見出し画像

薄氷を上を歩くうちに口が固まる

晴れた日はリプトンのティーパックを干して
最低3回は使った
大衆食堂があった頃
毎日端から順番に頼み
割り箸を一本ずつ失敬してたら
ある日小鉢と箸の束が
カウンターに添えられるようになった
薄氷を踏む生活で
足元ばかり見ていたせいか
貧困は性だと思っていた
失われた30年
所得が上がらないなんて
世界的に見ておかしいとは知らなかった
薄氷を上に慣れてしまうと
口元が凍えてしまって
声のあげ方が分からなくなってしまった
闘い方を忘れてしまった



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?