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【ポストコンサル】最初の課題:データがない①
最初の決意
コンサルからスタートアップへ転じた最初の月。新天地の空気にも慣れ、一緒に働く仲間の顔ぶれも覚え、基本的な人間関係も構築できつつあった。助走期間は早々に切り上げ、事業成長への貢献という形でバリューを出していかなくてはならない。
最初の誤算
入社前に聞いていた話では、自分に任せらてもらった事業はほぼ放置の状態で、ポテンシャルは無限大にあるという。やればやるだけ伸びる事業であり、やりがいも十分感じられるはずだと。
とは言え、自分を含めて人的なリソースはごくわずか。速やかに事業成長につながるポイントを特定し、スピード感を持って動いていかなければならない。
そのためにコンサルらしく、仮説を立ててデータ分析で実証し、成長施策を検討する。コンサル時代とは違い、相手にするのは小規模の企業だし、ビジネスモデルも非常にシンプル。コンサル時代とは違い、相手にするのは小規模の企業だし、ビジネスモデルも非常にシンプル。すぐに改善ポイントは特定できるだろうと楽観視していた。
入社2日目あたり少しずつ社内にあるデータを触り始めた。
5日目あたりで気づいた。
「欲しいデータがない」と。
社内でもデータに明るそうな人を捕まえて色々聞いてみる。
「こんなデータはないのか。」
「こんな分析は過去にやったことがないのか。」
「ここからこういうロジックであれば、こんなデータが取れるのではないか」
相手は困った顔で答えた。
「それが取れると良いのですけどね。今は取れてないんです。なぜなら・・・」
「取ろうと思って〇〇を仕込んだのですが、何か正しい数字ではなさそうで・・・」
そんなやり取りを経て、現実を認識した。
「分析とか言っている場合ではない。データを作らなければ。」
恵まれていたコンサルティングファーム
振り返ると、コンサル時代は"データがある"という前提で仕事をしていた。
基本的にクライアントから様々な情報は提供されていたし、市場や製品、競合の情報は、オープンな2次情報を収集したり、高額な資料を購入して揃えていた。
仮に情報がなかったとしても、お金を払って調査会社に依頼したり、グループインタビューなどで定性情報を集めることはできた。
若手が店頭に足を運んで目視で情報を取ってくることもできた。(私も若手の頃はよくやったものだ)
ところが、今の会社は違う。
自社にデータはない。あっても使うことを想定されていないゴミとして放置されている。
お金や人が足りないので、コンサル時代にやっていたような補完方法は使えない。
データ分析の前に、まずデータ収集
分析がしたいなら、まず自分でデータを集める必要がある。
さらに、今後も継続して分析するのであれば、データを集め続ける"仕組み"も作らなければならない。
様々なデータ収集・蓄積の技術やサービスがあるが、
いずれも誰かが必要として仕込まなければ使うことができない。
勝手にデータが集まってくれるわけではないのだ。
「よくこれまでやってこれたな。」
と心の中で呟きながら、データを分析する前のデータを集める作業に着手した。
助走期間は早々に切り上げ、事業成長への貢献という形でバリューを出していかなくてはならない。
などといった考えは忘却の空へ消え失せ、華々しいデビューを飾れることもなく地道に数字と向き合う日々が続く。
ポイント
コンサル出身者が事業会社に求められるのは、数字・論理に基づく正しいアウトプットだ。コンサル時代に培った論理的思考力やデータ分析力がそのまま活かせる。
しかしながら、その前提となる"情報"が十分である保証はない。スタートアップであれば、"情報"を作る仕組み作りから始めなければならない。
だからジョイン前に使えるデータの種類や活用例など確認しておこう。
私の場合は、データベースやマーケティングの経験があるので苦労は最小限だったが、最悪の事態に備えて"データの集め方、作り方”を学んでおくとよい。
コンサル時代のようにExcelで加工すれば良いのではなく、そもそも加工すべきExcelが存在しないのである。
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