ビビリな保護犬に懐かれたい #5
ソファの陰からひょっこりわんこ。
遊んでほしそうな目でこちらを見ているのは、このお話の主人公こうた。
約半年前に保護施設からうち(の実家)に引き取られ、最初の数ヶ月はリビングの片隅で震えてうずくまっている姿しか見られませんでしたが、今では部屋を縦横無尽に駆け回っています。
人にも慣れてきて(父を除く)、わたしとも追いかけっこをして遊んだり、戯れて飛びついてきたりするようになりました。
なんだ、じゃあ”ビビリな保護犬に懐かれたい”は目標達成じゃないか、と思われた方。
甘い!
わたしの最終目標はあくまで『こうたと二人で散歩に行く』。
これにはまだまだ高いハードルが残っているのです。
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相変わらず外が怖い
そう、こうたは外に出るのが怖いんです。
そのビビリ方は異様なほど。過去に何か恐ろしい目にでもあったのかもしれません。
庭に出そうものなら、大好きな母が側に付いていても震えが止まらず、テコでも動こうとしません。これではリードをつけて散歩に行くのはまだ遠い話になりそうです。
そうは言っても、こうたもそろそろ1才。いつまでもこのままというわけにはいきません。心を鬼にして、少しずつ慣れてもらうしかありません。
お手は得意
ビビリでトイレもまだトレーニング中のこうたですが、一つだけ得意なことがあります。それが「お手」。
おやつがなくても条件反射的にするようになりました。
可愛くてつい何度もやってしまうんですよね。
そんなこうたとわたしが必ずする遊びがあります。(遊びと思っているのはわたしだけかもしれませんが…)
こうたの手の表面をこしょこしょすると、こうたが手をわたしの手の上に載せて押さえ込む。わたしが手を引き抜いてまたこうたの手の上に載せる。こうたがその手を押さえこむ……これをエンドレスでやり続けています。
小さい頃によくやった、重ね手叩きゲームみたいなものです。
こんなスキンシップが取れるようになったのも、割と最近のことです。
まだまだ子供
我が家に迎え入れた時から比べると、びっくりするほど体が大きくなったこうた。当初は尖った耳からシェパードの血が入ってるかも、なんて言われていましたが、最近はなんだかタヌキに似てきた気が…。
大きくなったとはいえ、まだまだ子供。
これから長い犬生が待っています。
今は人に慣れることを最優先にしているので、戯れて飛びつくのもある程度は容認していますが、躾もきちんとしていかないといけません。人と寄り添って生きていくには、こうたに教えることはまだまだあります。
すべての犬が散歩を好きなわけではないかもしれないけど、この子は運動自体が嫌いなわけではないし、外への興味もあるみたいだから、一度その楽しさを知れば散歩大好きな犬になるんじゃないかと思っています。
楽しいことはまだまだたくさんあるということを知ってほしい。
そして、少しでも多くそれを共有したい。
そんな想いが溶け出す、優しい春の夜からお届けしました。
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