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あったかい麦茶

最近新しく知ったこと。
「あったかい麦茶はおいしい」

あったかい麦茶があるってことは知っていました。いつかの冬に三鷹の森ジブリ美術館に行ったとき、大鍋で煮た麦茶(うろ覚え)の温かいを書いましたから。

でもそれは、ジブリ美術館の中だけの特別仕様というか、非日常だったんですよね。
わたしの家では、麦茶は夏に冷えたものを飲む文化しかありませんでしたから。
だから、その後もあったかい麦茶は生活の中に入ってくることもなく、夏は冷たい麦茶、冬はあったかい煎茶とほうじ茶で過ごしてきました。

ところが突然、あったかい麦茶はわたしの日常にしれっと入ってきました。

冬の朝、家の人の誰よりも早く起きたわたしら、襖で仕切った先でまだ寝ている母を起こさないよう、できるだけ静かに台所へ向かいました。起き抜けに水を飲むのが習慣なのですが、その日はちょうど、買っておいた水がなくなっていたのだと思います。
さてどうしよう。牛乳はあるけれど、その気分でもない。湯を沸かして紅茶もめんどくさい。さらに言うならキーンと冷えた飲み物はちょっと勘弁願いたい。
と、麦茶に視線が止まり、気がついた時には湯飲みに入れた麦茶を電子レンジに入れていました。
麦茶ってどのくらいあっためればいいのかわからず、牛乳と同じ設定になるよう、ツマミを回します。

で、飲む。

麦茶ってこんな風味よかったっけ????

朝の台所で、起き抜けのわたし。オレンジジュースみたいに無理やり覚醒するでもなく、牛乳みたいに朝の乾いた舌にベタッと残るわけでもありませんでした。自然に、起き抜けのわたし、から、朝のわたし、に身体が移行するカンジ。

これは、良い。
毎日というわけではないですが、週に何度か、あったかい麦茶をふとしたタイミングで飲むようになりました。
朝起きた、もうハミガキして寝るだけ、微妙に暇、本を読む、テレビを観る…

特別でも、いつものでもないポジョンにいる、あったかい麦茶。


これも一服。

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