見出し画像

「人のために祈れば健康になれる」は科学的に実証されている!?幸せホルモン、オキシトシンの話【メンタル×健康】


こんにちは!

管理栄養士の板西まいこです。

今回は「人のために祈れば健康になれる」は科学的に実証されている!?ということで、人の感情やホルモンが身体にもたらす作用について紹介します。

愛情や思いやりなど、他者との繋がりの中で分泌されるホルモン、「オキシトシン」から、幸せに生きるヒントを見つけてください。

人類と宗教の関係性のあり方についても、少し触れたいと思います。


幸せホルモン「オキシトシン」とは


オキシトシンとは、9つのアミノ酸から構成されるペプチドホルモンです。

女性の出産に関係するホルモンとして、よく知られていますね。

出産時にオキシトシンが分泌され、陣痛や分娩を促します。また、出産後は赤ちゃんがお母さんの乳を吸うことによって分泌され、母乳が出やすくなる作用があります。


そんな、”母性”と関係しているとされてきた「オキシトシン」ですが、最近の研究では妊産婦以外の女性や男性の脳内にも存在することが分かってきたのです。


近年、世界的に有名な科学雑誌「ネイチャー」でも、オキシトシンについて取り上げられています。

↓オキシトシンと社会的認知との関係性について


他にも関連する論文がいくつか掲載されており、愛情を育てたり、信頼関係を築くのに役立つホルモンだと報告されています。


いじめられたラットの実験


アメリカのウィスコンシン医科大学にてオキシトシンの研究をされていた高橋徳先生は、ラットを使ったある実験を行いました。



①オスのラットを2匹ずつ、別の巣箱で飼育する

②それぞれの巣箱から1匹のラットを取り出し、一方は何もせず、もう一方はストレスを与える

③それぞれの巣箱に戻す


すると、ラットたちはどうなったと思いますか?

なんと、ストレスを与えられたラットが巣箱に戻ると、残っていたラットがかいがいしく世話をし出したのです。


もう一方。ストレスをかけずに戻したラットの巣箱では、お互い特に興味を示しませんでした。

「あ、戻ってきたの~」くらいだったんですかね。笑


その後、それぞれのラットの脳内を調べてみると、ストレスをかけられたあと、相棒に世話をされた(愛された)ラットの脳内ではオキシトシンが多く生産されていました。

そしてさらに興味深いことに、世話をした(愛した)側のラットの脳内でも、オキシトシンが多く生産されていたのです!!

つまり、他人から優しくされたり愛された側だけでなく、優しくしたり愛した側も、幸せホルモンが多く生産されるという事です。


愛されたり、愛したりすることで生産されたオキシトシンは、私たちに幸せな状態をもたらします。しかも、愛するという行為においては、直接、相手の触れなくてもよいのです。つまり、純粋に愛する(好意を抱く・共感する)だけで、オキシトシンが増えるのです。-高橋徳


利己主義の対義の造語として、「利他主義」という考え方がありますが、これは人間のホルモン分泌を、感覚的に理解していたのかもしれません。



オキシトシンがもたらす、身体への影響


他人を思いやる=オキシトシンによって、互いに幸せな気持ちがもたらされることは分かりましたね。

では、具体的な身体への影響はどうでしょうか。

◎抗ストレス作用

ストレスがかかるメカニズムは、私たちが生物として生き残るための行動(闘争や逃走)に必要なものです。

しかし、これは本来一時的なものであり、現代社会における慢性的なストレスの下では、身体を酷使し、悪影響を与えてしまいます。

血圧が上昇したままで、ストレスホルモンが分泌され続け、落ち着きがなくなりキレやすくなる。血糖や胃酸分泌のコントロールがうまく出来なくなります。ストレスで病気になるというは、こういうことです

オキシトシンは、そんなストレスの大本である物質(CRF)の産生を減らすと考えられています。


その他にも、自律神経を整える、鎮痛作用、抗不安作用、抗うつ作用などがあります。


人類にとっての”宗教”という存在

現在の日本では「宗教は怖い、怪しい」といった認識が一般的にあると思います。

私自身、宗教学に深いわけではなく熱心な宗教活動もしたことはありませんが、精神と身体は関連しているので非常に興味のある分野です。


近年の研究により、農耕が始まる以前から宗教文化が存在していた可能性が出てきました。

そんな歴史的背景や、ホルモンの関係性から、宗教的な活動は本来、健康という視点からみてメリットのあるものなのかなと思いました。

家族や恋人、友人のため、世界のためを思い、祈ることで、オキシトシンが分泌され、集団として健康になれる効果があるのでは?

キリストの「汝の隣人を愛せ」という言葉や、仏教の”念仏を唱える”という行為は、他人を思いやる感情を育てるためのものであったならば、オキシトシンの原理は成り立ちます。


私たちは、本来のあり方から少し歪んだ宗教観を持っているのかもしれませんね。


まとめ

他人を思いやり、愛するという行為にこんなにもメリットがあったとは驚きですね。

今日から少し、他人を愛することを意識してみて下さい。相手はもちろん、自分の幸せや健康にもつながります!


これは、私の中のちょっとした心境の変化なのですが、オキシトシンについて知ったことで、話せない生き物にも確実に愛情が伝わっているという確信が持てました。

マウス同士でも伝わり、オキシトシンが発現されるのです。

そう考えると、動物や虫、植物にまで、優しい気持ちで接することができるようになりました。

少し、人生の彩度が上がった気がします!


それでは!


*愛すること以外のオキシトシンの産生方法について知りたい方はこちら↓↓

参考文献:

人のために祈ると超健康になる! 米国医科大教授の革命的理論 [ 高橋 徳 ]

さらに詳しいオキシトシンの効果や研究内容、宗教観についても言及されており、かなり面白い内容です!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Facebook:https://www.facebook.com/ma.no.37266136/

Twitter:https://twitter.com/0101_omochi

私と個人相談できるページ:https://wacial.thebase.in/items/38251546






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?