「ボーはおそれている」困惑の淡黄

少し前に見てきました。
予告を見ても世界観わかんなかったけど、本編ちゃんと見て
ちゃんとわかんなかったから皆も安心してほしい。笑

でもなんか、不思議映像体験というか。
美術館ぐるっと3時間見て回ったような感覚にはなった。
アリ・アスター監督とA24は「ミッドサマー」で初めまして
だったんだけど、それがあまりにも衝撃的すぎて
それから新作楽しみにしてました。実は。

これを読んで、理解ができるわけじゃないけど
気になる人は見てからみてね。

日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。

映画.com


冒頭から、赤子の鳴き声だけが微かに聞こえて、水の中のようなところから
出ようとしてる映像から始まる。少し経つとこれが産道だとわかって
子供を落としたんじゃないか、と、医者に叫ぶ母親の声が聞こえる。
最初から不安に駆られるような始まりで、この辺からソワソワしてくる。

場面変わって、カウンセリングしてる映像になるんですけど
そこから、ボーがどれだけ日々不安と恐怖かられながら
生きているのかを伝えられて、そんなに不安なら新しい薬を、と
カウンセラーから渡された薬。

「必ず水と飲むんだよ。」

この一言から、全てが始まっていく、っていう感じだったな。

街を歩いてるところから、もうカオスというか。
色んなところで色んなことが起こって、どこを見ればいいか
迷子になっちゃったな、目が。
始まってから常に緊張感と隣り合わせというか、こうなったら
どうしようと思うことが次々に起きて、心の中がずっと
ソワソワしてる状態でなんとも言えない心境でした。

帰り着くと、母からの電話。
母に会いに帰るはずだったが、誰かから部屋の鍵を盗まれてしまい
家を離れるには慣れられなくなってしまう。
直前のお母さんからの電話の時のトーンと、ボーが
帰れなくなったんだ、と伝えた後のお母さんのトーンが
違って、また不安になってくる。
お母さんの機嫌を損ねてしまった、お母さんにとって僕は
どうすれば正解なのか、と悩んでしまう。
嫌われてしまったらどうしよう、と考えれば考えるほど
答えがわからず悩んでいく様子はこっちも不安にさせられた…



その後また母親に電話すると、配達員が電話に出て
自分の母親が怪死したことを知るわけです。

そこから、ボーの家に帰る旅が始まるんですね。

多分3時間の映画の中で、ここらへんまでが冒頭なんだけど
色んなことありすぎて訳がわからないけど、なんか目が離せない。
そんな映像がずっと続いていく。

家に帰ろうと試行錯誤する中で、ボーは車に轢かれて
気絶するんですが、次に目覚めるとボーを轢いた医者家族の家だった。

この家の場面、本当にずっと不快で。
親切のはずなんだけど、誰もボーの言葉を聞こうとしない。
ボーのためを思っているように聞こえて、全てはボーを
動かすための言葉に過ぎなくて。

ここからまた色んな情報詰め込まれて、ボーの妄想なのか
それともこれは現実で起きている物語なのか。
今どおいう状況にボーがいるのか、ぐるぐる回る洗濯機みたいな
流れの中で、なんとかボーは家にたどり着く訳です。


そこから始まるすべての謎解き。

実は亡くなったのは、メイドでお母さんは自分が亡くなったと
知ったボーが会いにくるのか観察していて、それ以前に
ボーの生活全てを監視していた、というものでした。

所々で、おや?と思う場面はたくさんありましたが
家に近づくにつれて確信に変わっていっていく様子が
恐怖が迫ってきているようで面白い。
お母さんはボーに、ずっとありったけの愛情を注いで
きたけれど、それはボーにとって不安で怖いもの
でしかなかったのかと思うと、親子の愛情って難しい。

訳がわからなくなって逃げ出すボー。
ボートに乗って、無心で海に漕ぎ出すボー。
突然現れる洞窟、その先に広がるドーム型の広場。
そして始まる裁判。

正直私も何を言ってるかわからないけど、本当に
後半怒涛の展開スピードの中でこの流れ。
なんかちょっと笑っちゃって。笑
待って待って、どゆことだ?と思って。笑

最終的に死刑言い渡されてるしね。

お互いがお互いに、複雑感情を抱いて
行き着く場所があそこなのか。

エンドロール放心状態の私だけが取り残されてた感はある。


すごい不思議なんだけど、見てる途中も見た後も
何を見たのか、何を見せられたのかわからないのに
数日経って考えると、なんかもう1回見たくなっちゃうんだよね。
不安な状態に自分を置いてみて、映画が終わった後の
安心感を味わいたい気持ちが、少なからずあると思うと
なんかちょっと笑えてくる。


人にオススメはあんまできないけど、美術館3時間
みて回るぐらいの感覚で行ってみてほしいかも!

一応、ボーは恐れている、の公式サイトに
見た人限定の解説は上がっているので、よろしければ
そちら見て深めてくださいな…


次はなーにみよっかな!

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