食品工場経理担当の備忘録 3 実行した事・売上と製品 3.1レシピ付製造工程表を作る
1.基本フォームを作る
この投稿から、”考えた事”から踏み込んで、”実行した事”編に入ります。
最初は売上、売上は当然、製品販売で発生しますので、製品把握の基本である製造工程に関する投稿から、話を進めて行きたいと考えています。
先ずは、前々編”考えた事2.4”で紹介した、工程管理表の作成手順から投稿を始めたいと思います。
原価管理を行うに当たり、外せなかったのが、製品ごとの製造工程を知る事でしたが、有難い事に、食品は単純に下の図の様な捉え方が可能でした。
※ この考え方は、仕入にも当てはまる部分でもあります。
基本フォームはレシピ+時系列の流れによる作業工程の組み合わせ、「食べる部分と包装部分」に二分割し、
① 原材料配合表(レシピ部)
② 調理
など、食べる部分から開始して
③ 調理済み製品の充填包装・殺菌
④ トッピング・箱詰め・梱包
包装から出荷までの流れを、担当者が投入確認や開始~終了までの時間を記入する形式で製品群ごとに作成し、エクセルファイルに保存しました。
2.レシピ部分の作成
レシピ部分は、最初に下の図の様な、レシピ一覧表をエンドレスで検索可能にしたサンプルを印刷、各部門リーダーに説明し、記入してもらいました。
レシピ一覧に記載された、内容を製品単位でコピーすれば、自動的に基本フォームのレシピ部に参照により表示できるように手を加えました。
それを基に、部門ごとに担当者達と確認と修正を繰り返し、仕込みを行った担当者名記載欄を設けて、ひとまず基本フォームとしました。
3.工程部分の作成と基本フォームの完成
工程部分については、先ず、原料投入から調理終了までの部分と、調理後の加工部分の二つに分けて、下の図の様に区別をすれば
製品や仕掛品利用の二次加工製品を製造しても、工程を変えるだけで同様の考え方を適用し易いという、メリットを利用する事にしました。
また、労務費も
① 調理担当=食べる部分の製造担当者
② 包装担当=充填・殺菌・トッピング・梱包・作業担当者
の二つに分けた事で、グループ化はかなり容易になりました。
これらから、管理表の工程名は
① 調理
② 充填
③ 殺菌
④ トッピング・詰合せ・箱詰め
⑤ 梱包
の五段階に設定し、原材料・直接費・間接費・労務費を工程表に当てはめて割振れるようにし、製造数量記載欄を設ける事で、計算も可能にしました。
後に、①を調理、②③を工場、④⑤を装飾と名付け、調理と工場&装飾で部門ごとの別ファイルを作成し、単品当りの原価計算に利用していました。
経理目線を取り入れた、基本フォームの完成により、原価計算に必要な数字の把握が可能になり、費用科目と製品を繋ぐ道筋が見えて来ました。
ここでの分割基準は、仕入・労務費の把握の際も利用でき、作業効率アップに貢献して行く事にもなりました。
最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?