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2023年11月の記事一覧
小説(SS) 「戦国時代の片田舎」@毎週ショートショートnote #戦国時代の自動操縦
お題// 戦国時代の自動操縦
有力な武将たちによる合戦とは、無縁だった。
この片田舎には、のんびりと田や畑を耕している百性たちが住むだけで、大きな争いもない。
だが、小領主に仕える新右衛門は、主の居室から放出されている異臭に悩まされていた。主がずっと掃除をしないのである。普通なら女中にやらせればいい話だが、主は人を部屋に入れることをよしとせず、誰かがその一室に近づけば、必要以上の剣幕で
小説(SS) 「おにぎり」@毎週ショートショートnote #ごはん杖
お題// ごはん杖
その老爺は、おにぎりを食っていた。
武士のなりをした男たち十人が、刀に手をかけて取り囲んでいるにもかかわらず、である。
ふっかけたのは、男たちの方だった。道の真ん中で食うな、という一方的な言いがかりだった。
しかし、みなが動けずにいた。斬りかかれないのである。老爺は杖をついたまま、悠々と食い続けているだけだ。だがその所作には、武の熟練を思わせるものがあった。
「
小説(SS) 「出張暗殺サービス」@毎週ショートショートnote #親切な暗殺
お題// 親切な暗殺
そのサービスの見出しを目にしたときは、自分の眼精疲労を疑った。老眼というのもある。しかし、何度よく見ても、やはり書いてある。
〈出張暗殺サービス――特殊な暗殺技術を習得したスタッフが丁寧に対応します! 暗殺された人は、生まれ変わって新たな人生を歩める安心保証付き! 初めての方でもカンタンWEBお申し込み――〉
なんて親切な暗殺なんだ、と思った。
殺した相手を