さいはての彼女 感想
原田マハさんの『さいはての彼女』を読みました。
原田マハさんの著作は確か『異邦人』を読んだことがあるくらいかな?そちらも面白い作品だった記憶があります。
「頑張ることに疲れた時、読んでほしい1冊です。」の帯に惹かれて本屋で数ページ立ち読みし、するする読めたことにびっくりしました。
私は最近本を読まなくなってしばらくだし、今読もうと思ってもなかなか集中出来ずにやめてしまうことを繰り返していたので。
ネット小説なら読めるのに、読めない。苦しいといか気持ち悪くなってしまう。
そんな状態だったのが、普通に読めてしまいました。
多分、今読む本じゃないのを無理やり読もうとしたから悪かったんだな、と思えました。
そのくらい読みやすく、するする読める小説でした。
内容は4篇の短編からなる短編集で、どれも旅に関連がある内容。
読んでいてどこかに旅行に行きたくなりました。
どの編の主人公も、なにか上手くいかないことがあった女性ばかりで、今の上手くいかない自分の状況と通じるものがあったのかもしれません。
仕事に励む中で上手くいかないことがあった人が、旅の中で自分を見つめ直すという言ってしまえばそれだけの流れですが、読んでいるとなんだか気分がすっきりするというか、元気をもらえるような物語です。
上手くいかないことがあっても、もう一度頑張ってみようかな、これからまた上手くやっていけるかもな、と思わせてくれる。そんなお話でした。
あと、北海道に行きたくなる。あと伊豆も。
旅っていいなあ……って感じ。旅行行きたい。
主人公たちはいずれも若くはない、かと言って老いてもいないというような年齢の女性なのですが、それがまたなんとなくいい。
若いからいくらでもやり直せる、とよく言われがち(私がです)だけど、若くなくてもいいんだよなと。
二つ目の短編、『旅をあきらめた友と、その母への手紙』にある「人生の真昼でもなく黄昏でもない、けだるい午後三時あたり」というフレーズがなんとなく印象に残りました。
私はバリキャリでもないし午後三時にはまだ早いですが、この主人公たちのように前を向いて進んで行けたらいいな、と思います。
私が今「頑張ることに疲れた」状態なのかは微妙だけど、今読んでよかったな、多分今が読むタイミングだったんだな、という感じの本でした。
家に原田マハさんの本が他にもあるので、読んでみようかなと思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?