受けたいけど、会いに行ってる感じだとも言ってましたね」

一条 「そうだね、そういう関係性が理想だね」
「リラクゼーションサロンというのは、お客様と1対1だから、どれだけ信頼関係が作れるかがカギになるんだよ」
「信頼関係を作る為に、いろんなテクニックを教えているコンサルタントも居るけど、僕はそれも間違っていると思うんだよね」
「最終的には、テクニックでも無く、セールスでも無く、サロンオーナーの人柄で勝負するという事になるね」

しおん先生 「じゃあ、アムールのリピート対策は何もしなくてもいいという事ですか?」

一条 「いや、そういう事ではないんだよ」
「りんちゃんのママには、リピート対策をご自身の中でマニュアル化してもらいたいと考えているだ」
「マニュアル化というか、パターン化というか、仕組み作りをしてもらえばいいだけなんだよね」

しおん先生 「へぇ、仕組みつくりですか・・・」
「例えば、どんなことですか?」

一条 「そうだね、例えば・・・」
「初めてのお客様には、必ずお礼のD
Mをお出しする、とかね」
「そのDMには、お客様のお体の状態を書いて、次回のご来店は〇日後あたりがいいですよ、とか書いておくといいね」

しおん先生 「それはいいですね」
「わざわざDMハガキをもらうと、自分の事を真剣に考えてくれているって感じます」
「そこに、〇日後あたりに来てくださいって書かれていたら、その通りにしたくなりますね」

一条 「そうなんだ、りんちゃんのママにお話しを聞かせてもらっていて感じたのは、お客様の都合に合わせて過ぎているということだったんだよ」
「りんちゃんのママは、
は、優しくて誠実な人だから、次回のご来店をお勧めするのは厚かましいと勘違いしているんだろうね」
「だから、お客様から次回はいつ頃に来ればいいですか?と聞かれても、お客様の都合のよい時に来てください、ってお伝えしているそうだからね」

しおん先生 「ちょっと解りにくいんですけど、どうしてお客様の都合の良い時だといけないんですか?」

一条 「あれっ、しおん先生は解らないのかな?」
「行動心理で学んでいると思うけどなぁ、思い出してごらん・・・」

しおん先生 「え~、行動心理ですか・・・」「・・・」「ダメです、思い出せません」

一条 「そうだね、じゃあ、しおん先生が歯医者さん行って、次回はどうすればいいのか教えてくれなかったら、どう思う?」

しおん先生 「え~、歯医者さんって必ず次の予約を取って帰りますけど・・・」

一条 「そうだよね、必ず次回の予約を入れてから帰るよね」
「もしも次回の予約を言ってくれなかったら、どうしていいのか解らなくなって不安になるよね」

しおん先生 「はい、不安な気持ちになっちゃいます」

一条 「つまり、リラクゼーションサロンも同じなんだよ、お客様にしてみれば、りんちゃんのママも、歯医者さんの先生も同じなんだ」
だからね、お客様に次回の事を聞かれたら、そこは、プロとしての意見をちゃんと言ってあげることが大切なんだ」
「完全に疲れが取れた訳じゃないので、次回は1週間~10日後あたりにお越しくださいね、って言ってあげる方がお客様は安心するんだよ」

しおん先生 「そういう事なんですね、解りました」
「歯医者さんに言われるのも、セラピストに言われるのも同じプロの意見だという意味ですね」
「お客様は、そのプロの意見を聞きたいんだぁ、なるほど・・・」

一条 「うん、理解できたようだね」

マーケティング会議中の一条としおん先生

しおん先生 「一条先生、これでアムールのリピート対策は完璧ですね」

一条 「そうだね、これからは人柄の時代だからね」
「新規客の集客はマーケティングのテクニックだけでも出来るけど・・・」
「リピート対策は、完全にサロンオーナーの人柄重視になって来るから、マーケティングの小手先のテクニックじゃどうにもならないんだよ」

しおん先生 「そういう意味でも、お客様と真剣に向き合っておられるりんちゃんのママのようなステキな方には、リピート対策をしっかり理解して欲しいですね」
「そして、そういうサロンこそ流行って欲しいと心から思います」

一条 「そうだね、このレポートをりんちゃんに渡して、アムールのリピート対策をお母さまに説明してもらおう」
「それはしおん先生に任せたよ」

しおん先生 「解りました、、私からりんちゃんに説明しておきます」
「でも、一条さんから説明してもらった方が、りんちゃんは喜びそうですけどね」

一条 「いやぁ、いろいろ考えたんだけどね、しおん先生から教えてあげた方が、、りんちゃんも気を遣わなくて済むと思うから、頼むよ」

しおん先生 「じゃあ私からりんちゃんには説明しておきますね」

一条 「すまないね、よろしく頼んだよ」
「じゃあ、これで、アムールのマーケティング戦略会議は終わろう、お疲れさまでした」

しおん先生 「はい、有難うございました、お疲れさまでした」


こうして、アムールのリピート対策マニュアルは完成しました。


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