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誰に聞けば #エッセイ

小学生の頃は、
「お楽しみ給食」なるものがあって、
それが結構地獄だった。

仲のいい友達同士で
自由にグループを組んでいい給食の日だ。

その年、
私は「グループ」づくりに失敗しており
「所属」していなかったのだ。

ひとりでも構わないが
さすがにいたたまれない。

仲良くしたい子、
話せる子も一応いる。

勇気を振り絞って、
一番大きい、
端っこにいても気にならなそうな
「グループ」の「末端」に声をかけた。

私も(給食の時間)グループに入っていい?

けっっこう、振り絞った。
しかし、

えっ………?
…私は分からない。

分からない!!!!:(;゙゚'ω゚'):?

えっ、こっわ!

振り絞った勇気が根こそぎ
引き潮にもって行かれたような気分。

萎れそうな気持ちで、
なんとかもうひとこと。

…誰に聞けば分かる…?

震えた。

…わかんない…けど、〇〇ちゃんとか…?

ボスっぽい人の名前出てきた。
とりあえず、一息ついた。



こんな経験から、私はなんとなく

ひとりになることと同じくらい

「分からない」って言葉で
終わらされてしまうことが怖い。

肩透かし。
暖簾に腕押し。

振り絞った力が、
始めからなかったことになるような。

そんな瞬間が、
今でも怖いんだ。

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