映画「新聞記者」
何年も前からTwitterで望月記者をフォローしているのですが、彼女原作の映画が公開され、それがとても話題になっていたのでようやく見てきました。
非常に良い映画でした。
単に政権批判というだけの映画ではなく、
「人としてどうなのか」
を徹底的に追求した真剣な映画だったと思います。
政権側が自らを肯定するための台詞としてよく、政治が安定していることが最も大切だ、という言葉があらわれますが、安定とはいったい何のことだろうといつも考えます。
逆らわずにおとなしくしてろ、という意味にしか聞こえません。
表層的な安定が実質支配であればそれは、平和とは無縁の監視国家となります。
映画の最後、内閣府調査室の上司が
「民主主義なんてかたちだけでいい」
と言った言葉が忘れられません。
わたしはテレビに映る権力者の顔が本当に嫌いです。
他人に優越することと己の欲望だけを人生の動機にしている人間が放つグロテスクな顔つきに、嫌悪感でいっぱいになります。
生命にとって大切なことは、安心感だけである。
わたしはそれを、これからの人生の取捨選択におけるすべての基準にしていくつもりです。
当然、選挙もその基準で投票先を決めます。
脅し、恐怖、そういったものが生命を正常に育めることは決してありません。
そしていまさらあらためて言う必要もないことですが、社会とはどのような生命でも尊重され、安心して正常に育まれることが最も重要な目的であるはずです。
あらためてこの映画を作ってくれたすべての方に、そして何年も真実に対して誠実であろうとする望月記者に心から感謝したいと思います。
今月の選挙を前に、ぜひたくさんの人に見てもらいたい映画です。
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