生まれ変わる青
ゆっくりと深呼吸する。
台風が過ぎようとしている。
分厚い雲の切れ間に、青。
ああ、吸い込まれてしまいそうだ。
なにも落ち込んでいるわけではない。
けれど、目の前に広がる悔しいほどの青空に飛び込む勇気はまだ、ない。
為す術もなく、立ち尽くす。
これが正しい道だったと、ようやく生きる場所を見つけたと、思った矢先にやってくるのはとてつもない孤独。
認められたいだけ?好きならそれだけで良いはずだったのに。
次は大丈夫だと、もう何度繰り返しただろう。
喜びのあとに必ずやってくる苦しみ。
どうやら僕の心には分厚い雲がかかったままのようだ。
酷くぼやけている。
あの空に、あの青に溶け込んでしまいたい。
それでいいと、願ったはずなのに。
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