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【Tips】仕事で円滑にコミュニケーションを図るコツ

コミュニケーションは科目にはない必須スキル

社会人になって10年以上が経つが、コミュニケーションほど学校の授業では教わらないが役に立つものはない。ビジネスマン以前に人としてコミュニケーションは必須のスキルであり、当たり前にできていることとして軽く受け流しがちではあるが、実際に多くの人が悩んでいる。書店に行くとコミュニケーションに関する本がぎっしりと並べられていることもその証左だ。スキルはあれど、コミュニケーションに難があって評価を下げる人も非常に多い。コンサルティングの現場でもそのような人を多く見てきて、もったいないと感じてきた。

私も強い関心を持ってコミュニケーションを学んだ人間の一人で、無駄と思うような他人との摩擦を回避し、もっと仕事をしやすくするために、関連する本を読み漁りながら学んでいった。特に、コンサルタントという仕事柄、自分よりも一回り二回り上の先輩ビジネスマンに対して耳が痛くなるような分析結果や提言をしたり、コンサルタント嫌いで有名な年配経営者の機嫌を損なわないように重要な情報を引き出す場面にも多く遭遇した。そして、多くの実践と失敗を繰り返してきた。そのような学びの中から、役に立ったと思われるTipsを紹介したい。これから紹介することはあまりに普通のことで、目から鱗といった類というものではない。シンプルで当たり前のことながら、効果があったと実践を通じて体感できたものだ。

コツ①:何を話すのかを最初に語る

俗にいう"結論ファースト"である。せっかちな上司やムダを嫌う経営者などは、ダラダラと話されることを嫌う。結論を端的に述べた後、相手の関心や出方に応じる形で、結論を構成する根拠などの詳細を説明することが奨励されている。

これはよく言われることで何を今さらという感じなのだが、実はもう一つ、結論の他に最初に語るべきものがある。それは、 ”枠組み”だ。
「私はこれから何を話して、どんな結論に至るか」の枠組み(骨子、アウトライン、目次)を最初の30秒くらいでダイジェストしておくというものだ。話を聞く側にとって「相手は何が言いたいのだろう」と思いながら耳を傾けるのは非常にストレスが溜まる。せっかちな人は、話をしていても途中で遮って結論を急がせるだろう。しかも、イライラしながら。
そのようなことを防ぐために、「今から話すことは結論に至るまでの前振りである」ということを先に言ってしまえば、安心して聞いてもらえる。特に結論が相手にとって都合の悪いことであったり、大きな変化を伴うものだとより有効だ。結論だけを先に語ってしまうと、その衝撃の大きさのあまり拒絶反応を示される可能性があるからだ。先に枠組みだけ話しておいて、本論で結論に至る中で徐々に温めていくといった感じだ。

コツ②:伝え方にひと手間加える

同じことを伝えた場合でも、言い回しや説明する順番によって全く違う結果になってしまったという経験はないだろうか。人は感情の生き物であり、その時の状況、話す相手との関係性、話す相手の気分によって、受け取り方は大きく左右されてしまう。しかし、ひと手間加えることで、どのような状況でも安定した伝わり方を作ることができる。

これも良く言われることだが、"枕詞をつける"というものだ。
例えば、相手にとって都合の悪いことや手厳しいことを伝えなければならない時には、最初に「自分が間違っているかもしれませんが」などを加えてみる。
例えば、自分の発言に自信がない時には、「ジャストアイデアですが」「単なる思い付きで恐縮ですが」などを加えてみる。
いずれも枕詞をつけることで、マイルドに、そして保険を掛けつつ言いたいことを言ってしまうというものだ。
周りに話を聞いてくれる人や柔和な人という評価の人がいれば、観察して欲しい。ただ優しいのではなく、いい感じに枕詞を付けているというのが分かるはずだ。色々なパターンがあるので考えてみて欲しい。
摩擦を恐れて言いたいことを言わないのはできない人間のすることだ。摩擦を恐れつつも言いたいことをうまく言うために、このテクニックを使いこなそう。そうすれば、「ズバッと言うけど、聞くに値する人間」という評価を得て仕事が進めやすくなるだろう。

コツ③: よりインタラクティブにする

これも分かりやすいコツだが、意外とできている人が少ない。一番簡単なインタラクティブの演出は、相槌を打つことだ。最近はリモートのミーティングも多く開催されるが、対面の時はそうでもないのになぜかリモートでは仏頂面、という人がとても多い。こちらの話す時にしっかりと聞いてもらうためにも、相手の発言中はしっかりと相槌を打って貯金を作っておきたい。

もう一つ重要なのが、自分の発言の最後は質問形式で終わるということだ。相手に振ってから終わるという表現の方が正しいかもしれない。人間は一方的に話をされるだけでストレスが溜まるワガママな生き物だ。しっかり話を聞いてもらったお礼に、「どう思いますか?」など相手のターンであるということをしっかり示してから終わるのだ。そうすると、相手は、長い間我慢していてようやく自分のターンが認められたということでストレスが一気に解放される。言いたいことを言ったが、相手の考えもしっかり聞くというスタンスを示すという意味でも効果がある。あなたの考えに頼っているということが暗に伝わるのだ(本心でそう思っていなくても)

ポイント

今日からできる、仕事を円滑に進める3つのコミュニケーションテクニックは以下の通り。

①結論か枠組みを最初に語ってしまうこと。
②枕詞を置いて、マイルドに保険をかけてから大胆な発言をすること。
③相槌を打ち、発言の最後は聞き手にパスを渡すように終わること。

これらができれば、おそらくコミュニケーションで困ることはない。日々意識して実践する中で、いつか無意識できるようになるだろう。私も20代の頃に色々と失敗を繰り返して学んできた。今では、どのようなタイプの人間とも上手にコミュニケーションを取れると言われる機会が増えた。コミュニケーションに難があって手に負えないスタッフを送り込まれることもある。
仕事のゴールである成果を上げるために、コミュニケーションは絶対に不可欠なツールだ。侮ってはいけない。今日のコミュニケーションから小さな差を生んでいければ、10年後に大きな成果となって返ってくるだろう。

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