○○クリニック〜!

友人Yの叫び声で目を覚ます。






家の整理整頓をしていると、このDVD4つを返却してくださいというレンタルショップからのハガキを発見した。借りたのは2年前の日付になっている。やばすぎる。いくらになるんだ?テンパって計算した。1枚あたり1500円くらいだった。ありえない額だが、安心した。

いつ返しに行こうかと考えていると、皮膚科の○○クリニックに行くよ!と義理母に言われ慌てて準備を始める。大勢の親戚が帰る頃で、みんなと一緒に外出しないといけない雰囲気だった。そんな慌ただしい雰囲気だったにも関わらず、出かけるためのズボン選びやアウター選びに時間がかかってしまった。何時で皮膚科予約しますか?と義理母に私の姉が問う。7:30で、といい、姉が走って予約の電話をしに行く。時計は7:20だった。

支度を済ませ、出かけようとすると診察券がなかった。また走って戻る。

今度こそ靴を履いて外に出ると親戚のおばはん同士が殴り合いをしていた。その様子を流し見ながら、自分が乗るはずの車を探した。

義理母を見つけ、準備が遅くなり本当にすみません、と謝る。全く気にしていないようだった、おおらかで優しい。義理母は車の後部座席にすでに座っており、運転席をみると明らかに義理母よりも年配のおじいさんが座っていた。助手席に乗ってくださいと好意的な感じで言われた。光栄です〜と笑顔を作りながら、事故があったら即死かなと思いながら座る。

出発すると、車はジェットコースターのようなスピードで道を横切った。内臓が浮いた。

○○クリニックに着くまでに何度も他の車が我々に対して急ブレーキを踏んだ。我々の車に出会した運転手はみんな怯えた顔をしていた。

7:30に○○クリニック周辺には着いた。ただ連休中とあって道路に人がごった返していた。これ以上車では進めないとみて途中でおろしてもらった。

私は、友人Yとそのクリニックへ向かう。(突然義理母からYに変わる)

小さなゴールデンレトリバー3匹を連れた家族とすれ違う。3匹のうち1匹が緑のグッチのニットを着させられていた。犬にグッチ!という驚きの目線で見ると、可愛いでしょ犬、という目で挨拶を返された。

すれ違う瞬間、履いているスカートに違和感が生じた。下を見てみると、1匹のゴールデンレトリバーが私のスカートを下に引っ張っていた。元々古着屋で買った500円のスカートだと言えども噛まれて破けては困る。

あ、ちょっとやめてねーと、優しくワンコに注意する。飼い主もあーダメだよ〜と注意とまでは言えない諭し方をした。噛まれること3度目、ついにスカートが破れた。最悪だ。飼い主はそそくさと歩いて人混みへと紛れてしまう。

その飼い主家族の後ろにいた、友人集団に声をかける。破れた経緯を説明すると1人のオカリナみたいな双子にタメ口で反論された。私よりも10以上年下の小娘が!私も本気になって反論した。だったらテメーのスカート破ってやろうか!オカリナの着ている黄色のレトロなワンピースを下に強く引っ張った。我々の騒動に気付き、先程の家族が戻ってくる。同じようにスカートが破れた経緯を説明し、今から病院で時間がない旨を伝え、では後日お金支払いますと言ってもらえ、すんなり連絡先を交換した。連絡先を紫外線で送り合ったのだが(古い).私の送った情報があまりに古く、10年以上も前に住んでいたアパートや、ギャル文字のような文面もありかなり恥ずかしかった。送られてしまったその情報をなんとか消そうと試みていると、友人Yに時間を急かされたので、まぁそのままでいいや!とあきらめて○○クリニックへ向かうことにした。

時刻は8時になっていた。

やばい!急げ!

走って○○クリニックがあるはずの場所は向かうが、野原しかない。おかしい

グーグルマップを開いて検索してみよう

しかし私のiPhoneでグーグルマップのアイコンを探すが見つからない。さっき連絡先を交換し合ってからiPhoneが明らかにおかしくなった。役に立たない。

友人Yに、グーグルマップ開ける?と聞くと、そんなもの、いいんだよ、いらない、叫んだら見つかるんだよ!とメルヘンな回答をされる。友人は叫び続けた。

『○○クリニック〜〜!!!!』

彼女の声が野原に響き渡った


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