見出し画像

出版その後

人生最初(で最後?)の本を出版し、その後どうなっていったかの備忘録

出版までのあれこれ

今回私がとっても恵まれていたのは、本当にこの本を出したい、と一緒に思ってくれる編集者さんと組めたこと。そもそもこの本を書くことになったきっかけ自体が、何かの記事で私を見つけてくれたご自身もワーキングマザーである編集者さんが何か本を出しませんか?と声をかけてくれたことに発端している。
二人で何の本にしようか?とあれやこれや考える中で、私がトレーナーとして教えてなおかつ自分でも実行してきたコーポレートアスリートの考え方、「時間ではなくエネルギーを管理しよう」、について書こう!となり、盛り上がる。
ところがいざ出版、となったときに、当時の上司に相談したら、「本を出すなら独立するときに」というもっともなアドバイスをもらい、会社として副業も認められていなかったので、だめになった。労力だけ使わせてしまった編集者さんには本当に申し訳ないことになってしまった。。

それから10年たって時間に余裕ができ、進路もオープンだった時に恐る恐る「あの本出せますか?」と聞いたら、二つ返事でOKをいただき、そこから書き直し、タイトル出しブレインストーミングなどの作業がスタート。

興味深かったのは、装丁作業。
tobufune
という、なんとあのベストセラー『ファクトフルネス』の装丁もてがけたデザイン事務所に依頼をしてくださり、ビジネス書らしい、内容にあったイケイケっぽいデザインが上がってきた。ああ、本当に本になるんだなあ、と感慨深かった。

刷り上がるまで

中に書かせていただいた方、本を読んで勧めてくれそうな方をピックアップして献本。いよいよ刷り上がるまでに、この時代、すでにAmazonにブックページが登場していて、献本送らせてください、とお願いメールしたら、「アマゾンで予約しました!」とお返事いただき、アマゾンに上がっていることを知った。
せっかくなので、自分のSNSを使ってできるところまで認知を上げてみようといろいろ勉強とトライ。noteも note始めました 走って働いて家事して読んで書く!|のがみまり ricoko|noteに書かせていただいたように、本がきっかけでスタート。
いよいよ本屋さんに並ぶ、というタイミングでfacebook, twitter, LinkedIn, mixiに上げたら、もっとも交友関係の広かったfacebookで反応してもらえたのはともかくとして、驚くほどLinkedInで反応が来た!さすがビジネスSNSのLinkedIn.  日本での登録者は対象の2割くらいらしいがシンガポールではほぼ100%らしい。リクルーティングに使われるのも納得。

出版直後 編集者さんとPR活動

できるだけ多くの方に読んでもらいたいから、と、編集者さんが今までのご自分の経験からいろいろなアイデアを出してくださった。

1.八重洲ブックセンターで出版記念サイン会 ブックセンター、上階にイベントスペースもあり、40人くらい入れて、定期的に出版記念をやっているらしい。こちらもfacebookと、後前職が八重洲に近かったので、知り合いに声かけたら、33人の方が、しかも新旧問わずあちこちから、ものすごく久しぶりにお会いする方も含めて集まってくださった!本当にありがたかった。

2. 編集者さんの以前出したベストセラー著者さんの定期的コーナーで紹介 松村亜里さんというポジティブ心理学者さんがライブセッションを自分の会員の人たち向けに持っているのに出演させていただき、ちょうど以前亜里さんが「エネルギーマネージメント」について取り上げておられた、というところから対談をさせていただいた。

3. 3回X1.5時間のワークショップ 2でこのワークショップを紹介していただいたら、瞬く間に20人の参加者枠が埋まったという2のすごさ。。そもそも本がトレーニングを題材にしているので、トレーニングノウハウを含めてワークショップ形式で深くやりたい、という私自身の思いもあり、2の対象者の方が結構海外在住だったということもあって夜の20時から90分の講座を3回シリーズで、およびもう一回動画受講の方も含めて振り返りセッションをさせていただいた。トレーニングをやっていた時にも思っていたことだけれど、実践方法のノウハウはこうやっていろいろな方の事例を実際にやり取りしながらできていくので、久しぶりにこのセッションはとっても楽しかった!

広がる講演の場


4.  LifehackerのBook Lab Talkに読んでいただき、さらにそれが記事になる。こちらは知人の紹介で参加。編集長遠藤さんの巧みなモデレーションでとっても気持ちよく話せた。しかもその次の週が友人の本の紹介だったので、そちらにも参加。楽しかった!

5.Studyhackerの取材を受けて記事にしてもらう。こちらはプロのライターさんが3回コースで書いてくださった。文字起こしから記事まで、さすがの内容で、一切インプットなく記事に。やっぱりプロはすごい。タイトルは編集部がつけられるのだそうだ。
1.時間ばかり管理しても限界がある。真のパフォーマンス発揮には「4つのエネルギー」管理が不可欠だ  これはまさに本のキーメッセージ。時間管理からエネルギー管理へのパラダイムシフトでアウトプットを持続的に増やす、という発想。
2. 「メール対応で働いた気になるな」P&G元CEOの言葉にハッとした人が磨くべき3つのスキル これ、もちろん実話で、元NEAのGMだったボブ・マクドナルドがCEOになったときに言った言葉。本当にその通り、と深く共感したので良く戒めに思い出す。
3. 30項目から探る「自分の価値観」が最高の成果につながる。“なんとなく” では仕事はデキない  これは、エネルギーの中でも最も上位の精神のエネルギーをどう仕事、家庭、行動改革に使っていくかという話。 普段の生活からは最も大切なのに、最も抜け落ちるところ。

6.記事になっていたのを発見したのはDIME。こちらはフリーライターさんが書いてくださったよう。

7.後輩が、「会議でムカついてたどり着いたら野上さんの本でした!」と言ってくれたのがこちらのForbesの記事。このライターさんはLifehackerかな?何かの講演に来てくださって書いてくださったよう。

8.会社内講演1EC大手A社
ここで売ってるよ!と盛り上がったのがこちらでの講演。本を見つけてくださった私の元同僚(P時代)が誘ってくださって、Diversity活用のランチオンライン講演で呼んでいただいた。質問もたくさん出た。ありがたい。

9.会社内講演2元親会社T
こちらも、そもそも関連会社にいたのと、人事の方の関係で呼んでいただき、キャリアの話をさせていただいた。若手の男女のご質問をたくさんいただき、自律したキャリアへの意識の高さに改めて感動。

10.会社内講演3先輩が勤めておられるR社
今はうちの猫ちゃんがお世話になっている素晴らしいペットフードの会社。本の中でも引用させていただいている、私が最も影響を受けた上司の方が社長をされている会社。獣医さんの社員で女性の方も多いということで呼んでいただいた。

11."Board to Road" 女性役員への道トレーニングコースパネルディスカッション。こちらは完全に本からではないのだけれど、本の紹介も含めて取締役、ボードメンバーへの道の中でどんなことに気を付けたらよいか、という話を他の女性役員の方お二人とお話しさせていただいた。尊敬する吉田春乃さんの遺志をつなぐ方々の主催だったので、感慨深かった。

そもそももちろん本を出したい、というのもきっかけだったけれど、自分のそれこそ精神のエネルギーにつながる人生の目的の中に、女性支援、日本人のキャリア支援というのもあって、自分が散々お世話になった上司や先輩方のご恩を少しでも後輩に返したい、というのも大きなモーチベーションなので、お話しさせていただく機会をいただき時間の許す限り対応させていただいている。

その一方で、偉そうなことを言いながら、自分の実務でどのくらい実行できているんだ?と話すたびに思うので、うまくそれが自分への戒めとしても機能してほしい、という気持ちもある。

いわゆるHow toものって、わかっちゃいるけど続かない、というのが一番の問題でもあり、この本の元ネタであるコーポレートアスリート©だって、読んだ後輩が「トレーニング受けたの思い出しました」と言ってくれたほど、そういえば受けたな、という人たちはたくさんいる。その中で私の唯一の特徴は、トレーナーまでやってさらに内容を噛み締めたことと、何度もトレーニングを繰り返すことで実直に何度も実体験を踏んできたことだと思う。

今だって初心に帰ってああ、もう一回一からやろう、と思うことがよくある。行動改善、習慣作り。いつだって最初が一番しんどい。だから、よっぽど自分が追い詰められていなければできないし、逆に言うと追い詰められて行き場がないときにはつい煮詰まってしまいがちだけれど、そういうときこそがチャンスなんだと思う。そう思うと自分にとっても本を書いたことは、それ自体が何かのAccomplishmentではなく、ここからの出発なんだとその後起こったことを振り返って改めて思った。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?