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月と六文銭・第十四章(26)

 田口たぐち静香しずかの話は続いていた。厚労省での新薬承認を巡る不思議な事件の話に武田は引き込まれ、その先の展開に興味を示していた。
 ターゲット=ネイサン・ウェインスタインの秘密を暴くべく、部屋に招き入れた高島たかしまみやこだった。ウェインスタインの暴発を含め、狙い通りの展開となっているものの、慎重に次の動きに移った。

~ファラデーの揺り籠~(26)

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 ネイサン・ウェインスタインは一度射精をしていたので、すぐには回復しないため、時間稼ぎをしていたとも言えた。
 今、自分とベッドにいて、喘いでいる日本女性は、地方から東京にビジネスで来ている既婚者で夫とはしばらくセックスをしていないらしい。今回自分と浮気をしているのは、アバンチュールであって、肉体的快楽を得たいからだった。
 昨日はドライブに行って、途中反応を試したが、普通の反応だった。セックスレスは本当なのだろう、ちょっと念じただけですぐにオーガズムに達した。
 ただ、他の女性と違い、回復が早く、すぐに冷静さを取り戻していた。他の女性は快感に酔い、その後ぐったりして、セックスする気にもならなかったが、この女性は逆に淡白なのかもしれない、とネイサンは思った。
 そして、今夜はまたバーに来て、オイダンとも話をしたし、ドライブを断って部屋に来て、今ベッドで喘いでいる。今まで会った女性と少し違うが、ざっと見た感じ、少しストレスの溜まった普通のビジネスウーマンだ。
「ん、どうしたの?」
 しまった、いろいろ考えていたら、指の動きが止まっていたのだろうとウェインスタインは焦った。
「ねぇ、ミヤコ、セックスレスなのはどれくらい?」
「え、どうして?」
「ミヤコみたいな真面目な女性が浮気するのがちょっと不思議だから」
 ウェインスタインの中指が膣の上側、Gスポットの辺りを的確に刺激していて、ミヤコはうっとりしているのとイきそうなのを我慢しているのとで、口は半開き、目も視線が泳いでいた。ネイサンの腕を掴む手に力が入り続けている状態だ。
「はぁ、気持ちいい!久しぶりだから、いいわ」
「どれくらい、久しぶりなの?」
「うぅん、一年、以上。去年の私の誕生日の前からしてないの」
「そうか」
 だからと言って、することが変わるわけではないが、ウェインスタインは左手で包んでいるミヤコの右胸にも、右手の中指が侵入している膣にも神経を集中した。

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 ウェインスタインは都に聞こえるか聞こえないほどの声で、彼女に話しかけて、指で触れていると思われるGスポットのある辺りに神経を集中した。
「ミヤコ、君は素敵な女性だ。セックスレスで苦しむことはないよ。僕が気を集中して、気持ち良くしてあげるよ」
 ウェインスタインは見下ろしていた白い裸体に精神を集中し、気を送り込んだ。
 都の体は徐々に温まり、脈拍が少し早まり、膣がキューと締まり始めた。元々結構きついなと思っていた膣が指を締め付け、彼女の快感はそれに比例して高まっていくように見えた。
「ねぇ、ネイサン、気持ちいいよ!ねぇ、私のアソコ、熱いわ」
「気持ちが良いかい?」
「うん、気持ちいいよ。でも、そろそろ、入れて」

 都は、ウェインスタインが自分の体に彼の特殊な力を注ぎ始めたら、急に快感が高まったことを自覚していた。これまでのことを総合すると、電気エネルギーではないようだ。電気なら痺れるとかショックを受けるなど起こるはずだが、それはなかった。飲み物、食べ物に何かを入れたことはないと確信している。
「私、あなたが欲しい」

「分かった」
 そうウェインスタインは言って、ベッドサイトテーブルからコンドームの入った袋を取り、口で袋を破った。外側と内側を確認して、慎重に装着した。硬度は復活していた。彼女はかなり感度が高まっていて、抱かれたがっている。濡れも十分。
 都の脚を持ち上げ、膣の入り口が見える状態にした。
「ミヤコ、入れるよ」
「うん、来て!」
 ウェインスタインは自分のペニスの角度を手で調整し、都の入り口に当てた。やはり入り口は狭いが、亀頭が通過したら、ゆっくりと進むことができた。

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