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手放す勇気と怒りの力が鬱々とした雲を払い僕は新たな山々をみる

僕が久しぶりに地団太を踏むと
隣で寝ていた欲望が目を覚ます

沈着冷静を装った青白い顔が真っ赤に色づく力となって 流した涙の熱量が僕が産んだ冷たい卵を温める そこで生まれた風力が
鬱蒼とした雲を払う

両手がふさがることに地団太を踏むと
手放す力が湧いてきて持ってた荷物を軽くする

負荷がなくなり孵化した僕は立ち往生したベースキャンプを後にする

この山を下り この川を下り 金木犀が香る青空を見上げた

手が空いたので収穫(かいしゅう)ができる

手が空いたので翼を持つことができる 

振り返るとこの世界にはいくつもの山が連なっていることに気づく

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