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殿さまの日

かなり昔に読んだ本。再読。
数年前の書物の整理時に電子書籍化したものをipadへ。

殿さまの日 星新一


星新一といえば、SF小説のイメージなのだが・・・
これは何と時代小説!

時は江戸、定められた階級の中で生きた殿さまから庶民までの、命をかけた生活の知恵の数々。
具体的な藩の名前は出てこず、登場人物も実在のものかどうかはわからない。
もちろんショートストーリー。
ハッピーエンド、バッドエンド、何となくエンド、最後の最後までオチが読めない。
登場人物は少なく、覚えやすい。
話の展開のテンポもよく、サクサクと読めてしまう。面白い。
星新一、時代小説でもすごいなと。


以下、ネタバレになるかもしれないが、各ストーリーについてゆるく要約。

1.殿さまの日
  雲煙過眼

2.ねずみ小僧次郎吉
  承認欲求

3.江戸から来た男
  疑心暗鬼

4.薬草の栽培法
  絶体絶命

5.元禄お犬さわぎ
  衆力功をなす

6.ああ吉良家の忠臣
  うやむや

7.かたきの首
  コストパフォーマンス大事

8.厄よけ吉兵衛
  占い大事

9.島からの三人
  知らぬが仏

10.道中すごろく
  八方ふさがり

11.藩医三代記
  理に勝って非に落ちる

12.紙の城
  芸は身を助ける


どのストーリーも面白かった。
成功者たちは、実力があったというより、“ひずみ”をうまく利用していた。
ただ、何らかの特技を持っていたため、ひずみを利用する段階に至れたのだなと。
今の世はコロナ禍でまさにひずみが生じている。
どこで何が役に立つかわからない。
芸は身を助けるので、得意なこと好きなことを増やして身につけ、コロナ禍を耐えつつ人生を楽しく過ごせたらなと思う。



#殿さまの日 #読書感想文 #星新一 #ショートストーリー

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