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出版社という推し

推している出版社があります。作者でもシリーズでもなく、出版社。推しているので、もちろん課金し、そしてふと気がついたのです。「出版社」というジャンルって、実はめちゃくちゃ潜在力を秘めているのではないかと。

そもそもわたしは、結構な優柔不断なのです。タンクトップとキャミソールのどちらにするかで20分悩み、日傘を買おうと店を除いてはなんか違うと買わずに早数年。どれか一つを選び、そしてその他を捨てることが本当にしんどい。
で、そんなわたしが「具体的に決まってないけどなんか新しい本買いたーい」となり巨大な本屋に飛び込んだらもう、果てしない旅の始まりです。右往左往、行きつ戻りつ、馴染みの作者から話題作。いやいや新規開拓か…。楽しいんです、この時間。本屋は大好きですし、そういう時にパッと目に入った本を見つけられたときはウッキウキです。

でもやっぱり、見つけられない日もあるわけで。色々と目移りするのも楽しいけれど、読みたい欲は埋められていない…そういう時に推しは大活躍です。

歩き回って疲労した足で向かうは検索機。推しの名を打てばズラリと並ぶ数々の本たち。150という出版社にしては少なく、しかし可能性に満ち溢れたるリストを眺めつつ己の勘を信じキラリと光る候補を出力せり…
これで一気に3.4冊くらいまでは絞れるので、なんと効率のいいことでしょう。

しかも、ジャンル「出版社」の魅力はこれだけに留まりません。推しから供給される本たちは、必ずしもわたしが自覚する好みの分野とは限らないのです。
検索機から抽出した情報を基に棚へ向かえば、片や女性エッセイ、片や元ラグビー選手が書いた身体論。かと思えば能楽に行き、今度は占星術…推しに導かれ、初めての棚に何度出会ったことか。自然には手に取らない本たちに戸惑うことももちろんありますが、そこは推しの力でそのままレジへ。


むろん、推しはやっぱり魅力があるから推しなのです。今まで買った供給物は、主題のカテゴリーは違えどどこかしらの場面でわたしの琴線に触れてくるのです。あぁ、沼ここに在り。

本たちを買うことで推し活動ができ、さらに推しをきっかけに新しい作者や未知の世界を知る。読んで手に入れた知識や考え方は実生活にも活かされ、以前も書いた「共通言語と教養」になる…。
https://note.com/manmaaiuto/n/ncbb989d6c544

こんなに受け取るものが多くていいのでしょうか。推しの力、偉大すぎでは?

極めつけに、この出版社というジャンルは漫画や絵本、小説に写真集と好みの幅はとんでもなく広いのです。これを可能性といって言わずになんとする。


さらなる沼に自ら飛び込むべく、マガジンサポーターという名のファンクラブを検討する休日です。


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