一生懸命やっているのに超えられない
私は元来負けず嫌いの性格である。
小さい頃は兄を敵視し、成長する過程で友達もライバル視してきた。
その強いエネルギーは時に友人との摩擦を生み、時に先輩からは気に入られたりした。
だけど高校に入るなり、どうにもならない貧富の差があることを知り、大学に入ったら容姿の差やキャパの違いなども実感して、徐々に戦意喪失してきたという歴史がある。
さて今はどうかというと、
ライバル心を引き出しにしまうように、出したりしまったりができるようになってきた。普段はしまっておいて穏やかに過ごすのだけど、時々出して(思い出して)バーンアウトを回避するのに使わせてもらってる。
やっぱり私のエネルギー源は、ライバル心であることは変わらないのだ。
そんな中、同じクラスを担当している後輩の教師からある生徒の態度について報告を受ける機会があった。
はじめは二人で話している際、その学生について褒めていて「ただこういう困った面はちょっとあるよね」という話で盛り上がり、その折、「・・・ん?」という行動が話に上がったのである。
私は、そんな現場見たことないぞ??というような事柄だったのである。
注意しなければいけないような悪い態度だ。
そんな態度とってるの???
その後も話を聞いて、なんとなくわかってきたのは
その学生は大なり小なり先生に不満を持っているということ。
不満というか、たぶん、授業で扱う文法の説明がわかりにくい、とかそういうテクニカルな問題なんだろうな、という感じ。
たぶん先生本人も問題点には気づいているから、指摘するようなことは私はしないでおこうと思う。
なんとなくわかるのである。彼女の考えていることが。
新人のとき、先輩と組むのって辛いよね・・・(でもそうするしかない)
思い返してみると、私もそういった立場に置かれたことが何度かある。
先輩は授業準備もしてなさそうなのに、勝手に学生たちから尊敬されうまくいく。後輩の私への態度は悪く「つまらない、わからない」の大合唱。
私は先輩先生たちに追いつきたい、もっと言えば私の方が頑張っているのだから超えたい、そう思うようになった。
それでがむしゃらに頑張った時期、ありましたありました。
でも何度トライしても、一度下ってしまった評価は覆せない。
先輩たちはどんなでも許されるのにな・・・・悔しい!!!!
という思いで何度も泣きました。
先輩たちが優しいおかげでなんとか自分を保てていたけれど、精神的にきついときでした。
だけど今思うと、結局そういう時期に色々学ぶんだよね。
文法の知識とか授業のやり方だけじゃなくて、生徒のあしらい方とか、距離の保ち方も。
努力で超えられないのは、結局は年数の差でもあり
ちょっとした間の使い方とか、こなれ感とか余裕だけだったりするのだから、私は今ある問題は後輩先生のせいじゃないことをよくわかっています。
テクニカルな努力は必要だけど、それで埋まらないものも大きい。
学生は日本の価値観と違うところから来た人たちだから、容赦ないんですよね。お金を掛けてきているのだから当然それはあるのだろう。
でも、それはあくまでテクニカルなところだけ。
あなたが気に入らないとか、嫌いとかじゃないよって
伝わるといいな。
そこで嫌になってしまわないといいな、と思います。
私にできるのは、学生へのフォローをそうとは見えないようにすることだけ!きっと後輩先生にも伝わる機会があるはず。
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