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「好きに生きていい」と言えそうな気がする

「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」

イギリスのことわざで、「無理にやらせようとしても、実際にやるかやらないかは本人次第」みたいな意味だ。夫に教えてもらった。

以前、「娘に自分の好きを押し付けそうになる」という話を書いた。

それが少し変わってきた。娘が変わり、私の考えも変わった。続編として記録しておく。

何が変わったか。それは娘が『暴れ馬』だということだ。もはや水辺に連れていくことすら困難。手綱や鞍をつけることもできないだろう。

ほしいものは、ほしい。嫌なものは、嫌。あまりの意志の強さに、「あ、この子は私とは違う人間なんだな」と当たり前のことを実感した。自我があるんだかないんだかわからない頃は、まだ「私の子」というか、分身みたいな気がして、同じ好きを求めていたのかなと思う。

でも、この子にはもう自分の「好き」が生まれている。

好きな音楽はアップテンポのノリがいい曲、特にPharrell Williamsの「Happy」が好きらしい。好きな食べ物はブルーベリー(今日はじめて酢豚を与えたら大興奮だったので更新されたかも)。好きな飲み物は牛乳。氷を触ったり食べたりするのも好きだ。好きな絵本は「good night moon」。好きなテレビ番組は「Daniel Tiger's neighborhood」。好きなぬいぐるみは、夫がクレーンゲームで取ってきたイーブイだ。

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なあんだ。こうなってしまったら簡単だった。私はただ「これは好きかな嫌いかな?」と興味本位で渡してみる。そうして「ほほう、それを選びましたか〜」とおもしろがるだけでいい。

もちろん、まだ心のなかに「ええ…これ選んでほしかったのにい…」みたいなことはある。(かわいいぬいぐるみ買ったのに、イーブイなのかよ…とか)

先日、娘がやっと言葉を発した。「ママ」かな、「ダダ(ダディ)」かな、なんて楽しみにしていたのだが、「イーブイ」だった。信じられるか。


まあ、でも根底に「この子は、私とは違う人間だ」という認識ができたから。それを忘れなければ、好きを押し付けることはなさそうだ。

そうなってみると、これからが楽しみでしょうがない。

好きなジブリ映画はどれだろう?ディズニーは?俳優は?スポーツは?本は?キャラクターは?場所は?遊びは?これは好き?これは嫌い?この子の好きや嫌いが知りたいなあ、と思う。

たくさんのものを紹介してあげたい。それが「水辺まで連れていく」ということなんだろう。いろんな場所の、いろんな水辺を見せよう。どの水を飲むのか、むしろ飲むのか飲まないのか、それを決めるのは、あの暴れ馬だ。





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