『シング・ストリート』が人生で最も好きな映画である理由

「一番好きな映画は?と聞かれても何と答えればいいかわからない」というのはよく聞く悩みですが、自分の中では答えが決まっています。
『シング・ストリート』です。

好きな映画を聞かれた際に、大事だと思うポイントが2つあります。
一つは人に勧められるくらい、普遍的に面白い作品であること。
次に、その映画が自分にとって特別な意味を持っていること。

一つめの条件だけなら、『ホット・ファズ』や『グランド・ブダペスト・ホテル』も当てはまるのですが、
自分の人生とその作品との出会いに意味があるのは、間違いなく『シング・ストリート』です。

これは特に根拠のない持論ですが、人間の性格を構成するのは、生まれ持った特性プラスだいたい10歳までに過ごした環境だと思います。

親がどんな人か、兄弟のいる/いない、育った国や都市が違えば、今とは異なる自分に育っていたことでしょう。

そして、自分の人生でいうと、小・中とカトリック系の学校に行っていたことが、人格形成に多大な影響を及ぼしていると思うのです。

カトリックの教えなのか、歴史ある私立校だったからなのか、とにかく母校では「疑わずに信じること」「慎ましくあること」が重視されていました。
言い方で分かると思いますが、この校風がめちゃくちゃ嫌いだった。

そこへきて、『シング・ストリート』ですよ。

理不尽な校則ばかりのカトリック系高校に転入した主人公が、気になる女の子の関心を引きたくて、寄せ集めのバンドを始める。
そんないい加減な理由で始まったはずのバンドが、だんだん彼らを鬱屈した現状から解き放っていく。
主人公はもしかしたら“本物”になれるかもしれない。
そんな予兆を感じさせる終わり方。

サントラが最高なので聞いてほしいのですが、最後のライブシーンは、自分の母校への感情ごと蹴っ飛ばしてもらえた気分になれて爽快でした。

きっと残りの人生でターニングポイントとなる瞬間に、何度も見返すんだろうな。


蛇足
6月中は2日に1本noteを書こうと決めていましたが、案外大変だと気づきました。
無理やり絞り出して書くのも、面白い試みになるかもしれないので、とりあえず今日はこんなところで。

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