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本を出したい

20代でしたいこと(※かがみよかがみのエッセイ募集テーマでしたが書きあぐねているうちに締め切りを過ぎました)
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20代もあと数ヶ月。春に始めた古本屋は、なかなかうまくいってはいない。それでも仕入れたZINEが売れたり、本を置いてもらえないかという依頼がきたりもする。
自分の制作も(わたしなりに)励んでいて、九月の文学フリマ大阪では二冊、ZINEと歌集を出した。古本屋じたいは、目下移転の作業中だ。

したいこと。

多くのことを体験する機会を奪われた人生だったけれど、20代のうちに、と限ると難しい。
綺麗になりたい、とか、痩せたい、とか漠然としたことは思うがそれは別にいつでも思う気がする。
いつかZINEを出す、というのはずっといつかやってみたいことのひとつだったけれど、やってみればわりとあっさりできてしまった。

その続きで言えば、本を出す、だろうか。
本を出す、というのはハードルが高い。けれど、自分の体がどうやっても治らないくらい傷んでいる(虐待の後遺症で歯ぎしりと肩こりが酷すぎるのだ)し、別にそのことに対して親から謝罪されたり補償されたりはしていない。
ならば、ならばだ。自分の経験を書いてZINEにしてみたら売れた。もっと書いてと言ってくださる方もいる。ISBNをつけて、出版して、本名でなくていい、真野いずみとして存在した証明を残したい。

もともと本が好きだから、いつか単著を出したいと思っていた。研究の道を進もうと思ったこともあったから、実現性がものすごく低いわけではなかった。
別に大手の取次に配本されなくたっていい。ひとり出版社とかでわたしの文章をもうちょっといい形で売りたいと思う人に出会ってみたい、と思う。(単純に組版ができないとか校正を一人でするのは無理があるとかそういう部分も含めて)。

贅沢な話だ。自分を、一般社会に馴染めない自分を、本を出して特別だと思いたいだけだろうと言われれば否定できない。
でも、そう思わないとやっていられない部分もある。だって普通じゃないんだから、“特別な自分“じゃないと耐えられないのだ。
普通の実家、普通の親、普通の大学、普通の仕送りで普通の就活をして普通の会社に入って、なんてひとつも叶っていない。

本を出したい。したいこと、というよりは夢である。でも言うことに意味があると信じて書く。

誰か、わたしの文章を本にしてくれませんか。

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